第25話 西洋が敵に?
日本国の急成長は、西洋国の驚異となっていた。
日本に来ていた、宣教師が日本国の情勢を報告していた。
東端の小国が、見たこともない蒸気機関鉄甲船で海に出始めたのだから当然である。
しかも、他国を制圧・侵略するわけではなく、使われていない島や小さな港を友好的に購入し、
その港を要塞化して、そこを拠点に航行先を伸ばすと言う、新しい政策は効率的であった。
その様な政策で、支配権を広げる日本国、織田信長。
輸出入により日本国はドンドン富み蒸気機関鉄甲船も増えていくのだから当然の驚異。
日本にいる宣教師からもたらされる情報に息を飲んだ。
とある西洋の国王は、
「ジパングは世界を征服するつもりなのか?」
宣教師
「いや、彼等はその様なつもりはなく、輸出入により国を富ませたいみたいです。
確かに、蒸気機関鉄甲船は危険ですが・・・・・・」
「我が国でも、作れないのか
その、風がなくても進む船は」
「無理です、その技術は左大臣龍之介正圀なる者がいなければ作れません」
「その者はいったい、何者なのだ?」
「日本国の国王・帝の子息でありながら、織田信長の協力者
次々に新しい技術力を出してくる人物にございます」
「我が国にはその者は驚異・・・・・・暗殺はできぬのか?」
「無理です!」
「なぜだ、帝の息子なら貴族、騎士(武士)ではあるまい」
「はい、武士ではないのですが、武士より剣が使えます。
その剣は一流、日本国でも勝てる者がいるかどうかの人物
それに、火縄を使わない銃を持っております」
「火縄を使わない銃だと!悪魔ではないのか!」
「さらに、左大臣独自の軍隊は日本国でも屈指の軍隊、逆に手出しをしない方がよろしいかと」
「なぜだ?」
「海外侵略をしないよう止めているのも、左大臣だと言われております。
もし手を出し、逆鱗に触れようものならその方が、我が国が危険になります。」
「わかった・・・・・・しばらく、様子を見てみよう
日本国の情勢、信長と左大臣の動向を逐一報告するように!」
そのようなやり取りを知らずに左大臣龍之介正圀は領地繁栄に熱中していた。
シュミレーションゲームをやるかのように。
常陸国の町の建設や、農地開墾の指示を水戸城から行っていた。