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異世界バスケットボール 魔王様激love!  作者: 鴉野 兄貴
何処にでもある魔王軍と何処にでもなさそうな軍事訓練
3/103

貴方の芸。チョーキモイ(本音:『そんな貴方が可愛いと思っています』)

 切掛けは魔王軍第一軍団魔王親衛隊隊長。黒騎士ブラックナイトことデュラハンと同じく魔王軍第一軍団海軍提督ゾンビマスターの一言だった。


 生首を抱えて戦う魔族の中でも変わり種の死族、デュラハン族にあるブラックナイトは毎年の祭りの芸では自らの生首を投げたり頭に別のモノを乗せて生首にモノを咥えて音楽と共に戯れる芸を見せている。普段の厳しい言動とは似ても似つかない。

最近『名有り(ネームド)』になって更に強さが増した。

彼の武勇に脅える人間どもがこの芸を見れば発狂するハズである。別の意味で。


 石の剣に腰巻、豪華に飾られた石の槍を持って怪しげな踊りを披露するのは魔王軍第一軍団海軍提督ゾンビマスター。

彼もまた絵に書いたような真面目な死族である。デュラハンよりはよっぽど冗談の通じる男だが。

新婚ほやほやのゾンビマスターは『結婚して頭が固くなった』ともっぱらの評判であるが彼は死族の中でもゾンビ族であり頭は柔らかい。むしろ溶けている。


「お前の芸がマンネリでつまらない」


 ゾンビマスターの余計なひと言で百年を超える絆を持つ二人が珍しく喧嘩になったのは言うまでもない。



 しかし発端となったゾンビマスター自身の芸もまた宜しくない。

自らの首筋にチョップをかまして飛び出た目玉でアメリカンクラッカーを行う芸である。

「お前の女房がキモイと言っていたぞ。調子に乗って食事中に繰り返すのを何とかしてほしいとも」

腹立ちまぎれにデュラハンこと『勇征』が放った一言に衝撃を受けるゾンビマスターこと『芳一』。彼もまた『名有り(ネームド)』である。

「妻が喜んでいると思っていた」肩を比喩無しで地面に落として嘆くゾンビマスター。

ゾンビマスターの妻である『名有り(ネームド)』水奈子ことセイレーンは毒舌で有名だが、必死に年下の妻の機嫌を取ろうと受けない芸を見せるゾンビマスターを『可愛い』と思っていたこともあり今まで黙っていたものの婚姻契約祈祷書を交わすと遠慮がなくなったらしい。ハッキリと嫌悪感を示すようになった。早くも夫婦の危機である。


「しかし百年以上やってきた芸を変えるのはどうかと思うのだが」「うむ」


 二人は思案する。

マンネリズムはある意味笑いを齎すものである。

基本的に職務に忠実な二人が見せる芸についてはそれはそれで結構部下たちは毎年の楽しみにしているのである。

顔の筋肉が消失して笑えないスケルトンだったり(歯を打ち鳴らして笑う)、顔その物を戦場に置き忘れていたりする。

やっぱり死族は変り者が多い。

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