征夷大将軍正長の暗殺その2
バタ-----ン!
宙を浮きキリレンコ、畳を短剣で突いてしまうシャラポア、間髪入れずに短剣を奪い取りシャラポアの首には短剣が当てられていた。
投げ飛ばされたキリレンコは投げ飛ばされた衝撃で気絶していた。
「ぬかったな!私があのくらいの酒で酔いつぶれると思ってか?仮にもあの化け物、龍之介の子ぞ、宗矩そこにいるのはわかっている、この者二人を縛り上げろ」
襖一枚外に気配を消し潜んでいた大老・柳生宗矩、すぐに二人の刺客を縛り上げる。
ロシア帝国で鍛えられてい二人ではあったが、大日本合衆国でも五指に入る剣客には手も足も出なかった。
出せなかった。
「若殿、流石に私くらいには胸の内をお教え願わないと対策に困ります」
「敵を欺くにはまず味方から、しかし、よく動かなかったな」
「まぁ、このような者に若の首が取れるわけがないとは思っておりましたが、さてこの二人いかがなさいます?」
縛り上げられた二人の正面に座る正長、
「私の暗殺は、ロシア皇帝の命令であるな」
「違う、皇帝陛下は関係ない、私達の考えでおこなったこと」
「ほほう、やはり話さぬか、日本語も本当は上手かったのだな、中々の名演技だったな、しかし、真実をすべて話してもらうぞ」
「石でも抱かせますか?三角木馬にでも乗せますか?」
「そんな痛いことはしてあげるな、それよりも宗矩、良いものがあるではないか?今年も明日に向けて準備は整っているのだろ?」
「わ、若殿・・・まさか、あれを・・・!」
「そうだ、あの中に閉じ込めよ」
「関白殿下もあれがこのように使われるとは、驚きに御座いましょう」
「なにをしようと私たちは話さぬからな」
「あの中でどれだけ耐えられるか楽しみである、宗矩この二人が話すまであの中で、根競べしてこい」
「ん、わわわわわわ私が一緒に御座いますか?」
「他に適任者はおるまい、この事を知っているのは私たち二人なのだから」
「仕方ありませんが・・・・・・わかりました、覚悟を決めてこの者たちと心中してきます。いや、地獄に行ってまいります」
その正長と、宗矩の会話に震えあがる二人
「あの中で二人はどれだけ耐えられるかな?はははっ、しかし、まだこの二人を捕まえたことを知られては困る、私は急病で倒れたとし、世界偕楽園梅祭りは中止と触れをだせ」
「反乱分子をいぶり出すのでございますね?」
「いかにも、父上様御不在に、私の急病で姿を見せぬとなれば必ずや動く者、国が現れ出てこよう」
「関白は不在?死んだのではないのか?」
話しに割って入るシャラポア
「シャラポア、誰が父上様が死んだと言ったか?父上様は気ままな旅に出られただけ、御健在、いずれは帰ってくる」
「冥土への旅路ではないのか?」
「冥土に行くのはその方たちかもしれぬぞ、おや、違った地獄に行くの間違いだったかな、ふふふっ」
「正長様、搬送の準備を致します。我が配下を呼びます」
「最少人数で頼んだぞ、それとこの二人には拷問などをするなよ」
「正長様、あれは拷問ではないのですか?」
「それはいくらなんでも父上様に失礼というものだ、準備が出来次第運べ、私も一緒に城を抜け出す」
「では、ただちに取り掛かります」
暗闇に紛れ、十人ほどで誰にも気づかれる事無く城を抜け出した。