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世界巡察の旅~中アメリカパナマ州編~

中アメリカパナマ州は、大日本合衆国の州である。

 属国などではなく国の一州である。


 南北のアメリカ大陸をつなぐパナマ地峡から、ユカタン半島を

 含む州


 ユカタン半島は、マヤ民族の部族が多く住んでいた。

 この為、大日本合衆国の州であるが、日本人よりマヤ民族のが

 多い州。州は州議会により統治されていたが、知事としては、

 日本人が就任していた。


 初代知事は、城造りの名手・藤堂高虎である。

 藤堂高虎は63歳であるが現役であった。

 現世でも、藤堂高虎は84歳まで生きる長寿、戦国大名としてはかなり珍しい。

 補佐役には、、嫡男の藤堂高次が就任していた。

 対スペイン戦の活躍により、日本人の知事就任には、異論が出なかったのである。

 

 ユカタン半島は、マヤ文明が色濃く残っていた。

 さらに、ユカタン半島は特別な地

 恐竜を滅ぼしたとされる、隕石が落ちた地であるのだ。

 それが、わかるのは1970年代の事である。

 龍之介は、古代史マニア、当然知っていたのだ。

 その為、ユカタン半島は龍之介の名のもと文化保護地区として

 保護されていたのである。

 

 そんな、中アメリカパナマ州州都・パナマ城に近くの海岸に

 龍之介飛行船艦艦隊は着水した。

 勿論、藤堂高虎親子が迎え出ていたのである。

 

1619年12月28日


 中アメリカパナマ州は、城造りの名手が治めていただけあって、鉄道の建設は、

 難なくできたのである。

 パナマ運河は、まだ作られてもいなければ計画もされていない。

 流石に、そこまでの技術と能力ない、現世でも作る際、

 大変なお金と能力を費やしているため龍之介も進言・計画しなかったのである。

 その為、ヨ-ロッパ側に行くには海路だと、遠回りをしないとならなかったが、

 飛行船艦を実用化した龍之介には必要はなかった。

 

 中アメリカパナマ州の巡察はさほど時間を必要とせず

 巡察を終えたが、歳の瀬、

 無理な移動をしたくないと考えた龍之介は、

 飛行船艦艦隊乗組員の休養も含めて、年越しをカリブ海側にある、

 コロン城ですることにしたのである。

 コロン城ではカリブ海の豊富な海産物で、

 龍之介一行はもてなされたのであった。


1620年1月1日元旦

 

 カリブ海の海岸線に龍之介一行は初日の出を厳かに待っていた。

 透き通るエメラルドグリーンの海は次第に明るさが増し、

 朝焼けのオレンジ色のコントラストに誰もが黙り感動していた。

 水平線から少しずつ顔を出す太陽に一同は、二礼二拍手一礼をし、

 拝んだのである。


 現世では初日の出を見ると、写真ばかり撮る若者が多く本来の意味すら

 忘れさられたのであるが、初日の出は太陽神・天照大御神の象徴であり、

 元来、年神様が御降臨する意味を持っている。

 その為、拝む対象であるのだ。

 海岸線で若者たちが騒ぎながら、初日の出を感動しているのも

 悪くはないが、拝んでる人を見て『え!初日の出って拝むものなの?』

 などの声を度々聞いた龍之介は、日本の教育に、親の教育に疑問を

 持たずには、いられなかったのである。

 神社は参拝の対象でありながら、初日の出は参拝の対象でないのには、

 不思議さを感じる。日本の神々はどこにでもいる自然崇拝がもととなっている。

 その為、山や木や岩や池などが御神体だったりするのである。

 その、御神体に参拝するのに建てられたのが神社と言ってよいだろう。

 天照大御神は伊勢神宮に祭られてはいるが、各地の神社でも祭られているのだ。

 天照大御神は太陽神である。


 龍之介一行は、当然のごとく初日の出に、それぞれの思いを祈願した。

 上皇は、帝時代には御所内の祭殿で大みそかの晩から

 「四方拝の儀」を執り行っていたため、祭殿にこもりっきり、

 海岸で初日の出を参拝するのは初めてであった。

 

「龍之介、異国で初日の出を拝む事になるとはの~、想像もつかないことであったが

 中々良いものであるな。」


「はい、兄上様。例え異国であっても

 ご来光を体に浴びますと、心が洗われた良い気持ちになります。」

 

大日本合衆国、最大の権力者二人の兄弟は、カリブ海での初日の出を迎えるという

 不思議さがあったのであった。

 

初日の出の参拝を終えると、コロン城内にある、神社に参拝したのであった。

 大日本合衆国は、宗教・信教の自由を保証している。

 その為、各地の城には神社仏閣以外にも多種な拝殿があったのであるが、

 流石に、龍之介艦隊乗組員は、日本人で構成されていたため、全員が、

 神社に参拝したのである。

 ただ、側室エリリは例外である。

 エリリは、キリスト教徒の為、参拝には参加しなかった。



正月三が日を、カリブ海コロン城で思い思いに過ごし一行は、飛行船艦艦隊で、

 インカ南アメリカ合衆国に出航したのであった。

 

 

 

 

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