世界巡察の旅~三男・三上熊之介正忠編~
ジブラルタル城で執務をしていた龍之介
そこに、左大臣ヨ-ロッパ地中海州知事・伊達政宗が訪れたのである。
「正忠殿はまだ、独身だとき行き及んでおりますが決まった方がおいでですか?」
三上龍之介正國、三男・三上熊乃介正忠は飛行船艦艦隊二番艦「青龍」の艦長、
勿来城城主・従三位権中納言大日本合衆国統治責任者全権大使大将軍補佐と言う、
長い役職についている。要は父の補佐役であり、今回の世界巡察の護衛隊長である。
剣の腕は、龍之介が認めるほどの使い手、それは諸国修行で得た力であった。
その為、24歳であるのに今だに結婚をしていなかったのである。
次男・嵐山城城主・正三位大納言禁裏御守衛総督京都守藤原朝臣三上鷹之助正光には、
龍之介の妹が近衛家に嫁いだ後に生まれた、霞姫が嫁いでいた。
側室には、最上義康の娘が入っていた。
伊達政宗は、三上家と縁を深めるために考えて申し出たのである。
最上家だけが縁を深めるのを、避けたかった。
「政宗殿には、正忠の嫁に良い人物が心当たりがおいでか?」
「我が娘、牟宇が12才ですがいかがでしょうか?」
「お若いですね、しかし良い話しですね、ぜひ正忠の嫁にいただきます。」
正忠が龍之介に執務室に呼び出されたのである。
「正忠、伊達政宗殿からご息女をそなたの嫁にと申し出があった。受けようと思う」
「父上様の御申しつけとあれば、お受けいたします。私は、父上様と違い剣一筋で
無粋者なので」
「では、婚姻の話は政宗殿と話を進めるからな」
こうして正忠の嫁が決まり、ジブラルタル城で祝言が行われたのであった。
戦国時代においては年の差も普通であったのだ。
ジブラルタル城での祝言であった為、ヨ-ロッパの国々の大使も参列して
行われた。
ジブラルタル城にも神主がおり、神社も祭られていたため神式で行われた。
参列した大使たちは、大日本合衆国式の祝言に感心していたのだ。
特に新婦の白無垢姿は注目を浴びて、その後ヨ-ロッパ各国に流行した。
日本文化が少しずつ、ヨ-ロッパに溶け込んでいたのである。