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  時と偽り 作者:鈴音
終わりなきもの
コナンは衝撃を受けていた。それは3日前の昼にさかのぼる。
いつものように阿笠邸に来ていたコナンに哀が報告をしたのだ。
「FBIと接触をする事になったの。」
「そうか。またあの封筒のやつだろ。オレもついていくぜ。」
「オレもいくで。」
「違うのよ。今回は直接なの。場所は14番倉庫。時間は午前3時」哀の答えに耳を疑った。






「どうするんだよ。まだ元に戻ってないのに。」
とコナンは言いつつも心のうちで納得していた。
それでこれまでの手紙が全てパソコンで打たれたものだったのか。
そのことがずっと引っかかっていたのだけれど何のことはない。
彼らは哀がまだ組織と繋がっているのではと疑っているのだ。
そこから考えると断らなかった哀の選択は正しかったのだ。
「そこが問題なのよね・・・。」
「オレがいこか。」平次が言うが無視された。
まあ白塗りの前科があるので無理もないが・・・




そして3日が経ち当日になった。
3人は歩いて米花埠頭まで行った。
米花埠頭の直前で3人は地震のようなものを感じた。
そして一瞬の揺れが収まると・・
「おい!あれ埠頭の方向やないか?」平次が叫んだ。
夜空に煙が上がっているのが見える。
これが14番倉庫である事は三人には行かなくても解る事だった。
三人は現場へ走った。やはり14番だった。
そこには何もなかった。そこで待ち合わせているはずのFBIの姿も。
三人は阿笠邸へ帰った。
誰も口をきくものはいなかった・・・
重い何かがのしかかったようなそんな雰囲気が立ち込めていた。



「今日はもう寝よう。」
コナンがソファーを立った。
そしてみんな続々と立ち上がる。
それぞれの部屋に消えていった。




哀は眠ることが出来なかった。
あの爆音、消え去った命、そして組織のやりかた・・
さまざまな物が頭を巡る。
「私の選択は正しかったの?」
昨日から一人で研究室に寝ることにした哀は問いを投げかけてみる。
返事が返ることはない。




たった一人の為に何人もの人を犠牲にしてもいいの?




その一人を守ることが本当に大事な事なの?




私の大切な人達が犠牲になる事があるかも知れないのにそれでも守りたいの?




そしてよぎる組織にいたときの記憶。
あの薬を作ってしまった時から、私にはやらなければならない義務、これは義務なのよ!


たった一人の為に何人もの人を犠牲にしてもいいの?・・これはやらなければならないの!


本当に大事な事なの?・・大事なのよ!何物に代えても!


私の大切な人達が犠牲になっても?








終わりのない問いと共に長い夜は更けていく・・




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