世界巡察の旅~平和維持連合管理国家・永世中立平和国イスラエル編~
イスラエルのエルサレムは後世では戦争の火種の地である。
ユダヤ教・キリスト教徒・イスラム教徒の宗教の聖地がこの地にある。
日本で例えるならやはり、各宗派の本山がある京都なのであろう。
エルサレムには、宗教の聖地が存在する
ユダヤ教のエルサレム宮殿の跡地の「嘆きの壁」
キリスト教では、イエス・キリストの処刑された地・「ゴルゴダの丘にある聖墳墓教会」
イスラム教では、ムハンマドが不思議体験をした聖地・「岩のド-ム」
この三宗教は実は同じ神を信仰しているのである
アブラハムの宗教として、まとめられる宗教
結局は同じ神を崇拝していて、誰が開祖・預言者・神託者なのかの違いである。
日本人にとっては、よほどの宗教学が好きでなければ気にもしなく知らないことである。
日本であれば仏教の宗派の違いに近いと言ったほうがわかりやすいかもしれない。
平成の世では、古式仏教の宗派間の争いを聞いたことはないが、
戦国時代には寺も僧兵で武装され、政治介入や宗派間の争いがあったのである。
しかし、日本が政治から宗教を排除できたのは織田信長の力であるかもしれない。
織田信長の影響力には賛否両論があろうが、政権に敵対する勢力には容赦しない姿勢、
代表格が一向一揆の石山本願寺攻めであり、比叡山延暦寺攻めであったのだ。
豊臣秀吉や徳川家康が、その後の治世で影響を受けなかったら嘘になるだろう。
龍之介は同じく宗教の政治関与は、厳しく取り締り「政教分離の原則」を導入した上で、
大日本合衆国は、「信教の自由」を保証していたのである。
そんな重要な聖地を龍之介は早くから占領した。
それが、平和維持連合管理国家・永世中立平和国イスラエルである。
管理を任されているのは、勿論ヨ-ロッパ地中海州の知事である伊達政宗であり、
拠点はキプロス島である。
あえて、イスラエルには拠点を作らなかったのである、拠点を作れば占領していると思われ、
それがまた戦争の火種になりかねないと考えたからである。
しかし、キプロス島には艦隊と軍隊が駐留しておりイスラエルの有事に、
対応できるようになっていた。
龍之介はゆくゆくは、キプロス駐留軍は多国籍軍したいと考えていたが、
まだまだ情勢不安定の為、大日本合衆国で構成されていたのであった。
キプロス島には、駐留軍の視察と秩序が守られているかの検閲でもあった。
平和維持連合管理国家・永世中立平和国イスラエルを管理するのであるから、
管理する側はそれなりの秩序が守られた者たちでなければ、管理者には不適当である。
龍之介一行がキプロスに入れば、港には整列した軍が待っていたのであった。
その様子を見れば、一同がしっかり管理されているのが良くわかる。
伊達政宗は、龍之介の意図をよくくみ取っており精鋭の軍隊で構成されていた。
キプロスの海城で一泊し後、平和維持連合管理国家・永世中立平和国イスラエルに、
入港したのである。
「嘆きの壁」「ゴルゴダの丘にある聖墳墓教会」「岩のド-ム」を視察する一行
「このように狭いところに三つの宗教の聖地があり、それがもとで後世、戦が絶えないというのは
なんとも言えないものよの神とは民を助ける者のはずなのに、皮肉にも神が戦の火種とは・・・」
「はい、兄上様。後世ではこの地を求めて争いが続いているのです。その為、いち早く平和維持連合の
管理下に置いたわけに御座います。」
「龍之介、管理下にしたのなら争いなきようしっかりと心しておかねばならぬぞ、
それぞれの宗教を尊重して運営できる国家でなければな」
「はい、難しいことですが、多神教国家の我が国だからこそ他者の宗教も尊重することが、
できるのでわないかと考えております。」
「それは、一理あるかもしれいな」
「兄上様、イエスキリスト殿と我が国の聖徳太子殿の伝説が共通していたりて面白い一面もあるのですよ」
「ほう、どのように共通項があるのだ?」
「両者は馬小屋で生まれたり、聖徳太殿は子は冠位十二階として十二人に官位を定めましたが、
キリスト殿は十二人の使徒を従えたり、なにか因縁めいたものが伝えられています。」
「なるほどな、聖徳太子殿は仏教を大日本合衆国に伝えられた人物でもあるが、
もしかしたらその頃には、キリスト教も何らかの形で、大日本合衆国に入ろうと
していたのかもしれないな」
「あり得ない話ではないかもしれませんね、歴史は掘り下げると面白味があるもの」
「しかし、朝廷の臣下でありまがいなりにも帝の血を引いているのだから、
古事記や日本書紀を公に否定するような発言はしてはならないからな」
「兄上様、それは心得ております。だからこそ領地での神社参拝と寺社仏閣の保護を
おろそかにすることは致しておりません。」
「そうであったな、特に茨城国の寺社仏閣の繁栄は凄いと圧巻であるな」
「茨城愛に御座います。」
「そうだったな、茨城を愛しているのだったな、はははは。
この地を崇拝する者たちもそういう気持ちで、この地を愛してくれるといいのだがな」
「そうですね。しかし、その愛が独占したい愛に変わってしまうからこそ、
戦が起きてしまうのかもしれませんね。」
「神を愛し過ぎているのも問題になるのか・・・・・・難しいな」
龍之介と上皇は、宗教哲学とも言えないなんとも難しい難問にぶち当たりながら、
聖地を後にしたのであった。
平和維持連合管理国家・永世中立平和国イスラエルは龍之介が築いたと言って良いこの、
安土桃山時代異世界の後世では戦の火種にはならず、平和の象徴の地になるのであった。