ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
誘拐
「鈴!! 」
 私は大声を上げる。だが宿の1室から彼女が出てくる気配はない。鈴は私以外には警戒心が強く、勝手にいなくなることは、恐らくない。
 私の頬を風が撫でる。
 部屋の窓が開いていた。
 月明かりに照らされ、1つの文を私は見つける。
 その手紙を私は開く。
【拝啓……エミヤ君。君の連れ子は、私地球皇帝が預かった。返して欲しくば、蝦夷の集団に同行するのだな。ハーッハッハッハ。
 追伸……君が彼女を連れ戻しに来なかった場合、変態科学者によって彼女のパンツはずり下ろされることになるだろう。心して起きたまえ。
 地球皇帝はいつでも君を見ているぞ。】
 辛うじて読むことが出来る手紙には、芸術的に達筆な字でそう書いてたった。
 この落書き通りであるならば鈴は、誘拐されたことになる。
 私は開いていた窓から飛び降りる。宿の隣にある平屋の屋根瓦が軋む。そして屋根から屋根へと飛び移る。鈴をさらった者に追いつけるだろうか。
「……あれは、合当理か!! 」
(何かかんがえろ)
 2つの灯火が私から見て北へと飛んでゆく。こちらとて市街地で戦闘をするつもりはないが……。
「このままでは引き離される 」
 私とてただの人間から見れば超人的スピードで移動はしているが、相手は空飛ぶ劔冑に追いつくどころか引き離される。
「やむ終えまい 」
 敵機を見失う訳にはいかない。
「――――投影、開始 」
 想い描くのは九〇式指揮官機垣見機である。
「――――装甲、終了 」
 私の姿は一瞬にして、劔冑へと変わる。
 合当理を噴かす。私の身体は宙へと舞う。これで立場はイーブンか。だが、
「相手の方が早い 」
 九〇式指揮官機の計器は徐々に敵機との距離が引き離されていることを示す。
「これは、私を誘っているのか 」
 敵機は鎌倉市外へと舵を取る。市内で戦いを始めるほど、敵も狂者ではないと言うことか。
 ならばこちらとて好機……市街からかなりの距離を取ったところで……、
「――――投影、開始 」
九〇式指揮官機で追いつかないならば劔冑を『取り替える』!!
 追いつけばいい、今の私は彼女を守る目的にある。だとしたらコレは私にとっては不都合だ。ただ、追いつけるだけで良い。
「――――憑依経験、共感終了」
 劔冑の仕手の経験を投影する。
 使える機能は……これか!
電磁(リニア)……加速(アクセル)!!」
《!?》
 金打音を通して息を呑むような驚きの声が聞こえる。
 私は敵機に追いつく目的の為だけに、村正を投影した。電磁加速を行い敵機の前に回りこむ。
 そして私は再び九〇式指揮官機へと装甲し直す。
《……実に仰天。まさか真打と数打両方持ってるとはな。だが、何故数打に戻した? 》
「そんなことはどうでもいい。彼女を渡せ 」
 私は敵機が脇に抱えてるものを指差す。敵機は脇に鈴を抱えていた。
《よかろう、それほど欲しくば……返してやろう 》
 敵機は脇に抱えていたものをこちらへ向かって放り出す。だが、意図していたのか届かない。
「くっ 」
 私は合当理を吹かせ手を伸ばす。間に合え……。
《頂戴 》
 敵機のそんな声が聞こえる。
「なっ!」
 私が必死に掴んだソレは鈴でなくただの丸めた小布団でった。
 私は布団を手放し瞬時に攻撃を避ける動作に移る。
《 このような子供だましの手に掛かるとは……貴様本当に仕手か?》
 劔冑には熱源を探査する機能が当然のようにある。それを知らぬのは仕手とはいえない。
 敵機が切り抜ける。
《ほう、それでも避けたか。だが、数打に変えたことを後悔させてやろう。先程の真打がいかがな物かしらぬがこちらも真打。数打に負ける道理はない!! 》
 敵機はまるで太刀を舐めるような動作をする。もちろん頭は甲鉄で覆われているのであくまで動作だけである。
「ふん。弱い犬ほど良く吠える。名劔冑(めいとう)を使えば勝てると豪語するとは 」
 言動を含めても相手が並程度の落ち武者であると判断する。劔冑に関しては確かに相手に分があるかもしれない……だが、戦闘技術においては私が負ける道理はない。
《その様子、この劔冑が何であるか看破した様子と見受けた 》
 敵機がこちらを挑発する。
「もちろん。その劔冑は肥前(ひぜん)忠広(ただひろ)。いい劔冑じゃないか 」
《……ではこの劔冑の曰くも当然知っておるな》
 肥前忠広……あの坂本龍馬が持っていたとされる劔冑である。だが、それ以外にも持ち主と思われる人物がいる。
《今宵も私は人を切る 》
 岡田以蔵、人切り以蔵と呼ばれた彼が暗殺に使ったとされる劔冑である。
 九〇式指揮官機と忠広が空中で唾競り合いを始める。
おひさしぶりです。

久々に時間が出来たということでエミヤを直して投稿しました。

定期的に投稿できない状況が続いておりますがお付き合いいただけたら幸いです。

また、こちらは宣伝となるのですが、新作のロボットモノ小説にも力を注いでいますので、お目汚しにならなければご覧いただければ幸いです。

http://ncode.syosetu.com/n3223v/

空戦モノですのであちらに比例して衛宮の戦闘描写がうまくなっているといいなぁと思います。
評価
ポイントを選んで「評価する」ボタンを押してください。

▼この作品の書き方はどうでしたか?(文法・文章評価)
1pt 2pt 3pt 4pt 5pt
▼物語(ストーリー)はどうでしたか?満足しましたか?(ストーリー評価)
1pt 2pt 3pt 4pt 5pt
  ※評価するにはログインしてください。
ついったーで読了宣言!
ついったー
― 感想を書く ―
⇒感想一覧を見る
名前:
▼良い点
▼悪い点
▼一言

1項目の入力から送信できます。
感想を書く場合の注意事項を必ずお読みください。


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。