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魔法学院編
第15話
風魔法馬鹿は単純だったYOー

ガラッ「静かにしたまえ諸君、最強の風魔法の授業を担当するギトーだ!」

颯爽と教室に入ってくるギトー先生。

うわぁハリポタのアレな魔法薬の先生だな……

キャラが濃いわ。

「今年の生徒は不作だ……
僅か二人のトライアングルに、疑わしいがスクエア一人、そして残りは殆どがドットだ」

いやこれから習う為の学院なんだし、教師よりレベルが高かったら意味無いでしょ?

「そこでだミスタツアイツ、君は土のスクエアなんだろう。
最強たる風の私と、力比べをしようではないか?」

はい、初日から教師に喧嘩売られました。

「構いませんがどこでやります?
教室では危険ですし、外に出れば大地の上で僕が圧倒的に有利ですよ」

ギトー先生、コメカミをピクピクさせて

「凄い自信だな!
教室では不利か、では外でも私は構わないぞ」

「では教室で構わないです」

ニヤリと笑って懐から杖を抜く。

「好きに仕掛けてきたまえ。
全ては風で祓って見せよう」

ギトー先生がマントをハラリとなびかせて構えを取る。

「クリエイトアースファング!」

僕はギトー先生を囲むように土の槍を錬金し、両足をコンクリートで固めて動きを封じた。

勿論、槍の先は向けるだけで刺してはいないが、100本からの槍が床や壁・天井からギトー先生に牙を向けている。

寸止めしている槍をギトー先生は風の魔法で薙ぎ払うが、僕は更にゴーレムの腕だけ錬金し掴んだ。

両足も固めているので、槍を払ってから足の拘束を壊すまでのタイムラグで捕まえられた。

「風魔法が強いのは烈風のカリン様との手合せで実感しています。
しかし、四方を囲まれた狭い空間で錬金を得意とする相手では、土魔法が有利ですよ。
もっともあの人は、それでも粉砕した化け物でしたが……」

そう言って拘束を解いてゴーレムを消した。

「そうか……
君はあの生きる伝説を知っているのか」

しみじみと、ギトー先生が何かを思い出すように言った。

「ええあの風の化け物をしっているからこそ、風の強さとその対策を磨きました……
死にたくなかったので」

「烈風のカリンは結婚してからは公の場には出ないが、現役時代を知る身としては良くアレの弟子をやってるな」

「強制でしたから……
ノルマを達成出来なければ代価は自身の命でしたし、まさに命がけでしたよ」

遠い目で答えた。

「そうか……
何か問題が有れば相談に来るがいい。
力になろう」

同情されちゃったよ。

「では、偏在を使った戦闘訓練をお願いします」

ワルド対策に一度風の使い手と戦っておきたいから丁度良いかな。

「風の最強たる所以の呪文だな。
良いだろう!
放課後の空き時間にでも指導しよう」

「有難う御座います」

やったワルド対策ゲットだぜ!

ルイズは実の母親がアレや化け物扱いで微妙な顔をしていたが、本当の事なので何も言えなかったし、クラスの皆は生きる伝説の正体の無茶さを改めて心に刻んだ。

性格はアレだが、授業自体は懇切丁寧で分かり易い内容だった。

もっとも彼的には、何も知らない小童共と思っているのだろう。

でもこの時点でギトー先生が登場してるとなると、ヴィリエとタバサの件てどうなるんだろう?

初日の授業を終え夕食までゆっくりしようと部屋に向かったが、窓の外で荷物を運んでくれたメイドが、何故か木に登っている。

どうやら洗濯物が飛ばされて、木に引っ掛かってしまったみたいだが……

細い枝にノロノロと伝っていくのは、見るからに危ない。

落ちる前に助けるか……

窓らかフライで飛び出すと、脅かさない様に気を付けて彼女の前に浮かび声をかけた。

「あーレディに、木登りは似合わないから降りようよ。
君と洗濯物にレビテーションを掛けるから、心配しないで」

さっさと彼女と洗濯物を下ろすと

「気を付けてね」

と先ほど飛び降りた窓にフライで飛んでいった。

金髪ツインデールロリ巨乳メイドとは、随分とマニアックな女の子だ。

でも原作に、あんな感じの女の子居たか?

しかし随分と手が荒れていたな……

この時代は洗濯機なんてないし、平民は魔法も使えないから全て人の手で行わなければ成らないので、大変だよね。

ハンドクリームくらい、差し入れしてあげるか。

実物のマルトーも見てみたいし、和食とか作ってくれないかな。



SIDEツインテールメイドさん

私はタルブ村の裕福でない家の4女として生まれたので、口減らしの意味も含めてこのトリステイン魔法学院に奉公に来ています。

見た目はそこそこ可愛いらしく、村の年頃の息子を持つ家の方々からお嫁にとのお誘いも有りましたが、他家に嫁いでは実家に仕送りも出来ないので、思い切ってこの学院で奉公しています。

貴族様は我々平民に対しては恐ろしい存在ですが、今日お会いした貴族様は気さくで優しいお方でした。

他の奉公人の方にお聞きしたら、何でもゲルマニアからの留学生で既に色々な分野で成功を収めている方だとか。

有能でお金持ちでお優しいなんて、凄い人なんですね。

ただ私の手をじっと見てなにか言いたそうでしたが、水仕事で荒れてしまった手を見られるのが恥ずかしかったです。



SIDEツアイツ

色々有って疲れて部屋に戻ってから直ぐに寝てしまったが、お腹が空いて目が覚めました。

時計を見れば丁度夕食の時間だな。

我ながら素晴らしい腹時計!

身嗜みを軽くチェックして食堂に向かうと、途中でギーシュと合流しギーシュと一緒にいたヴィリエとマリコルヌとも何となく話す様になった。

彼らは風の系統なので、烈風のカリンの弟子である自分に興味が有るみたいで色々と質問してくる。

男4人で食堂に入ると、ルイズとキュルケがクラスの女子とテーブルの一角でキャイキャイ話していた。

うまくやっているみたいだ……

軽く手で挨拶してから男子が集まるテーブルの方に移動し、先に座っていたクラスメイトの話の輪に加わる。

彼らも腐っても貴族な訳で、実家に不利になるような事は極力しないのだろう。

いくら気に入らないゲルマニア貴族とはいえ、ヴァリエール公爵家と縁が有り、自身も有力貴族である僕に敵対的な行動がとれだけ危険なのかは理解しているのだろう。

折角なので、ヴァリエール公爵夫妻の親馬鹿ぶりも説明しておく。

睨まれたらどうなるか……と。

しかしどんだけ量が有るんだこの夕食……

こんな過剰な栄養摂取は、巨乳に悪影響を及ぼすぞ。

てか、コース半ばでリタイアでした。

美味しいけど、完食は無理でした。

食後に鍛錬しないと直ぐにデブになるな。

後半の料理の殆どをマリコルヌに押し付けて(彼は感謝していた)食後の珈琲を飲んでいると例のメイドさんがケーキを配膳しに廻ってきた。

ケーキは要らないが、後で厨房の責任者に会いたいけど、何時ごろなら迷惑にならないか?

と聞いたら貴族に配慮されたのが恐縮なのか、

「責任者はマルトーさんですが、伝えておきますので何時でもいらしてください」

と答えてくれた。

ふむ、料理担当なら全ての料理が出きった後なら明日の仕込み迄の間が良いかな?

と思い食後に顔を出すと伝えてもらった。

そう言えばまだあの子の名前聞いてないや。

夕食後、一旦部屋に戻りハンドクリームを錬金してから厨房に向かう。

「今晩は!お邪魔するよ」

と厨房に入ると、恰幅の良い中年の男性が例のメイドを庇う様に前にでて

「何か問題が有ったでしょうか?貴族様」

と恐縮しながら、それでもしっかりと僕の目をみて話掛けてきた。

僕はメイドさんに

「はいこれウチの領地で配っているハンドクリームだから、1日に3〜4回塗って」

と渡し、きょとんとしている二人に

「食事が食べきれず残してしまうので、僕の分は朝昼晩共に減らせないか?」

とお願いした。

「それはどういう意味ですか?」

とマルトーさんが不安がって聞いてきたので

「いや、料理の味は最高だけどアレを食べ続けたら普通に太るし、残すと食材が勿体無いから」

と説明する。

マルトーさんは

「貴族様が勿体無いなんて珍しい!」

と驚いていたが

「小さな事からコツコツとするのが、成功の元だよ」

と言うと、笑ってくれ食事の件のお願いはきいてた。

ただ他の貴族様との取合いが有って、自分独りだけの特別な料理は出来ないので量を少し減らしてくれるそうだ。

目の分が妙に小さいと、貴族を侮辱しているとか過去に有ったらしい。

マルトーさんと話し込んでいる間、ずっと立ちっぱなしだったメイドさんが恐る恐る

「あのこれはどういう意味でしょうか?」

と物凄く恐縮してきいてきた。

「それは僕が調合した、うちのメイドさんにも配っているハンドクリームだから使ってね」

「こんな高価な物を頂くわけには……」

と遠慮しているので、

「ウチでは使用人の健康の管理も見るのが、当たり前だから」

と強引に押し付けた。

「週に1本ずつ渡すから、遠慮無く使うように!」

と言って帰っていったが、皆さん変な目をしてたな。




その夜の厨房のミーティングにて


マルトー

「何とも風変わりな貴族様が今年はきたな」

謎のメイド

「でも重たい荷物を変わりに持ってくれたり、風で飛んだ洗濯物を魔法で取ってくれたり優しい方ですよ」

モブA

「それは○○○に、下心が有るんじゃないか?」

謎のメイド

「そんな邪な感じは無いですし……
それならそれで嬉しいのですが、いまだ名前も聞いてくれませんし」

モブBC

「○○○ちゃんあの貴族様が好きなのか……ショック」

マルトー

「何にしても今までの糞ったれ貴族様とは違うって事だな。
それで良いじゃないか」

メイドA

「それにこのハンドクリーム凄いですよ。
痛みやヒビがみるみる直ってるし、水につけても沁みないし」

メイドB

「もしかして凄い高級品なんでしょうか?」

メイドC

「ツアイツ様と言うのですが、相当な資産家であの人気の物語の作者らしいです。
他の貴族様が噂してるのを聞きました」

メイドA

「それなら私も聞いた。
烈風のカリン様の愛弟子なんですって」

マルトー

「またとんでもない御人が来たもんだな。
まぁ平民に優しい方なら問題ないだろう。
皆も失礼のないようないな」


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