イスパニア撃退と新たな側室
インカ帝国最後の皇帝マンコ・カパック2世と同盟を結んだその日は城塞の中に招き入れられたのだ
流石に500の兵を連れて入るわけにはいかず、同盟は結んだものの完全に信頼感があったわけではなく、部隊の中から裏柳生と呼ばれる忍び10人が選ばれビルガンバの門をくぐった
もちろん、エリリと春は当然のごとくいる
女性兵士と勘違いした皇帝は、
「日本国では女性も戦場に?」
「ははは、この者二人は確かに武術の心得はありますが兵士ではありません 側室です」
「側室が戦場に?」
「このもの達はちょっと特殊でしてね…」
苦笑いをする龍之介
「しかし、側室と言うことは正室もいるのですよね?」
「…日本国には、正室も他の側室もおります」
「好きなのですな~女子」
「確かに大好きですが、家臣やエリリのように多国と縁を結ぶ役割もあります」
「なるほど」
昼食を共にしながら会談されたのである
「皇帝!イスパニアが攻めて参りました」
「またか!」
「よく来るのですか?」
「はい、最近は頻度が多くなりまして…兵士も少なくなり物流も滞りはじめまして…」
食糧は龍之介軍が余分に持ってきていたので差し入れたのである
龍之介が立上がり、家臣に命じる
「対イスパニア戦である!ガトリング砲設置用意!三八式歩兵銃部隊銃剣及び発砲準備!盾を横一列に並べ、イスパニア兵が見え次第、一斉射撃!撃滅せよ」
外を守る兵に伝えられ迅速に準備臨戦態勢になる
イスパニア兵が見え射程距離に入る
イスパニア兵はこの段階で日本国軍がいることを今だ知らない
進むイスパニア…先頭は一際重そうな南蛮鎧で身を固めている
城壁に登り指揮を取る龍之介
「放て!」
ドンドン!ドンドン!ドンドン!
ガトリング砲と三八式歩兵銃が放たれる!
三八式歩兵銃の弾は南蛮胴の曲線により、威力が押さえられ当たり所しだいでは貫通しないが、ガトリング砲の弾は貫通する
いきなりの攻撃に浮き足たつイスパニア兵
…城壁には美少女が描かれた甲冑を身に纏う武将がいる
混乱に陥るイスパニア兵に追い討ちをかけるようにガトリング砲が連続射撃される
イスパニア兵は銃を構える暇がなかった
その時、龍之介が日の丸の旗を掲げたのである!
城壁の上に日の丸の旗を持ち仁王立ちする龍之介!
「日本国だ!日本国軍がいるぞ!撤退!」
この時、初めて日本国軍がいる事に気付いた
イスパニア兵3000…約1000人の犠牲者を出して撤退したのである!
追撃は避けた!単純に道を知らず地形を生かして潜伏されたどこで銃撃を受けると流石に被害が出るからである
皇帝
「凄い!イスパニアの鉄砲を見たときには驚きましたがあなた方はさらに、上を行く…正直イスパニアと勝てないと思っておりました」
龍之介
「ポルトガルから伝わった銃をさらに進化させましたから!そうそう、我が国では、火縄銃は旧式で使われなくなりましたのでこれをどうぞ」
火縄銃500丁が渡されたのである
使い方も伝授された
旧式ではあるが弓矢よりは強力な武器になるのである
「こんな贈り物まで……私達からは今はあげられるものが少ない…あなた…関白殿下と縁を結びたい…わが娘を側室にいかがかな?」
褐色の美少女が現れる、
「トゥルル・カパックと申します16歳になりました。父の頼みでもありますが、あなた方の強さ…関白殿下と縁を結びインカ帝国との架け橋になりたいです」
「わかりましたトゥルルあなたを側室にすると共にインカ帝国皇帝代理となって我が軍と行動していただきたい、解放軍の旗標です 皇帝陛下、インカ帝国の軍の旗と数人で良いので、兵士を預かりたい 解放軍としてインカ帝国皇帝代理となり大義名分が強くなります」
「なるほど、さすれば各地の悪政に悩まされてる住民も仲間になりますな!すぐに準備を」
若い兵士10名とインカ帝国の軍の旗をうけとったのである
さらに、贈り物としてリャマ10頭が贈られた
リャマは次の連絡船に乗せられ日本国に送られる事になったのだ
「私達は、リマ港に戻り支度を整えて内陸部へ進軍します インカ帝国皇帝陛下にはこの地を守り暫く待ってて頂きたい」
「関白殿下の言うとおりにしましょう」
別れ際、龍之介からマンコ・カパック2世に信頼の証として、「水戸刀の太刀」が手渡されたのであった
その返礼に、翡翠と黄金で作られた首飾りを受取り龍之介は首に着けたのだ
マンコ・カパック2世と龍之介は正式に同盟が成立したのであった
リマ港とビルガンバは物流と援軍がすぐに行けるよう道が整備されたのであった