世界巡察の旅~インカ南アメリカ合衆国編~
インカ南アメリカ合衆国は、スペイン帝国に侵略されていたが龍之介の活躍により、
スペイン帝国の排除することに成功。ビルカバンバで抵抗していた、
インカ帝国皇帝マンコ・カパック2世
(日本語的には少し卑猥な名ですが、史実にいるインカ帝国最後の皇帝の名前です。
少し時代のズレはありますがお遊びで名付けた名ではありませんのでご理解ください。)
が平和維持連合の後ろ盾により復権していたが、帝国制は南アメリカ大陸に
多くの民族がいる大陸をまとめるには、
新たな争いの火種になりかねなく、龍之介が推進している議会政治に変更、
今は、まだ新たな政治に慣れていないため、まとめ役として、
インカ帝国皇帝マンコ・カパック2世が、初代大統領に就任していた。
マンコ・カパック2世は、龍之介の側室トゥルルの父である。
独裁政治にならないよう、大日本合衆国からリマ城の統治を任されていた、
藤堂高虎の養子の藤堂高吉が、補佐役の名目で監視人の役目に就いていた。
龍之介が南アメリカ大陸に進出した際、築かれたリマの海城の一帯は、
大日本合衆国の飛び地として認められていた。
リマの城塞こそ軍関係者以外立ち入りを規制していたが、総構えの町は、
解放され楽市楽座で繁栄していた。
インカ南アメリカ合衆国には、大西洋側にベレン城・カリブ海の入り口の
トリニ-ダ島の城塞が大日本合衆国であり、中アメリカパナマ州に属していた。
マンコ・カパック2世が抵抗していた要塞ビルカバンバにも近いため、
首都にセロデパスコが選ばれ首都として整備が進められていた。
龍之介飛行船艦艦隊は、リマ城に到着していた。
マンコ・カパック2世は、リマ城に出向き龍之介飛行船艦艦隊を
出迎えたのであった。
その晩、リマ城では大統領主催の晩餐会が開かれていた。
「関白殿下、お久しぶりに御座います。」
「カパック大統領、出迎えありがとうございます。今回は、兄である上皇陛下も
同行しておりますが、労力などはこちらには回すことなく特別な事は、
致さなくても大丈夫と言うか、遠慮させていただきたくよろしくお願いします。」
「そうですか、しかし何かありましたら何でも言って下さい。
あの、トゥルルの様子が見えないのですが?」
「これは、連絡が上手くいっていないようで失礼いたしました。
トゥルルは、健之助の養育中の為、茨城都におります。」
「健之助と言うと、私の孫になりますか?」
「いかにも、トゥルルが産んだ子に御座います。今年で4歳になります。
大使には、お伝えしていたのですがね。」
「お~それは、嬉しい知らせ、関白殿下との仲がますます近くなりました。
帰りましたら、トゥルルに私が褒めていたとお伝え願います。
関白殿下と、トゥルルに子が産まれたとなれば、関白殿下は我が子と一緒。」
「そうなりますかな、しかし、縁が近くなったのは事実です。
健之助が、いずれインカ南アメリカ合衆国と大日本合衆国との
懸け橋になる日も来るかもしれませんね。」
「今回の、巡察は鉄道と農業の状況を巡察すると聞いておりますが、
藤堂高虎殿・高吉殿の協力ご指導の下進んでおります。
鉄道も、海岸線と古代遺産を避けながら進んでおります。」
「それは、良かったです。インカ南アメリカ合衆国太平洋側も、我が大日本合衆国と
同じく、地震・津波の被害の多い地、海岸線を避けた鉄道は良いかと思います。
古代遺産についてですが、ナスカ地上絵やマチュピチュの保存は大丈夫ですか?」
「ナスカにあのような地上絵があったのは、関白殿下から言われなければ
わかりませんでした。それに、マチュピチュの存在をよくしていましたね。
スペイン軍から逃れるために作った隠れ蓑の都市信濃に。」
「いくら、トゥルルの父上とて陰陽力としかお教えできる事は出来ないのです。」
「なるほど、シャ-マンの力なのですね。」
「そういうことです。地上絵とマチュピチュを上空から良いので見学したいので、
周辺の住民の方々に飛行船艦隊に驚かないよう通達していただきたく、
よろしくお願いいたします。」
「わかりました。すぐに、通達いたします。
それと前回、とても素晴らしい刀をいただきました。それに対して返礼がまだでしたので
関白殿下にこれを贈呈したくお受け取り下さい。」
マンコ・カパック2世が差し出したのは、いかにもインカの遺跡から出てきたような
黄金の仮面であった。
「大統領、これは受け取れません。国の宝として保存してください。」
「関白殿下、ご安心ください。インカの忘れ去られようとしていた技術を再興し、
新しく作りましたレプリカで御座います。金はエメラルドなどは本物ですが、
勿論、上皇陛下への献上品としてはヒスイの仮面を用意いたしました。」
「なるほど、本当は高価な品の受け取りは控えておりますが、今回は前回の水戸刀の
返礼品としてなのでありがたくお受け取りさせていただきます。
この様な、加工技術はいついつまでも続いていく治世をお願いいたします。」
「はい、石加工技術も引き継いでいけるよう残す為、研究をしております。」
「インカの石加工技術は素晴らしいですからね。神殿なども残されるよう願います。」
龍之介は、古代遺跡マニアである。
晩餐会を終え、翌日から巡察を行ったが、大統領の言う通り藤堂高虎の築城技術と
インカの石加工技術で、南北アメリカ大陸横断鉄道は順調に進められていた。
また、農業もインカ文明の高い灌漑農業技術で口を挿む必要はなく、巡察は形だけで
終わったのである。
インカは武力でこそスペインに負け消えた文明であったが、金属加工技術・石加工・
治水・灌漑農業は高い技術を持っていたのであった。
4日ほど滞在したのち、龍之介飛行船艦艦隊は飛びだったのであった。
マチュピチュを上空から見学すると、マチュピチュの住民たちは、
手を振って歓迎してくれたのであった。
「関白殿下、このような山奥に素晴らしい都市を作る技術感服いたしますね。」
歩美が感動していた。
「山を使った段々畑の技術は日本も導入をしたほうが良いな。龍之介」
「そうですね、兄上様。日本から学びさせる者を派遣いたしましょう。」
マチュピチュから学ぶ事は多そうであった。
そして、ナスカに飛行船艦艦隊は向かったのである。
上空から見る、地上絵
一同は驚愕した。
「龍之介、この地上絵は誰がどのようにして描いたのだ。」
「私のいた、前世でも詳しいことはわかっていないのです。
西洋暦の始まる1000年ほど前からあると言われております。」
「不思議な物だな。」
「私も、実物を見るのは初めてで感動いたしております。
一説には、私たちより遥か昔の人々のほうが高い技術・
文明があったのではと言われております」
「この地上絵を見ると、そう思えてしまうのも不思議ではないな」
「はい」
一同は、ナスカの地上絵を堪能した後、トリニ-ダ島で補給した後、
ジブラルタル城に向かったのであった。




