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上杉定勝
龍之介に敵対し、阿波に減俸転付させられた上杉景勝は1623年4月19日他界していた。
戦国末期を駆け巡った、上杉景勝は静かな最後で人生の幕を下ろした。
人物もまこと静かな人物ではあった。
跡を継いだのは、嫡男・上杉貞勝。
貞勝は年が明けると、家督相続御礼の為、茨城城に登城した。
「このたびの登城許可また、家督相続のお許しまことにありがとうございます。」
「登城御苦労である。しかし、先の臨時幕府評定議会で申したように九州・四国地方の地震は近い。領地に帰り準備をするように。」
「万全の対策をするように家臣に申し付けてあります。」
「では、偕楽園世界水戸の梅祭りも近い、このまま上杉家の旧領である越後の寺社への参拝を許可するうえ、参拝後、梅祭りに参加すると良い。」
「お気遣いいただきありがとうございます。」
貞勝は越後に旅立つ。
この貞勝の娘が、忠臣蔵で討ち取られる吉良上野介義央の正室・三姫の父親であった。