龍之介と地球外生命体3
「あら、凄いビ-ムサ-ベルですね。なかなか、そこまで使う文明には会わないのですが。」
「ん~これは、超能力と言ったほうが良い力であって科学技術とは違うのですよ。それより、調印式に私が参加します。迎えが来ると言うことなのでこちらで静養していてください。私は執務の引継ぎをしないとなりませんので。」
「はい、助かります。しかし、言葉が通じないのが困りましたね、あなたのように言葉が通じるものがいると助かるのですが。」
「しばらく、お待ちください。」
すると、再び小型端末通信機に話しかけた。
「司録殿、司録殿」
「はい、龍之介様聞こえていますよ。何ですか?」
「はい、司録殿に通訳としてこちらに少しの間、来ていただけると助かるのですが。」
「わかりました。閻魔ちゃんの許可を取ります。」
閻魔ちゃんの許可はすぐに出て、司録が送られてきてパカルの通訳に来てくれた。
司録、相変わらず時代にそぐわないス-ツ姿でありバリバリ仕事ができるぞ感を出していた。
鹿島の海軍には、司録に語学教育を受けた経験のある者もおり、久々の変わらぬ姿の司録の姿に驚いていた。司録は事実上、龍之介の側室その為龍之介の家臣は丁寧に接する。
「パカルさん、調印に私が行く場合、何か用意するものはありますか?あと地球の時間で考えるとどのくらいで帰ってこれますか?」
「母船が迎えに来てくれると想定して考えますが、荷物は少ないほうが良いですね、人数は三人ぐらいと考えていただきたいと思います。調印は行って帰って来るだけなのでさほどはかからないと考えてますが、今回前回の文明から変わったので少し時間が必要と考えますが、おおよそ最大で一年を計画していただければ。」
「浦島太郎は流石に困りますよ。帰ってきたら地球は何十年も経っていたとかは・・・・・・」
龍之介は浦島太郎伝説を説明した。
助けた亀に竜宮城でお礼の接待を受けて帰ってみると、里は何年も経過していたと言う物語。
「浦島太郎さん?なんか聞いたことありますね。確か、リュウグウ星のカメ-ン地球担当官が地球に不時着した時に、助けてくれた人の名前がそのような名前だったと思いますが、反重力光速突入推進装置がまだ不完全だっ頃、惑星間の移動で時間の経過に誤差が生じていたころの話でしょうかね、安心してください、何回か地球とコウナン星の行き来をしていますが、地球時間で計算しますと3日で到着します。手続きとかで数か月滞在していただくことにはなりますが、地球の代表なので惑星元首として特別待遇で歓迎はされます。」
「まあ、ここは腹をくくって行くしかありませんね。では、いろいろ準備をします。
エリリ、司録殿と一緒にパカルさんをよろしく頼む、ついでに言葉も習得するように。
協定書に調印するために同行するのは春とエリリとし、また、今回の事は平和維持連合代表・
正一位終身関白太政大臣帝代理大日本合衆国統治責任者全権大使大将軍原朝臣三上龍之介正國の名において大日本合衆国最高機密事項とする。すぐに茨城幕府大老・柳生宗矩に連絡し「うつろ船」を鹿島港軍施設に回収するよう命じるようにモールス信号で打電。国民には「うつろ船」は、軍の船に搭載する避難船の試験航行中のが漂流してしまったと説明するように、このことで口封じなどの理由で民を殺害するようなことは厳しく禁止する。
パカルさんを直接見てしまった者には、私の異国の側室だと説明すれば問題ないはず。」
龍之介が命じると、歩美が前に出て
「皆の者、関白殿下の指示通りに行動を開始しなさい。私は、鹿島城に入城し不測の事態に対処します。」
「よし、歩美を今回の大日本合衆国最高機密事項の特任奉行とし情報を鹿島城で管理するように。」
こういう、肝の据わった歩美を見ると織田信長を思い出す龍之介であった。
歩美のおかげで安心して、留守を任せられた。
龍之介は一度、茨城城に向かったのであった。