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エピローグ


エピローグ







 十字路の町の地下、十七の塔の十階。小面の女二人が薙刀を持ち守る壁の中では、空を走る麒麟の蒔絵が描かれた本漆朱塗りの盃に透明の液体が注がれた。電気の行灯があちらこちらに置かれ、均一した明るさがつづいている。
下座の方から小面の女が三人に、翁の面の老人が四人壁に沿うように座り胡坐をかいていた。窓側では十六の面を被る三人の若い男が。四人目からは独特な大童子、弱法師、小飛出、深井、延命冠者やらの面をかぶり、彼らの前には皿に料理の飾られた懸盤が置かれていた。客人として、彼ら四人にだけに与えられた質素な朱塗りの杯に盛られた酒を口にしていた。上座の左手にはその十五人とは別格なのか、艶やかな紫の、竹林と統べる五色の鳳凰柄の着物に着替えた万媚の面を被る女が座っていた。女の右手、金箔の屏風に墨の四神が四方を守り睨む、その屏風の手前で、天狗の面をかぶる漆黒の着物をきた男が、盃の酒を面からわずかに開いた隙間から啜っていた。金の亀の絵付けされた皿や高坏は客人よりもやや華やかな飾り付けで、珍味や高級食材で作られた現代風の和食の残りが並んでいた。銚子を手に、紫の着物の女が飲み干した天狗男の盃に、酒を足した。天狗男は微笑んで盃にまた口付けた。そうして、また酒を継ぎ足そうとした女に「もう結構」と、手で塞き止めた。男の目線の先は純白のスクリーンだった。映写機が今の今まで、十字路の地下と町の映像を映し出していたものだ。天狗男は言った。


「十六夜月にはじまり、二十三夜月に終わる戦。今年も良い見物だった。
欲のない勝者とはおもしろいが、他の大将もなかなか癖があってよかった」


「恐れ入ります」
 その場にいた十六人が一斉に手を前に出して腰ごと深々とお辞儀をした。
天狗男は頷きながら言った。
「死者はないな」
 向かって左側の、翁の面の老人が「さようでございます」と答えた。
天狗男はさらに頷いて、
「では、勝者への褒美は後日。各々の家庭に送るように」

 右側の一同が「はっ。かしこまりました」とお辞儀した。天狗男は、今度は左手万媚の面の女に向かって言った。
「美香、私は帰ることにする。お前は稲田に褒美を授け、この地下が静まってから、それから帰ってくるように」
「承知しました」と、万媚の面をかぶった美香がお辞儀した。


「関口、藤尾、玖珂、津幡は私と共に帰るぞ」

「はっ」

 十六、弱法師、小飛出、深井、延命冠者が頭を下げた。天狗男は颯爽に立ち上がり、身を翻して和室奥の特別な階段へ赴き。天狗男の後に延命冠者の面の男を筆頭として五人が和室を後にした。彼らを見送った十一人は、俯き加減で一年で最も身の毛立つ行事が無事終わって、ひどくほっとしていた。














 バトルBゲーム。現代の主要都市で起こる政治や経営戦争が世を動かす第一級の戦であり、世を動かさないが地域の隠された戦こそ第二級の戦いと呼ばれる。本作はその隠された戦という祭りを綴った一節にすぎず、戦というゲームは主がいる限り、知らずと終わりを迎えることはない。





                                 
                                             
              







最後までお読みくださり、ありがとうございました!
いやぁ、作者満足。天晴れ!
って話で終わればいいんですが、時間かかりすぎた上、
誤字、脱字などなどが多く読みにくかったかもしれません。
そこは大目に見てもらえればありがたいです。
作者の傲慢ですが、ただ、純粋に「遊び」を楽しんでもらえたら良いです!

しかし、本日2010/6/20のアクセス数が奇跡的に2.1万を越えていて、
作者は非常に感動しております。涙が豪雨のように出そうだ。雨季の奇跡。
ご感想も頂いて、もっと頑張らねばと思う限りです。

次回作については、がらりとかわって長編ファンタジー。
タイトル名は「灼熱の銀の球体」。
変な名前の普通のファンタジー小説でしょ?といっても、
バトルBゲームより以前から書いているもので、
それなりに作者の変てこな世界観丸出しになっていると思うので、
補足などはHPからリンクできるようにしたいと考えております。
HPに載せてるバトルBゲームの短編が終わり次第
新作載せていく予定です。
はぁーとため息が漏れるほど長々書きましたが、
これからも応援の方よろしくお願いします。


               2010/6/20 Yuhi.S

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