ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
1−7





「鳴滝くんといえば、ラグビー部のエースじゃないですか。僕は明雲高校のラグビー部副
顧問なんでね、秋の大会にも顔を出したんです。鳴滝くんのタックルは力強かったなぁ」
 斉藤は酔いしれるように、そう言った。
「ふむ?巽、お前はラグビー部じゃったのか?」
 知らなかったと、稲田氏は鳴滝を見た。すると、鳴滝は真顔で。
「いや、俺はラグビー部じゃない」
「えっ?でも、君はラクビー部だって、葛岡高校の笹井先生がそう仰ってましたよ」
 斉藤は、笹井先生には去年からお世話になっていまして、と人差し指を振りながら喋る。

「どうなんじゃ?」
 さっきと同じく、稲田氏は鳴滝を横目で見る。
「違う。笹井が勝手に言っているだけだ」
「じゃあ、どうして試合に出てたんだい?」
 興味津々で、斉藤は鳴滝に聞く。
「・・・あれは、人が足りないからと頼まれただけだ」
「あれ?葛岡高校はラクビー部五十人以上いるって聞いたけど」
「・・・」
 急に黙り込んだ鳴滝。どうやら、そこら辺は触れてはいけなかったらしい。
見た目はいたって、色男全開の真顔だから、感情が読み取れないが、どこか禍々しさが伝わってくる。
 斉藤先生は、手に汗を掻いた。




「あっ、やっぱり斉藤先生じゃん」
 ふと振り返ると、開いたドアに凭れかかるように、小沢が立っていた。はぁはぁと息は荒く、顔も赤い。
「小沢、大丈夫なのか?」
「・・大丈夫に見える?」
 近づいてきた斉藤に抱きつくように、小沢は雪崩込んだ。
「相当酷いな。とりあえず、そこに座らせてもらえ。あと、稲田さんと鳴滝くんに礼を言うんだぞ。
鳴滝くんは、発見してわざわざここまで運んできてくれたんだ」
「はっ?鳴滝?」
 椅子に座った、小沢はビクッと顔を上げた。

「あっ、あんた・・」
 垂れた汗が、こめかみを辿って首を流れる。
 ・・・・緊張の一瞬だ。





「うぉおおおおおおおお!!稲田のじいちゃん、フジオはいるかぁ??」



 ペンキ(赤)に顔を突っ込んだように赤く、顔中汗をおびただしい流している。
ある意味、小沢より重症の男が乗り込んでいた。・・・・緊張、ぶち壊し。
「かっ、閣下!」
 小沢は嬉しそうに振り返った。



「ん?おぉ、コザワンじゃないか!!何やってんだ、こんな所で」

 一応、ここ病院なんですが・・・音量、放送用。

「お前こそ、何やっているんだ!」
 斉藤先生の拳骨が、周防のパーカーの上に落ちたのは当然。

「痛ってぇ。って、なんで斉藤先生がこにいんの?」
「それは、こっちの台詞だ。周防、お前、学校抜け出してきたんだな。朝言ったこと聞いていなかったのか?」
「何か言ってたっけ?」
 首を横に倒して、「何?」と周防は言う。
それに斉藤先生は、額に血管が浮き上がるほど、力強く拳を握りしめて、プルプルと震え始めた。
 蒸気が立つんじゃないのか?と、小沢は真ん前にいる、斉藤先生を観察していた。


・・っと、周防。斉藤先生の後ろに何かいるのに気がついた。すこーし、体をずらして、覗き込む。すると、



「!!」

 声にならないのか、大口開けて、しばらく停止あぁ・・始動開始まで、

あと三・・




二、一





「ナルオカ!!てめぇ!!」




*次回、「さっ、一番顔が赤かった人は誰でしょう?」by コザワン ・・え、それ予告なの!?

「コザワン、揉めごと嫌いなんだよ」by.奥村from.今、出番ない協会




*木崎先生からの猛注意* 
若干(一ミリから五センチの間)、凶暴になる恐れがあるから、
痛い・怖いの駄目な人は、飛ばしとくように。



+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。