鍵
翌日午前7時50分服部平次は阿笠邸に来ていた。
「服部。早い時間に悪いな。実は相談したい事があるんだ。」
「おう!なんでも言ってみい。またあの姉ちゃんがらみか?・・・そうではなさそうやな。」
博士、コナン、哀の深刻な顔を見て平次はもう一度言った。
「なんでも言ってみい。その顔やと組織がらみやな。」
「ええ。その通りよ。私から話すわ。情報の全てをね。」
そして哀は全てを話した。
「そういう事やったんか。そんで相談事ってなんや?」
「それはな・・・」コナンがゆっくりと話しはじめた。ひとりで重圧を背負いこんでいるかのように・・・
「組織の目的が解ったんだ。」
「ええっ!!」
「なんじゃって!!」
「なんやと!!」
三人の驚きの声が合わさった。
「組織の目的を語る鍵はあのプロジェクトにあったんだ。」
「そんなことは最初から解っていたじゃないクローン計画だって。」
「そういう意味じゃないんだ。鍵はプロジェクト名にあるんだ。」
「プロジェクト名?あの『ソチセラミイ』とかいう妙な名前か。」
「灰原。このプロジェクト名はボスが付けたんだろ?」
「そうだけど・・」
「そしてこの名前ここ十年ほどの間で改名されただろ。」
「そうよ。元はアースガルド計画といったんだけどいきなり名前を変えたの。
そして改名記念でパソコンや実験器具がたくさん入ったらしいわ。」
「思った通りだ。」
「工藤。もったいぶら・・・そういうことやったんか!」
「オメーも解ったか服部。パソコンだ。」
「パソコンじゃと?」
「まさか・・」哀はパソコンに駆け寄った。そして理解したようだ。
「ワシはまだよく解らんのじゃが。」博士が言いにくそうに言った。
「博士。博士はパソコンに入力するときはどうする?」哀がワープロソフトを立ちあげて言った。
「どうって・・こうじゃが。」
博士がワープロソフトに阿笠博士と入力した。
AがあにGAががにドンドン変っていく。
「じゃあこれなら?」哀は少しパソコンを動かしてから言った。
「おろ?かな入力じゃな。・・・あっそういうことじゃったんか!」
「そう。キーボードを見れば一目瞭然でしょ。かな入力用のひらがなをローマ字入力のアルファベットに
するの。」
「そしてその通りに書き出してみると・・・」コナンは対応して書き出していった。
そ→Cち→Aせ→Pら→Oみ→Nい→E
「C・A・P・O・N・E。カポネとなる。カポネを生き返らせようとしているんだ。きっとボスはこう考えたんだ。
何の為に使われるのか解らないと研究もはかどらないだろうと。そこでこの暗号に気付いた者だけに知らせる事にしたんだ。パソコンの追加もキーボードに目を向けさせるためさ。」
「パソコンの増台まで意味があったのね。」
「それでここからが本題なんだ。うまくいけば組織のボスの正体が解るかもしれない。」
灰原の顔が明るくなる。
「まず、研究費など組織の維持には莫大なお金がかかる。そしてアメリカでも組織が動いていることから国際的であること。
そしてその支部と言ってもいい海外に簡単に行ける人物。そしてこれが最も重要なんだけどあと29日後に
メモリアルの動きを見せるはずだ。トップシークレットを暗号にしちまう人間だ。今回も大きな動きを見せるはずだ。」
「それだけで断定できるの?」哀が聞く。
「断定・・とまではいかないがかなり絞り込めるはずだ。支部はいろいろな国にあっただろ。灰原?」
「そうね。アメリカ・中国・韓国・ドイツにあったわ。」
「そうか。まずいろいろな動きを洗ってみよう。きっと目に見える形で答えはでる。」
そうしてひとまず今日は終わりになった。
「じゃあ哀くん。わしはもう寝るからの。」
「ええおやすみなさい博士。」
今日から平次も博士の家の空き部屋に寝泊まりしている。平次は熟睡していた。
哀は博士が寝静まったのを確認して電話を取り出した。
米花埠頭倉庫。そこに一人の男が携帯電話を片手に話していた。
「シェリーは意外に早く掴んでいる。」
電話の向こうの男も言った。
「要注意だ。早くに手を打たなければ・・。」
その男は停めておいた車に乗り込んだ。
そして走り去った・・・。
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