おはようございます。
ツアイツです。
久し振りにこの挨拶で、話がスタートしました。
現在、ギトー先生の風サイコーな授業を受けながら考え事をしています。
昨夜、父上から届いた梟便の手紙について……
アルビオン王国で展開している作戦について、初めての経過報告が来ました。
こちらも、イザベラ姫との会合の結果を報告。
彼女は協力的で有り、情報は流してくれる事。
竜騎士団長は、貧乳派なので父上と話が合いそうだし、騎士団員達も協力的な事。
そして父上からの手紙には……
先ず、良い報告です。
アルビオンに流している「男の浪漫本」ですが、順調です。
そして、順調故に間者が何人か、ウチとツェルプストー辺境伯の所で発見、捕縛したとの事。
悪い報告ですが……
間者ですが、レコンキスタだけでなく、アルビオン王家の関係者も居ました。
そう言えば、本名で書いてるし調べれば直ぐに分かるから当たり前でしたね。
何れこの学院に居ても、接触は有るな。
なので、トリステインに構えた屋敷は引き払う事にしました。
巨乳メイドズは、ハーナウ領に引き上げ。
管理はヴァリエール公爵にお願いし、傭兵さんのみ駐屯して貰ってます。
彼らも不要と言えば不要ですが、少しでも敵の注意が向けば儲けもの。
人質としての価値は無いし、最悪攻められても適当に相手をして逃げろ!
と、言い含めてます。
アルビオン王家に目を付けられた……
それは、「男の浪漫本」の中で、貧乳部門が発禁コードに引っ掛かったか、単純に巨乳部門に食い付いたか?
どちらも、一波乱有りますね。
しかし、著書が流れただけなので、どうこうされる問題ではないかな。
でも、貧乳部門について発禁処分となり著書に責任を追求する……
なんて、可能性は低いけれども、この世界の男達は性癖に対して厳しいから。
ジェームズ一世や、ウェールズ皇太子の考え次第だと思う。
これは、アンリエッタ姫経由で接触を図った方が良いかもしれません。
アンリエッタ姫に接触するには……
ルイズか、エレオノール様が良いかな。
巨乳関係でルイズ。
先の演劇関係でエレオノール様……
学院か?
アカデミーか?
エレオノール様の方が、安全かつ確実だね。
よし!
エレオノール様に手紙を送って段取りをして貰おうかな……
等と考えていたら、既にお昼です!
ちゃんと授業を聞いていないので、卒業出来るか不安になります。
アルヴィーズの食堂にて……
今回の食卓は、モテナイーズに囲まれています。
彼らの目的は、女生徒達から漏れ聞いた、アンリエッタ姫がウェールズ皇太子狙いは本当か?ですね。
僕に聞かれても答え辛いんですが……
最近、シャツの露出とフリルが激しくなったギーシュがしつこいです!
「なぁツアイツ?
女生徒達の噂のアレ……
君は聞いてるかい?」
「トリステイン貴族を差し置いて、アルビオンの皇太子狙いってこの国の立場はどうなるのかな?」
ギーシュの問に、レイナールが疑問をぶつけてきた。
確かに、トリステインの次期王女が、アルビオンに輿入れしたいなんて……
じゃあトリステインはアルビオンの属国化?
とも思われるわな。
流石は眼鏡君だ!
「確かに、アンリエッタ姫はウェールズ皇太子にお熱みたいだね。
でも婚姻は今の立場では無理でしょ?」
「でも、アンリエッタ姫本人が言ってるぜ?」
ギムリ……
脳筋の癖に、騙されないか。
「正直に言えば、アンリエッタ姫が暴走してると思う。
ただ、ウェールズ皇太子と結ばれたいだけで、他の影響を考えていない。
でも、君らが知ってるなら当然マザリーニ枢機卿も知っている筈だから……」
「彼らがとめる……か」
「……うん」
アンリエッタ姫、早く状況を知らせてこちらに引き込まないと駄目だ……
非常に嫌だけど、このまま独走させると先が読めないから。
男ばかりの昼食会は、重たい雰囲気で終わった。
楽しんでいたのは、食欲の減った周りから料理を貰ったマリコルヌ位か……
癒やしが、マリコルヌは嫌です。
そして、トリステイン国内が妖しい噂で持ち切りになった頃に、エレオノール様から連絡が有り、遂にアンリエッタ姫との会合がセッティング出来ました。
場所はアカデミーにて。
メンバーは、僕とエレオノール様。
シェフィールドさんはお留守番。
本人は、マジックアイテムで会合の様子は見れるし、僕が危険になれば乱入するから安心して欲しい、と。
全然安心出来ません。
先方は、アンリエッタ姫にワルド殿、そしてアニエス隊長率いる銃士隊のメンバーです。
グリフォン隊の連中はお忍びの為に参加はしないそうです。
ワルド殿の情報では、アニエス隊長が並々ならぬ情熱で会合の参加を希望したが、アンリエッタ姫に止められたそうだ……
ただの会合では、絶対すまなそうです。
それぞれの思惑の入り乱れた会合が幕を開ける!
トリステイン王国アカデミー内、エレオノールラボ!
王族を待たせる訳にはいかないので、結構前に僕がアカデミーに向かう。
出迎えてくれたエレオノール様は凄く不機嫌だ!
「お久し振りです。
エレオノール様……
あの、不機嫌そうなんですが?」
黙って応接室に通され、向かい合って座ったのだが……
沈黙が痛いです。
「ツアイツ殿……
お母様から聞きました。
ルイズとの婚約を希望したとか?
お似合いね……
若・い・し・ね!」
えーと、自分より先に妹が結婚って嫌なのかな?
嫌なんだろうな……
「はい。
その、ルイズとは幼少の頃に、既に婚約者でしたから……
それに、カリーヌ様から嫁にやるのは、ルイズだけと言われましたし」
エレオノール様は、クワッと目を見開いて
「私では、不満だと?」
「いえ、でもエレオノール様と結ばれるには、僕がハーナウ家と縁を切らねばなりませんから」
「…………」
「…………そうね。
私は、ヴァリエール家を継がねばならないわね。
ごめんなさいね」
「いえ、僕の方こそ姉と慕う貴女に気を使わせてすみません」
「…………姉、なのね」
「…………はい」
「私は、家の為なら貴方に嫁いでも良かったわよ。
こんないき遅れじゃ嫌かもしれないけどね」
そう寂しそうに笑い掛けられた……
その儚い微笑みは僕の心を随分と抉ったけど。
それから僕らは、アンリエッタ姫がアカデミーに到着するまで無言だった。
この別れ話を切り出している男女の様な、重たい雰囲気は……
正直辛かったです。
自惚れでなければ、エレオノール様は僕と結婚しても良いと考えていたのかな?
まさかね。
手の掛かる弟みたいな僕が、いきなり妹と婚約した事が気に入らなかったんだろうな。
表情の無い彼女の顔からは、何も読み取れなかった……
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