天下分け目の近江八幡合戦
龍之介は、城に入ると見せ掛け近江八幡城下に鶴翼之陣で信忠の軍が来るのを待っていた!
明智光秀はこれない…動けないのをわかっていたのだ
後顧の憂いはなく前面に集中出来た
アームストロング砲・ガトリング砲を準備していた
近江八幡領内に信忠軍本隊が入ったのを見計らい観音寺城に残した直属の兵に「安土城を占領せよ!出来る限り無傷で!」の命令を出した
その昔、「最強左大臣の兵」は今も健在さらに洗練されていたのだ
命令を出された兵は迅速に動いた!小数精鋭で僅かな兵しか残ってなかった安土城は陥落したのだ
信忠はその知らせを聞き、退く城を無くしたのに驚愕した
しかし、進軍は止めなかった!
1595年四月一日
織田信長の死から僅か四ヶ月で近江八幡合戦が始まろうとしていた
近江八幡城下で龍之介と信忠の軍が対陣
火蓋を切ったのは、
三上龍之介正圀の軍が放つアームストロング砲であった!
近江八幡合戦の開戦であった
信忠の軍は大砲の設置に間に合わなかったのである
アームストロング砲の嵐に信忠軍は浮き足たつ
光秀も秀吉も来ない…
帰る城もない…信忠軍は秀信のともらい合戦だと下治し兵を鼓舞した!
信忠軍は、全軍特攻してきたのである!
ガトリング砲撃をも恐れず死物狂いで突っ込んでくる信忠軍に龍之介は驚異を感じた
乱戦になりつつあったが、火縄銃と三八式歩兵銃の差が物を言った
信忠軍の進軍が止まりつつあった!
その時である、思いもよらない事が起きたのが!
「バン!」
銃砲音が龍之介の背後から聞こえた!
「カン!」
龍之介の甲冑に弾が当たり跳ね返す音と供に、斬りかかってくる10人近くの忍び!
信忠の忍びであった!
けして本陣が手薄な訳ではない!
小数精鋭で守りを固めるのが龍之介のやり方であった
龍之介の周りにいた配下は龍之介から離れた!
それは龍之介の邪魔にならないようにである
この様なときの指示を受けていたのだ
龍之介から距離を取りさらに周りを固め、更なる敵の出現に警戒したのだ
龍之介の配下は柳生新陰流一流の剣士であり龍之介の命令には忠実な精鋭であった
やはり、他にも忍びは現れそれらは配下が相手した
龍之介は抜刀術で忍び一人を胴を真っ二つに斬り捨てた
一歩下がる忍び…
しかし、頭と見られる人物の合図で一気に攻撃を仕掛けてきた
龍之介は慌てず、小太刀を抜き二刀流で対決した
まるで剣舞のように軽やかに斬り捨てて行く龍之介…
重い西洋式甲冑を身にまとっているのにもかかわらず
残った忍びは三人…
龍之介はそのなかに好みの「くの一」を見つけてしまった…
太刀・小太刀を納刀…それを見計らい忍び三人が斬りかかる!もちろん抜刀術をくり出した、くの一を残し倒れる二人…
龍之介はまた、納刀…くの一が斬りかかる!
抜刀術と見せ掛け、くの一が斬りかかる右手を抑え…身を引き寄せ
接吻した…ディープな…
それは、あまりにも好みのくの一であり、龍之介の余裕であった
…驚く、くの一
接吻と供に、腹に痛み…納刀された刀の束で一撃を入れられたのだ
訓練されたくの一でも気絶するため一撃だった
配下に、「猿轡」をして丁寧に縛り上げておくよう指示した
「関白殿下!このような者早々に始末するべき」
「戯れだ 始末ならいつでも出来る」
「確かに関白殿下の腕なら…」
家臣はそれ以上、何も言わなかったのである
本陣での騒ぎのなか、戦は勝敗が決定的になっていた!敗走を始める信忠軍
僅か四時間の決戦であった!
龍之介の命令は信忠・信孝の首
敵本陣に降り注ぐアームストロング砲逃げ場を失い一角に集まり信忠を守る敵軍
その知らせは、龍之介に入った
龍之介は槍「蜻蛉斬り」を手に馬を走らせ敵本陣に向かう!
敵兵はまだ残っていたが「萌」の一字を前立てにした西洋式甲冑の武将に斬りかかる勇気はなかったのである
信孝の行方は最早不明であった
敵本陣を目の前に、龍之介は
「やーやー我こそは、藤原朝臣三上龍之介正圀である!織田信忠と一騎討ちを申し出る」
龍之介は更なる遺恨を残さないよう最後は単騎決戦を申し出た
信忠も織田宗家の大将の名に恥じぬよう、馬に乗り
「我こそが、織田信忠である!いざ尋常に勝負」
最後を覚悟し、信忠は勝負に挑んだのだった
龍之介は
「この勝負、一騎討ち!皆のもの手だし無用!手出ししたものは、厳罰とする」
これにより勝負に手出しするものはなかった
龍之介・信忠は間合いを取り向き合いお互い、槍を手に馬を駆け出す…
「ズサ!」「ドン!」…光、蜻蛉斬り…
信忠の首が落ちる音であった
それは、「天下分け目の近江八幡合戦」を終わらせる合図になった
勝ちどきが上がる
「えい!えい!」「お~!」
「えい!えい!」「お~!」
「えい!えい!」「お~!」