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1616年正月から忙しい龍之介

京都・御所城から出た龍之介は正光を連れて二条城に入り、忠仁親王と娘の心美に挨拶にきた

 

 御下向の日程と忠仁親王が御所城にいる間は正光が警護にあたることを伝えたのである

 

 「叔父上、私も茨城国を見たいのですが」

 

 忠仁親王は、龍之介には敬語を使うがこれは尊敬からであった

 

 「親王殿下、帝とお二人で京都を開けるのはよくありません 別の機会を作ります」

 

 「お待ちしております」

 

 忠仁親王と正光は従兄弟であり幼少から共に育ったため、仲は極めて良かったのである

 

 「正光、帝の留守の間はよろしく頼むぞ」

 

 「はい、心得ております」

 

 「まぁ~国内には、敵はおらぬがな」

 

 「はい、父上様の天下統一で治世は安定しております さらには御所城も父上様が大増改築により堅牢な城、ちょっとやそっとでは攻め落とせる物ではありません」

 

 「そのように考え作ったからな!だが、油断は禁物しっかり護衛としての任務を果たすように」

 

 「は!」

 

 

 二条城を出ると、正光は嵐山城に龍之介は堺に戻った

 堺には小さいながらも堀に囲まれた龍之介用の屋敷もある

 千宗易も亡くなり、堺の町は千道安が仕切っていた

 千道安は幕府評定議会堺代表者でもあった

 

 龍之介は千道安の接待を受ける

 …質素な造りの茶室床の間には、墨絵のメジロが書かれた掛軸

 活け花には、早咲きの梅が飾られていた

 

 千宗易は茶道で政治参加こそしなかったが詫び錆びの茶道は極められ、子供に引き継がれていた

 

 「殿下、一腹どうぞ」

 

 龍之介は前世で茶道も極めていたため、作法に乗っ取った飲み方をした…

 

 「殿下、その作法はどこで学ばれましたか?」

 

 「ん?うん…いや~…まぁ~良いではないか」

 

 誤魔化す龍之介

 千宗易が千道安に伝授した茶道の作法に瓜二つであったので千道安は不思議がったのだ

 

 龍之介は海外との取引は既に、自国・茨城国の鹿島・日立が中心となっていたが、千道安は龍之介の領地・近江から反物を買い付け海外に輸出していたので関係は続いていた

 また、正光が海外の物を買うときは堺のが近かったため正光とも取り引きがあったのだ

 

 「殿下、新シルクロードの話し聞いております」

 

 「正光からだな」

 

 「新シルクロード完成した暁には、輸出品を運びたく」

 

 「しっかり運賃は取るぞ」

 

 「勿論、払わせていただきます」

 

 「なら構わんよ、特別扱いは出来ぬが輸送車予約一人目としてならな」

 

 「ありがとうございます、商いがまた広がります」

 

 「それは良い、日本国で作ったものを上手く売ってくれよ」

 

 「はい、私どもも儲けさせていただきますが、作った皆様に還元出来るよう頑張らせていただきます」

 

 「日本国全てが潤うように願う、もう一杯茶をくれ」

 

 龍之介は抹茶が好きだったのである

 

 隣に控える春とエリリは苦虫を噛み潰したような渋い顔をしていた…

 

 龍之介は、堺にある

 屋敷に一泊したあと茨城国・水戸城に戻った

 

 

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