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俺には言えない~亡き祖父の意味深な一言~

作者:リューク
1999年、私の祖父は永眠した。

享年82。
恐らく往生した方だろう。

その祖父が、無くなる少し前に祖母に向けて言った一言がある。

「お前は、誰ぞ良い人にもらってもらえ」

これを聞いた時、当時中学2年だった私は、「爺さんボケて時代遡り過ぎたか?」としか思わなかった。

そして、この考えは、私だけでなく親族全員が思っていた。

たったこの一言。
たったこの一言だが、あれから時は流れて18年経ったある日、ふと私はその一言を思い出した。

何という事は無い。
私にもし彼女が居て、嫁が居て、今にも死にそうな時、意識が混濁しつつある時に私は言えるだろうかと思ってしまったのだ。

そう、私は正直言って嫉妬深い。
彼女の言動全てを知っていなければ気が済まず、彼女と毎日のように連絡が取れないと不安になる。

最近は少し自制心が出てきて、どうにか我慢できているが、それでも不安な気持ちは消えない。

私が消えるのでは? 毎日見て? 私をもっと知って、貴女をもっと教えて?

自制心と理性が少しでも弱ければ、恐らく私はストーカーになっていただろうくらい、束縛と嫉妬が強いのだ。

そんな私に、祖父の様な一言は言えない。

だって、あの言葉は、自分の事を忘れてお前だけでも笑って過ごしてくれって事だから。
お前が幸せなら、その相手が自分じゃなくても良いって事だから。
今日、バイト中にふと思い出して、そして「あぁ、そう言うことだったのか……」と思った。

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