1619年第一回偕楽園世界水戸の梅祭り
1619年2月15日
平和維持連合本部・平潟城から茨城都・水戸城と偕楽園に場を移していた
世界から平和維持連合会合に出席した大使や国家元首は龍之介の案内のもと、「平和維持連合本部・平潟城駅」から、蒸気機関車で「東御所水戸城駅」ではなく臨時に作られた「偕楽園駅」に案内されたのである
新シルクロ-ドが開通していなかった国々の要人まだ乗った事のない者たちには蒸気機関車の便利さに驚愕した
梅が咲き誇る庭園の偕楽園
この日は、特別に偕楽園は貸し切りとなり世界の要人達をもてなす「花見の宴」がもようされたのである
陽射しは2月のわりには暖かく花見日和であった
「関白殿下、ぜひ我が国にも蒸気機関車を引いてくださいませんか?」
平和維持連合代表・正一位終身関白太政大臣帝代理大日本合衆国統治責任者全権大使大将軍藤原朝臣三上龍之介正圀
と、あり得ない長い肩書の龍之介、流石にその長い呼称で呼ぶには不便しかも自分自身でも覚えきれていなかったのであった
その為、龍之介の呼称は「関白殿下」と呼ぶように通達されていた
蒸気機関車に感動した大使が龍之介に頼み込んできた
「蒸気機関車は順次、各大陸横断路線を計画しております、そのためには各国には線路をつくっていただきたく詳しい線路規格は決められておりますゆえ、蒸気機関車路線開発担当大臣もしくは、担当官を貴国に派遣させますのでその指示に従い作っていただきたくよろしくお願い致します その際の注意と致しまして、古代遺跡の破壊だけは絶対にしないことをお約束願いたい」
「関白殿下は古代遺跡に興味がおありですか?」
「個人的に大好きですが、やはり文化や遺跡・自然は科学が発展しようとも残していかないとならないものだと考えております」
「なるほど、とても良いお考えと思います」
「どうです、平和維持連合でそういうものを保護する法を決められたらどうですか?」
その後日、「世界文化保護法条約」が平和維持連合で採択され加盟国の満場一致で賛成され決められたのであった
世界文化保護法には、動植物の種の保存も盛り込まれていた
梅祭りは世界各国の要人たちの交流の場となった
通訳には、春やエリリ・トゥルル・エタ-二ャが活躍したのでる
龍之介は耳に着けている小型端末により言葉の壁はなかった
梅祭りは交流の場そして、茨城都が大日本合衆国の中心であることが世界に広める機会になった
偕楽園で採取された梅で作られた「梅酒」が振るわれた
何年も熟成された梅酒は各国の代表の舌をも唸らせた
料理は茨城の名産品が振る舞われた暖かい日差しとはいえまだ肌寒いため鮟鱇鍋が盛況であった
そして茨城名物納豆も振る舞われた
「関白殿下はこのように臭い食べ物をお好きなのですか?」
「ええ、なんでも食べてみたいと思いますが、貴国にもそのような料理がおありなのですか?」
「キビヤックと言うとても素晴らしく臭い料理があります」
「キビヤックとは、いかなる料理なのですか?」
「我が国、北アメリカ合衆国の北部の民族料理なのですが、狩猟で仕留めたアザラシの腹中に海鳥を詰め込んで地中に埋めて発酵させて発酵した海鳥の尾羽をむしり取り、そこから発行した内臓をすする食べ物にございますとても、臭いですが美味です」
「それは、興味深い食べ物ですな!ぜひ今度、そちらに行った際には御馳走してください」
「はい、喜んで ぜひ、お越しください」
「殿下・・・・・・・・・」
たまたま、一緒に話を聞いていた歩美そして、春が青ざめていた
「おお、歩美 日本もなんとか、一段落してきたから約束の世界旅行に行った際、食べさせて貰おうではないか」
「やはり、私も食さねばならないのですか?・・・」
「龍之介、私もその旅行興味ある連れて行け 特別扱いはしなくて良いからな」
「兄上様が一緒にですか?」
「龍之介の近くにいると面白そうだから、水戸に隠居するのだぞ(笑)」
「だから、東御所水戸城を選んだのですか?わかりました、一緒に行きましょう 飛行船艦艦隊がもうすぐ編成されますのでそれで」
「上皇様も、その・・・海鳥の腐った・・・発酵したものを食されるのですか?」
「流石にそれは断りたいが世界は見てみたい」
「そうですよね、流石にそのキビヤックとやらわですよね・・・」
「兄上様、歩美、やはり世界の料理を接してこその文化交流ではありませんか」
「しかし、龍之介よ 今回用意された納豆を喜んで食べている客人は少ないぞ」
「残念・・・しかし、世界視察旅行は兄上様お約束します」
「上皇陛下、ぜひその際は我が北アメリカ合衆国にお越しくださいますようお願い申し上げます」
このようにして、梅祭りは世界各国の要人たちの交流の場として成功した
これにより、「偕楽園・世界水戸の梅祭り」は平和維持連合の交流の場として恒例行事となったのであった