世界異臭珍味堂の間違った使用法
二人の暗殺者は、世界異臭珍味堂に閉じ込められる事、半時、まず胃の中の物を全部吐き出した。
「あっこら、吐き出す物が違う、誰が吐き戻せと言ったか?暗殺の首謀者の名を吐けと言っているのに」
「誰が、うっ、げぼっ・・・・・・言うものですか」
「う、う~~げぼげぼっ、暗殺二人で、げぼっ・・・・・・決め事」
「そうか、そうか、吐き戻して腹も減ったであろう、この異臭三昧サンドイッチを食べると良い」
シュールストレミング・ホンオホェ・エピキュア-チ-ズ・キビヤック内臓ソ-スの昨年上杉貞勝を苦しめたサンドイッチ
「さあ食え、口を開け~い」
「うっ、やめろやめろ~、臭い臭い、目が痛い」
「そんな物、誰が食べるというのだ~やめろ~やめてくれ~」
無理矢理口に押し込む宗矩・・・・・・
そんなやり取り、攻防がが三日間ほど続いた。
三日目の朝、キリレンコとシャラポアは限界に来ていた。
「お願いだから一気に殺してくれ~」
「殺さぬ、いや、殺せぬ、正長様その方たちを気に入っておられる、このことが済めば放免するとのお考えだ」
「そんなわけがあるか!話した後、首を落とすのであろう」
「いや、普通はそうなのであるが、関白殿下も暗殺者を許し、今では一番、二番の側室兼側近になっており幕府の役職にも就いておられるのだ、血は争えんと言うもの、女には弱いのだ」
二人は涙をボロボロ流し始めた。
臭くて・・・・・・臭いに負けてではなかった。
「本当に許していただけるのですか?」
「ああ、若の命令であるかにな」
「これを話したら私たちは国には帰れません」
「ならば城に残れば良かろう、その方が若も喜ぶ」
「私たちは残っても良いのですか?」
「しかし、若の首を再度狙えば、若の命に背いてでも、この宗矩がその方たちの首を落とす」
「・・・・・・わかりました。お話いたしましょう、首謀者、私たちに命じたのはロシア帝国皇帝ミハイル・ロマノフに御座います」
「・・・・・・本国、ロシア帝国からの指示に御座います」
「それは議会においても証言するなぬ?」
二人は静かに首を縦に振った。
世界異臭珍味堂は自白を強要する恐ろしく、間違った使い方がなされた。
そして、世界異臭珍味堂から出た三人・・・・・・・体に臭いが浸み込んでいた。
その為、臭い抜きに時間を必要とした。正長はそれを遠くから見ていた。
正長は生理的に世界異臭珍味堂に近づけなかったのである。
臭いを嫌ったからこそ毎年改修がされていたのであった。
そして現在、平和維持連合本部会議の場なのである。