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神影の彷徨 作者:ゆちゃあ
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第五話 貴女と私 / 5




 暗い暗い部屋の真ん中にそれは置いてあった。しっかり壁に打ち付けてある時計の鉄格子越しに見える細い針が円を二回描く度に一度、それは体全体を攣縮させる。
「素晴らしい。生物として定義される必要の無き生物よ、私は君が欲しかった」
 それは度々苦しみを訴えるような呻き声を漏らすが目の前の人物はただひたすら観察を続けるだけである。
「君のような歪んだ存在は私の下に集まるべきなのです。ええそうですとも、私はその為に生まれたのですから」
 その男、春日井京鹿は手に持つ本をゆっくりとした動作で床に置き、座り込んで何やらその本に書き込む。その書き込んでいるはずの筆記用具は存在せず、また文字自体視認できない。それでも彼はひたすら書き続ける。
 書くのは彼の頭の中に存在する目の前のモノの存在意義である。
「歪みは必ず誰かが正さなくてはならない」
 彼は自身の存在の意味を深く理解していた。

▽▽▽▽▽

 何日か前に告白してあっさりと玉砕し、一時は再び登校拒否に戻った君中がいつの間にか自然に登校するように戻ってきた頃、俺達の教室から一人の生徒が消えた。

 いや、正確に言うと消えたわけではなく転校したことになっている。でも生徒の中では「消えた」と表現されているのだ。

 その理由として居なくなった時の状況が挙げられる。一夜にしてその人物の家族が家ごと居なくなっていたのだ。そう、家ごとだ。

「今日もあいつは居ないか」

 そう呟かれない声が朝の教室を出入りする生徒の心から漏れ出す。あいつがこのクラスの中心的人物だったから当然のことだ。

 消えた生徒は豊島瑞穂である。あいつは消える前日もいつもと変わらない明るさでクラスメイトに手を振って別れた。誰もがいつも通りだと思っていたのに次の日の朝では近くに住むクラスメイトの証言で豊島の異常な消失を知らされたのである。

「家が消えるって何だよ……」

 そいつ曰く家が壊されるような大きな音は絶対に無かったらしい。ならどうやって豊島は家ごと消えていったのか。

 そんな事を考えながら今日も住宅街で一カ所だけぽつんと開いた四角い土地に足を進めていた。最近何も考えずに歩いているとここに来てしまう。自分ではどうしようもないくらいここに引き寄せられるようだった。

「やっぱりねーな」

 数日前には豊島の家があったそこは今や茶色い地べたを俺に見せつけていた。そのやや赤い色を見ていると毎度疑問が俺の脳内で浮かび上がってくる。例えば家が丸ごと消えたとする。勿論そんなことは非現実的すぎるが実際消えてしまった現場を目の前にしている俺には多少そんな現象も信じてしまえた。

「だけど……家が消えたとしてもこうも地面は平らなのか?」

 家ってのは普通少し地面を掘ってから建てられる物じゃないのか? だが目の前の正方形は俺が侵入することに何ら躊躇する気持ちを抱かせることのない程、 真っ平らなのだ。おかしい、異常な程におかしい。いや、一日で家が消えること自体がおかしいが俺にはどうしてもこの地面の状態を見ると人間くささを感じてしまうのだ。例えば何らかの自然現象で家が消えたとする。いや、勿論俺の勝手な妄想で、そんな自然現象が無いことは百も承知だ。そう、仮定の話だ。そうだとして家が消えた後には普通何が残る?

「えぐれた大地だろ」

 なのにここには何かが建っていた痕跡が一切無いのだ。まるで誰かが埋め立てたように綺麗な地面であった。

「何だよ……何で俺は震えてるんだ。馬鹿らしい」

 何か大きな恐怖に立ち向かっているようなそんな気分に陥って、俺はその正方形のど真ん中で身震いして座り込んでしまった。



 何分か座ったままの状態でいたが流石にずっとここにいると不審者と言われてしまうかも知れないのでそろそろ家に戻ろうかと、変な座り方をしていたために痺れきった足を制御しようとしているといつぞやの声に呼ばれた。
「や、またあったね」
 振り返るとそこには二人の男女が立っていた。二人はどちらも黒っぽい服を上着の下に着ていて何だか異質な存在のようだ。世界からいつでも切り取られるような、そんな違和感だった。
「…………こんちは」
 片方は間違いなくケーキ屋であったあの女だった。
「やあやあワンちゃん、こんな所でどうしたの?」
 ……ワンちゃん? 俺のことなのか?
「俺は犬じゃ……」
「いいや、お前は犬だな」
 ケーキ屋の女……たしかそう、高海とか言ったな。その高海の横にいた男は俺をチラリと見て犬呼ばわりと来た。
「いや、今の言い方だと勘違いされるか。言い直すとお前は犬憑きだって事だ」
「犬憑き?」
「ああ、間違いなくお前は憑かれている」
 おいおい、憑くやら何やらのオカルトは勘弁だぞ。そう言うのはっきり言って受け付けたくないんだってば。ただでさえ今立っているここでオカルトじみた事が起きたんだからさ。

 しかし目の前の男はいたって真面目な顔をしたまま俺を見下し続けている。まるで俺の中の何かを見ているかのようにじっと俺の首を見続けながら。

「気を付けろ、それはもはや害悪でしかない」
 そう言い捨てると二人は何も言えない俺を放って行ってしまった。
「何だよ……犬憑きって」
 既に二人の姿は小さくなっている。赤茶色の地面は俺の孤独を強調する様にただただ静かに太陽の熱を吸い続けていた。
「何だったんだ」
 気になる単語を言われたからだろうか、面倒ごとは嫌いなはずの俺の足は図書館へと向かうのだった。

 きっと長い間日光に当たっていたから頭が沸騰しちまったんだろ。

▽▽▽▽▽

 ふわりと自分が浮いている感覚が分かる。ここはどこであろうか。その水は温かく、どこか懐かしい匂いがした。
 泳いでいるのか漂っているのか分からない。ここにいると私が私でなくなる……そんな気がする。でも、それがどこか心地よくて。

 仄暗い水の中をひたすら落ちていく。いや、上下が分からないのだから私が向かっていく方向が下なのかは分からない。何かに引き寄せられるように私は水の中を滑っていくのだ。体はぴくりとも動かず呼ばれるがままに私は漂い続ける。

 そうだ……ここは恐らく……私の名前の由来。

「あら、懐かしい顔ね」

 それは女の声。しかし私はどうしてもその声の主を思い出せなかった。その名がのど元まで出かかっているのにあえて嚥下しているような感覚に襲われる。思い出したくないと、私が思っているのか?

「そうね、それで良いわ」

 その者は私を無い目で観察すると無い口で嘲る。

「ここに貴女が来るなんて余程弱っているようね」

 弱っている? 私がかしら?

「そうよ。貴女はあんな玩具に力を分け与えるから私の下へと流れてきてしまったのよ。貴女は力を解放することは得意だけれど、抱える虚は他の魔と大差ないのに無茶をするから。まあ御蔭で貴女の秀麗なその顔を間近で見られたのだから感謝しているわ」

 それは人を小馬鹿にするような不快な声で水を震わす。

「玩具?」
「そうよ、あんな玩具のために貴女は大きな危険を自ら招いている。気付いているのでしょう?」
「鬼神城の事かしら? ならば私は決して彼女達の招起は間違いでないと断言するわ」

 くくくと嫌らしい笑いが零れた。それは私を囲うように反響し続ける。私は苛立ちに声を張り上げようとなるが相手の正体が分からない以上こちらから手を出すわけにはいかないと口を閉ざした。

「前に私があれを察知したのは確か二人しかいない頃だったわね。次に起動したら一気に七人とはね。一体どれくらいの間、無能者共が管理していたのかしら」

 鬼神城の個々の能力は歴代の力強き魔の写しであるとされている。確かに今回招起出来た私の一つ前は何百年も昔だと言われている。その間誰も鬼神城を起こすことは出来なかったのである。

「へえ、貴女ってば随分長生きなのね」
「ふふ……はははははは。言うに事欠いてこの私に長生きとな? 良いか魔の王たる資格を持つ者よ。私の名を思い出せとは言わない。しかし、しかしだ、私の存在を忘れることは絶対に許さんぞ」

 私は……こいつを……知っている?



『……様』
 誰かが私を呼んだ。きっとそう、私はまだ耳を外に向けていたのだ。だから人の声を聞くことができた。まだ還るわけにはいかない……まだ。

「そうね、そうして足掻いていなさい。貴女にはそれがお似合いなのよ」



 少し……眩しい。
「あらおはよう」
「お嬢様、こんな所では風邪をひかれますぞ」
 目を開けるとそこには心配そうに覗き込む智爺の顔があった。その顔にはまた幾つか皺が増えているようだ。私が心配ばかりかけているからであろうか。
 周りから察するにどうやら私は書斎でうたた寝していたようだ。
「そうね、風邪は困るわね」
「ええ、ちゃんと御自分のお部屋でお眠り下さい」
 御蔭で変な夢まで見てしまうし、やはり注意力が散漫しているようね。
 私がしっかりと頷く様を見届けると、智爺は何かを思い出したようで自分の服のあちこちを探り始めた。
「おお、ありました。これが本日届けられました」
 手渡された封書の表には何も書かれていなかったが、微かに漂う魔の気配で送り主が分かる。
「へえ、あの子達からこういう物が送られてくるなんて珍しいじゃない」
「私の知る限りお嬢様に直接宛ててある物は初めてですな」
 つまりそれだけこの中に書かれている文は重大って事かしら。



「……そう、あの子も元気でやっているようね」
 読み終えた手紙を机の上に置いた。中に入っていたのは一枚の手紙だけで、そこには短い文で願望が綴られていた。その中に鬼神城の一人の名が組み込まれていた。

 枳……貴女は私から離れてしまったけれども、まだ私の手が届く範囲に残ってくれているその優しさ、嬉しく思うわ。

「ねえ爺、私がやってきたことは間違っていないわよね?」
「間違っているかどうかは未来のお嬢様が決めることでございます」
「……そうね。流石智爺、完璧な答えだわ」
 もう一度机に置いた手紙に目を通し、深く溜息をついた。
「ほんと……私ったら何やっているのかしら」

 それは後悔と己への嫌悪感だけが込められた暗い靄であった。

▽▽▽▽▽

 大きな扉が開かれる。誰もいないのに勝手に動き出す扉の上部にはこちらを覗き込む監視カメラが目敏く赤光を点滅させている。
「これ、一体何回あるんですか?」
 ウチは目の前で悠々として開く扉を待っている少女に尋ねる。
「確か二桁はあるわ」
 二桁……流石と言える鉄壁の監視だ。ウチみたいな貧弱な魔力しか持たない魔法使いでも分かるくらい強大な魔法がこの扉にはかけられている。
「まあ待ちなさいな。最初の5つは致死能力のある魔法がかかっているから近寄らない事ね」
 うへぇ……流石徹底管理されてる魔の檻となる施設だ。侵入も逃走も許さないか。

 ウチ等は魔の姉弟に会うことを許可された。厳重管理されていると聞いた割にウチのような者が中に入れるというざるっぷりには呆れるが、もしかすると今目の前にいる少女の御蔭なのかも知れない。彼女の事は詳しく知らないがこの館に住み込めるというくらいなのだからやはりそれなりに権力をもっているのだろうか? そのひたすら長い髪に包まれた幼く美しい顔立ちを持つ女性はウチの疑惑の目線を察したのか、くるりと振り向きウチに威嚇の目を向けたが直ぐに前へと顔を戻した。
「変なこと考えているようだけれど私に刃向かったら死ぬわよ」
「いや、決してその様なことは」
「まあ良いわ。貴方ごときでは私を殺せることは出来ないからね」
 ごもっともで。おそばにいた数日間で十分にその歴然とした差を見せつけられましたとも。

 二十一枚の鉄扉を越えるとやっと長い廊下に辿り着いた。そこは薄暗く、不思議な雰囲気が立ち込んでいた。
「えっとこっちだったかしら」
 Y字の分かれ道にぶつかり、少女はどちらに進むべきか迷っていたがウチと目がばっちりと合うと気まずく思ったのか、確信を得ないままに一方に進んでいってしまった。ウチに情けない姿を見せたくないのだろう。
「相変わらず綺麗な空気ね。ここはいつ来ても体の中が洗われるようだわ」
 確かに異様な程ここの空気は人を落ち着かせる。もしかしたら鎮静効果を持ったお香でも焚かれているのかも知れない。言葉の通り「管理」されている二人だから。

「ああ、どうやら正解だったようね」
 広い部屋に出るとそこには黒髪が艶やかな二人の人物がいた。
「お久しぶりです。ほら、貴方もご挨拶なさい」
「は、はい」
 しかしウチの目にはその二人がどうにも姉弟には見えないのだ。
「初めまして。枳様に雇われている星井と申します」
 そう、目の前には女性二人しかいないのだ。
「ふふ、貴方面白い人ね」
 二人の片方、背の高い女性がウチを嘗めるように見る。
「その気配の理由、当ててみたいわ。温は正解言わないでよね」
「はいはい」
 もう一方の背のやや低い人物の口から漏れた声にウチの体はビクリと跳ねた。その容姿から女性と確信していたために、事実の裏切りがウチには衝撃だったようだ。
「男……性」
 ウチの疑惑の目ににこりと返したその人は間違いなく男性の声をしていた。即座に喉仏の有無を確認するがよく分からなかった。
「姉の身代わりになれるように女として育てられましたから。声も実は女声に変えられますよ」
 つまりは何だ、姉の方が襲われそうになったときに切り札として弟である温という人物がなりすますらしい。横にいた枳さんが小声で教えてくれた。道理で喉仏が見えない訳だ。その女装訓練の賜物なのか、顔を必ずやや下に向ける事で喉仏を隠しているのだった
「温は容姿だけは本当に女の子だからね。そりゃ貴方が驚くのも仕方ない事よ。あ、私は相ね」
 伏原相、温姉弟。強大な魔と言われているだけはある。やはり法則に則って、二人の容姿は美しかった。力を大きく持った魔は元来美しいらしい。旧い血の名残であろう、人を惑わす為であったその容姿が甦っているらしい。人を容易く食すためにおびき寄せる目的で外見の美しさを現地の基準で再現するとのことだ。
「ほら温、用意しておいた取って置きのお菓子持ってきてよ」
 相さんが花びらをまき散らすようにはしゃぎ出す。
「はいはい。御嬢様はお菓子がそんなに楽しみですか」
「そ、そんな分けないじゃない! 今のはお客さんと久しぶりにお喋りできるからよ」
 相さんは顔を真っ赤に染め上げてそっぽへと顔を向ける。その幼い行動にウチの緊張は一気にほぐれた。なるほど、魔の宝とてそうはかけ離れた存在ではないらしい。

 温さんが扉から出て行くとウチの目の前にすすっと相さんが滑り込んできた。
「貴方のその気配、私知ってるわ」
 この子を知っているというのだろうか? 確かにシャーマンは数多く日本にもいるが、自慢ではないがここまで具現化された霊体を保有するのは現在においてウチくらいのはずだ。
「それ、動物霊でしょ。見えるのよね〜、貴方から狐の姿が」
「せ、正解です」
 霊体の視認……だと? 魔なのに霊体を可視出来るというのか。

 今まで殺してきた人間、魔、そのどちらもウチの相棒である静納をしっかりと捉えることはできなかった。何故ならこの子はあまりに層がずれていて、自身を層に留めているまともな者には見られるモノではないのだ。


 つまりそれだけこの伏原姉弟は異質者と言うことになる。人間よりももっと地球に近い存在である魔は、層にしっかりと留まっているはずなのだから。


「でしょでしょ〜。それにしても凄いわね。ここまではっきりとした霊体を見るのは初めてよ」
「一応私に従属するに値する資格を持つ者を選んだつもりですから……」
 相さんのはしゃぎっぷりに水をさすような冷たい言葉がウチに投げかけられる。
「なのにこの体たらく」
 無論その言葉の主は枳さんであり、その言葉が出てきた口の上にあるビードロの透き通った目は呆れの情を目一杯表現していた。冷たいを通り越して痛い目線である。
「そうなの? 貴方のパートナーになるには十分な力を持っていそうなのに」
「パートナー? あり得ませんね。こんな者が私と対等な存在とは絶対に認められません」
 力強く枳さんはそう言い放った。酷い言われようであるが、最重要事項において大きな、しかも絶対に取り戻せないミスをこいたウチには返す言葉がないのである。
「まあその狐の動物霊とやらが相様の目に映っていると言うなら嘘の経歴書ではないのでしょう。私には見えませんが貴方様がそうお褒めになる程なのですから腕は確かなのでしょうね」
 やはり静納の姿は枳さんにも見えていなかったようだ。ここに来たことは少しウチのメリットとなったのかも知れない。何というか、枳さんの中での地位向上という点において。
「そうねぇ。これ程の霊を現世に喚び留められるのならきっと貴方という深き者の横にいても恥ずかしくないわね」
 深き者、か。その形容をされると言うことはやはり枳さんは他者から、しかも魔の宝として名高い伏原の姉弟から認められる存在だと言うことか。


 これは良い位置に潜り込めたもんだ。この立場は利用できるな。


「御嬢様」
 台車に大きなケーキを載せてきた温さんが開いているドアをノックして皆の視線を集める。
「どうせならもっと落ち着くところでお茶にしませんか?」
「それもそうね」
 相さんは自分の周りを見渡してから頷いた。確かにこの部屋にはテーブルが無く、あるのは暖炉、ソファーと絵画が幾つかといった感じで実に寂しい部屋である。そもそも応接室は二人の生活において不要な施設であるため、ここは単に庭に下りるためだけに作られた部屋らしい。
「じゃあ二人とも付いてきて下さいな」
 温さんが台車をUターンさせてこちらを振り返らずにそう言った。その物腰は間違いなく男のガサツさを含まず、女のそれであった。
「さあ二人とも急ぎましょう」
 相さんの目は台車の上にあるケーキを追っていた。その姿に再びにやけそうになるが我慢する。しかしそれでも気付かれたのか、彼女はくるりと振り返りウチに笑いかけてきた。
「ほら貴方も」
 そう言って相さんはウチの後へ手を伸ばした。


 そんな事をされたのは初めてだったため、最初自分の後ろに何があるかを忘れていた。


 そしてそれは起きた。


 …………伏原相はウチの後に手を伸ばして静納の本体に触れ、そして静納を眠らせたのだ。


 まさか……有り得ない……静納が干渉されたのか……。


 驚きのあまり固まってしまったウチの顔を窺っているその綺麗な顔は、


   弱者を見下すような歪な笑みを浮かべた様に見えたのだった。

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