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臨時幕府評定議会

龍之介が書いた予言書には、1625年から立て続けに起こる九州・四国の地震が記載されていた。

その為、正長は大老、柳生宗矩に申し付けて臨時幕府評定議会の召集をした。

予め、大老・柳生宗矩、九州を統治する黒山家の影鷹代理、正鷹へは龍之介からの地震の予言の事は話したのである。

黒山影鷹は、龍之介不在での中国大陸大日本合衆国八州監視役を離れるわけにはいかず黒上家としては家督を譲った嫡男、従四位下参議正鷹が幕府評定議会に参加していた。

幕府評定議会は正長が自ら龍之介が異国遠征で不在時に作り上げた議会であったため、正長が招集した臨時幕府評定議会に疑問を持つものはいない、正長は征夷大将軍の為、幕府の評定を招集するのは当たり前ではあった。


「諸君、緊急招集に迅速に集まていただきご苦労である。今回の招集は関白殿下の陰陽力と言うより御神託のお言葉を伝えるための招集である。」


幕府評定議会は大日本合衆国各地州知事、州知事を監督する立場の伊達政宗・最上義康・柳生宗矩・黒上影鷹の龍之介家臣団四人衆の他、幕府重臣、森蘭丸、藤堂高虎、真田幸村、前田慶次、宮本武蔵・佐々木小次郎、民衆から選出された代表が参加するのだが茨城城勤めの柳生宗矩以外の重臣は嫡男などが代理で出席、各地とはモ-ルス信号での通信が可能であった為、問題はなかった。

春の通常幕府評定議会に出席していた伊達政宗・最上義康・黒上影鷹は龍之介から呼び出された後、すぐに監督地の城に帰城していた。

この場に出席する者は、皆平等に議員である。

そんな各地の代表議員は、ざわめいた。

「関白殿下の・・・・・・」

「まさか・・・・・・」

「地震か?」

「天変地異か?」


「御一同静粛に、若殿様のご発言中であらせられるぞ。」


柳生宗矩の一言で議場は静寂になった。


「続ける、1625年より九州から各地に地震が発生する、この為の準備を各地でしてもらたい。」


挙手をする議員の面々。

柳生宗矩が民衆代表議員を指名した。


「関白殿下のお力で地震を抑えることはできないのでしょうか?」


「勘違いをされては困る、関白殿下は神からの御言葉を代弁しているだけで全知全能の神ではない。地震は自然現象であり、その起こるべき日をお示しになったのだ。我々はそれを知りうることができたのだから準備ができることを幸運だと思わなければならないと思うのだが。」


また挙手をする民衆代表議員を宗矩が指名する。


「簡潔にどのような準備をすればよろしいのか、ご指導いただきたくお願い申し上げます。」


「まずは各々が食料の備蓄をすること、あと可能な限り住居を耐震化をする、耐震化については関白殿下のもと城郭の耐震補強普請を行っておる大工を派遣し指導させる、各地知事・議員は地震の際、一揆など起きぬよう国民に救済を出来る準備をする、大日本合衆国は広大である、この広い国土が同時に地震の被害が合うわけではない、西に地震が起きれば東が助け、北に地震が起きれば南が助け互助の精神で国民は一致団結しようではないか。」


正長は、幕府をまとめ上げるだけの実力を持っていた。

成長していたと言ったほうが良いだろうか、消して凡百な人物でなかった。

また、征夷大将軍の器がなければ嫡男と言えども、龍之介は征夷大将軍を譲ったりはしていなく留守を任せたりするようなことは、なかったはずである。


「御一同、地震対策本部総督に黒上正鷹を推挙するが意義はないか?」


寧夏地震の地震の際、正鷹は父、影鷹のもと現地の救済に当たっていた。

その経験と、九州を領地にする当主であったため正長は任命した。

そのことに対して異論は出なかったのであった。


「異論がないようなので、黒上正鷹は肥前、名護屋城で指揮をとるように。」


「不肖、正鷹しかと務めさせていただきます。」


「また、地震が発生すればこれを好機と反乱や攻めて来ようとする国も無きにしも非ず、万全に備えよ。」


「一同、若様の言葉、関白殿下の御神託を重く受け止めしかと励むように。今回の、臨時幕府評定議会はこれにて閉幕とする。」


柳生宗矩の言葉で閉幕となった。











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