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シュレディンガーのぬっこ 作者:Pー龍

第五章 おっさんと愉快な仲間たち

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閑話 やまだたけるクンのハードボイルドな日々 ~これまでの軌跡 34~56話

4月20日改稿 改稿後は縦書きビューワー推奨ですが、横書きで見たところで問題は無いはず。スマホは相変わらず見づらいかもしれません。
 度々繰り返すようでなんなんだが、俺の名前は山田武尊と書いてやまだたけるだ。35歳の独り身の男。いろいろあって、なぜだか冒険者稼業なんてものをやっている。いまだ新人だ。

 先日、請け負った仕事を終えた俺と同居人は、ギルドへ報告と納品に出掛けた。その便で新たなる仕事を3つほど請け負い、そのうち2つは当日中に納品した。なぜか仕事の報酬の一部としてスパゲティモンスターというやっかいなものを抱え込んでしまった。と思ったんだが、これが後で役に立つことになる。その話はまぁ、おいおい記していこう。
 その日、居合わせたギルド職員全員(マイナス1名)でパーティがあり、夜はギルド内にある簡易宿泊所に泊まることになった。翌朝、残る仕事を片づけるため俺たちは黄泉瓜ランドへと出掛けた。本来なら俺と同居人の2人で出掛けるはずだったんだが、なぜか3名ほどおまけが付いて来ることとなった。
 異臭漂う黄泉瓜ランドはウリ科の野菜とゾンビが売り物の観光農園だ。俺たちはそこの草刈りを引き受けていた。朝からテンションおかしい同居人が独りカクレンボをする中、他のメンバーで黙々と除草作業を続けた結果、昼過ぎには作業は完了した。売店でおみやげを購入し、さぁ帰ろうかと思ったんだが1人足りない。何処へ行った? 鬼に(さら)われた?  仲間の言によると、鬼が何処かへ攫って行ってしまったとのこと。
 仲間思いの俺が攫われた仲間を見捨てるわけがない。俺たちはその鬼を追いかけて、冒険の旅に出ることとなった。ここで、先のスパゲティモンスターの世話になったのだ。ヤツは極めて優秀な神様だった。
 地下へ潜ると臭気は一層濃く感じられた。トンネルを抜け、ゾンビの集落を抜け、沼を越え、砂漠を過ぎたあたりで、俺たちは自称妖精と出会う。のどの渇きを訴える自称妖精に、俺たちは手持ちの飲料を惜しげもなく分け与えた。助ける力のある者が苦しんでいるモノを見捨てるなんてのは人道に反している。 自称妖精は俺たちに強く感謝し、鬼の館への道案内を自ら進んでしてくれるという。
 森に入った俺たちは、狼の群れと出会った。ヤツらも俺たちの仲間に加わった。それもすべてスパゲティモンスターあってこそ。
 森の先には鬼が2人立っているのが見えた。その後ろには立派な日本建築の館が建っている。どうやらここが目的地の鬼の館。俺たちは門番鬼に訪問に至った経緯を伝えた。ここでの戦いを覚悟していた俺だったが、門番鬼は実に物わかりのいいヤツ等で戦端が開かれることなく拍子抜けだ。逆に丁寧な案内を受けた俺たちは館の玄関前へと進んでいく。門番鬼は俺たちの到着を館の主へと告げた。
 館から出てきたのは3歳児然とした生キズをかかえた男の子。まったくもって意味が分からないんだが俺はその子にケンカを吹っかけられ、3歳児とのバトルに突入した。ヤツは的確に俺の急所を狙って攻撃してくるが、俺は子ども好きな男だ。子ども相手に手を挙げるようなマネなどするわけがない。だから一方的に攻撃を受けることになったのさ。
 突然、俺の脳内にアナウンスが流れ、オリジナルスキルのひとつが解放されたことを知る。スキルの使用法がわからない俺は、スパゲティモンスターを頼った。ヤツは俺の期待に十分に応えてくれた。
一方的に3歳児の攻撃を受けていた俺に、防御手段が出来たわけだ。3歳児の最終攻撃の防御に成功した俺は、館の主に快く迎え入れられることとなった。その過程で館の主は何かを見たと言うんだが、俺には何のことやらさっぱりである。
 思わぬ歓待を受けた俺、それとは対照的に同行メンバーのうち2人は別室に連行されたようだ。そもそもここは鬼の館ではなく、俺の同居人の母上の住まう屋敷であった。
 その夜、新たなるスキルを習得するべく屋敷の主人監督の下、修行を重ねた。その甲斐あって無事に習得することが出来た。それが2次元ポケットなるスキルなのだが、所持品をすべて2次元化して収納できる便利スキルだ。おかげでここまで紙袋で提げてきたおみやげの数々を楽に持ち帰ることが可能となった。帰りにもおみやげを頂いてしまったので、本当に習得しておいて良かった。

 俺たち3人はギルドへと帰り、依頼業務完了を報告した。
 その折、ギルドに大騒ぎが生じていることを知った。ギルド所長が行方不明だという。俺たちは早速解決に乗り出した。素早い俺たちの対応の結果、所長行方不明事件はあっさりと解決することとなった。その際、所長(+1名)の機嫌がすぐれなかったんだが、俺の機転によって、所長の機嫌はすぐさま回復した。
 こうして所長行方不明事件は解決したのだが、ギルドではもっと重大な事件が発生していた。凶悪犯の変死体がエレベーターの天井から発見されていたのだ。
 俺の同居人が虹色(にじいろ)の脳細胞とやらを使って事件解決に乗り出したんだが、結局原因を突き止めることはできなかった。
 この事件は銀河系を揺るがす大事件だったらしい。宇宙の隅々からメディアがギルドに押しかけているそうだ。おかげで閑散としていたギルドが大賑わい。この状態は少なくとも1月から半年は続くそうである。
 ほか、3日前に依頼を完了したルルイエ皇太子であらせられるところのハスターさまの相談を受けることとなった俺と同居人。彼のおじさんの希望をあっさりと叶えて、このことはルルイエとギルドの提携話へと繋がった。
 メディアから受けたギルドへの依頼はそのほとんどを俺が請け負うこととなってしまった。ただそのどれもが簡単な依頼なので美味しい話なのだ。他の冒険者のことを尋ねたんだが、社畜根性のある奴はいなかった。

 ようやくアパートの小部屋へと帰り着いた俺と同居人。この時点での同居人は1柱の神から2柱の神に増えていた。そのはずだったんだが、蓋を開けてみたら3柱だった。何を言っているのかわからないだろ? あぁ、俺もよくわかっていないんだ。わかりたくもない。
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※本編は第1話からのスタートです。それ以前は閑話となります。
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