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痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。 作者:夕蜜柑
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防御特化と悪足掻き。

音を立てて、兵器全てがミィ達に向けられる。

「【攻撃開始】!」

「【爆炎】!」
メイプルから次々に放たれるレーザーや銃弾。
ミィは咄嗟に防御し、マルクスとミザリーを連れてメイプルの攻撃が届かない場所の木の後ろまで下がった。
ただ、メイプルの攻撃が届かないということはミィ達の攻撃も届かないということである。
マルクスの束縛用の罠も追撃が出来ないようではたいした威力を発揮しない。

「マルクス、どう思う?」

「無理……あれはむーりー……」

「私もそう思います……あれが奥の手だと思うので、見ることが出来ただけ良いといったところですね」
二人の意見を聞いたミィは少し悔しそうに話し始めた。

「……仕方ない、負けだ。だが、ただでは負けない」
ミィは青いパネルを出すとギルドメンバーに素早くメッセージを送った。

「行くか」

「そうですね」
ミィはミザリーとマルクスを連れてその場を離れようとする。
しかし、ミィのそれとは段違いの爆発音に思わずその動きを止めて音のした方を確認してしまった。


「みーつけたっ!」
するとどうだろう、壊れた兵器を散らすメイプルが目と鼻の先にいる。
そして、ミィが【爆炎】を放つよりも早く、剣と化したメイプルの左腕がミザリーを貫いた。

「くっ……!」

「【刀剣展開】」
メイプルの左腕からさらに追加で武器が展開され次々にミザリーを貫いていく。
冷静な思考が戻らないうちにメイプルはミザリーを光に変えた。

「【爆炎】!」
ミィがメイプルを弾き飛ばし、マルクスの手を掴んで【フレアアクセル】で逃げようとする。
だが走り出したミィの速度を追い抜いて、メイプルが迫る。
メイプルは自爆による勢いのままにマルクスの背中から剣を突き刺した。
ミザリー同様追撃の剣が追加で腕や足を貫いていく。

「あ……」
マルクスは胸元から突き出た大きな剣を見て、諦めたように目を伏せ散っていった。

「くっ……MPが……!」
ミィの燃費はメイプル並に悪い。
【フレアアクセル】を使い続けて駆けつけた上に大技をいくつか使っていたミィは【アイテムポーチ】の中にポーションが残っていなかった。
魔法は使えてあと一回というところだ。

「……【自壊】!」
ミィは逃げる姿勢から一転メイプルに接近すると背中側に回って密着した。
そんなミィの体を炎が覆っていく。

「えっ……!道連れ狙い……!?」
メイプルがそう言ったところでミィの体が天高く火柱を上げてメイプルごと燃え盛った。
もうこれ以外に有効な可能性のある魔法は残っていなかったのだ。

そうして散りゆくミィは最後に聞いた。

「自爆系の威力なら……大丈夫!」

メイプルの慈悲なき宣言を。





炎が止んだ時その場にはメイプルが一人佇むだけだった。

「VIT値もスキル込みでそろそろ五桁だし……やっぱり大丈夫だったね!」
メイプルは兵器を全てしまうとユイとマイを乗せたシロップをゆっくりと地面に降ろしてその上に乗った。

「こんなに罠があるなら降りなければよかったなぁ」

「オーブを回収してまた次ですね」

「そうだね。使う予定なかったのに……やられたなぁ、もう」
メイプル達がオーブを回収しに【炎帝ノ国】の拠点にたどり着くと、そこにはオーブもなければプレイヤーの一人すらいなかった。

「あれ?」

「ど、どういうことですか?」

「…………オーブを持って逃げた?」
メイプル達にオーブを奪われたとして、それをいつまでも拠点に持ち帰ってくれなければ永遠にオーブは帰ってこなくなってしまう。
ミィの悪足掻きはメイプルの行動を出来るだけ無駄にしつつ、最悪の状況を回避するものだった。

「ど、どうしよう!?元々ここのオーブは取れたら取るってことだったけど……うー……」

「えっと……じゃあ一つ考えがありますけど

「何?」
メイプルがユイの言葉に耳を傾ける。

「ちょうどこの周りにはギルドが沢山あるので、倒しながらここのオーブを持った人を探すっていう……」

「……うん、それでいこう!」
ミィのせいで急遽襲われることとなったギルドの数は六つ。
とんだとばっちりである。

「じゃあ早速行こう!」
襲ったギルドでメイプル達がしたことは道場破りのごとく正面からオーブまでの道を真っ直ぐに歩いただけである。
その道中で食い散らかされたプレイヤーは数知れず、ユイとマイの攻撃を受け止めて盾ごと消し飛んだプレイヤーも数え切れない。

これによりメイプル達はオーブを手に入れたが【炎帝ノ国】はいち早く避難していたのが幸いし、遂にメイプル達から逃げ切った。

「暫く身を隠していれば、メイプルが拠点周りの安全を確保してくれるだろう」
生き返ったミィはメイプルの行動を考えてギルドメンバーに話す。
ひしめくプレイヤーの処理をメイプルに押し付けて安全確保をさせる代わりに、自軍オーブのポイントと近くのオーブのポイント分だけ損をした。

「痛いが……一応メリットもある。メイプルが触れてはいけないものだと分かったのもいい……」
ミィ達は遠出してメイプルが去っていくまでオーブを奪うことに専念することになり、それは強力なギルドが全力で襲ってくるということだ。

二日目の夜にかけて再び環境は動きつつあった。
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