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日本全国巡察の旅・~帰路編~

龍之介は年越しを茨城国で迎えるため、茨城国に帰る事とした

 途中、尾張の名古屋港を巡察した

 名古屋港では蒸気機関車工場が作られ繁栄していたのだ

 

 新シルクロード用蒸気機関車も着工されていた

 

 「新シルクロード用蒸気機関車にはアームストロング砲とガトリング砲が装備されるようにしてくれ」

 

 龍之介は変わった指示を出したのである

 陸の鉄甲船として武装蒸気機関車であった

 

 蒸気機関車工場の巡察を終えると、熱田神宮に参拝したのち茨城国への帰路にたった

 

 鹿島港に入港し、鹿島神宮への参拝へ向かったのだ

 信心深い龍之介

 

 鹿島神宮の山門近くに口元を手拭いで隠した一人の若武者が帯刀して、立ちはだかっていた

 

 直ぐに、春・エリリや数人の供回りは、龍之介を守るべく前に出て刀に手を置く

 

 「何者!関白殿下としっての事か?」

 

 「一手、御教授願いたく参上しました」

 

 「関白殿下に無礼であろう」

 

 眼光鋭く、見つめる瞳…

 

 「良い良い一手相手になろう、それにお前達では相手にならんよ」

 

 「殿下!」

 

 「真剣しかないが良いかな?」

 

 「もちろん、望むところ」

 

 その若武者が何者か既にわかっていた

 

 若武者は一礼し、抜刀術の構えに入る

 

 龍之介も抜刀術の構えに入る

 

 

 春は察知した

 龍之介と若武者が何故か重なって見える…

 若かれし龍之介に

 

 「殿下!」

 

 「わかっておるよ」

 

 エリリもそのやり取りに気付く

 

 若武者と龍之介は、走りだし抜刀術を出すタイミングをはかっていた

 

 ズバ!

 

 キン!

 

 抜刀術が放たれ、刀と刀がぶつかる音

 

 …互角に等しい抜刀術の剣速に家臣が唾を飲む

 

 「ハハハハハッ」

 

 龍之介は何故か笑っていた

 

 この間にも繰り出される技は龍之介に引けを取らない

 

 しかし、龍之介が小太刀を抜き二刀流の構えを見せる

 

 若武者は再び納刀して抜刀術の構えに入る

 

 若武者が抜刀術を放った瞬間、小太刀で受けきり若武者の頭上スレスレに太刀は止まっていた

 

 「参りました」

 

 「うん」

 

 刀を置き膝をつく若武者

 

 そうすると、家臣がその若者を捕まえようとする

 

 「無礼者!」

 

 春が止める

 

 「春様なぜお止めになりますか?この者、関白殿下を斬ろうとした刺客」

 

 「そうですね、この中でこの若者を知っているのは私とエリリ、そして殿下」

 

 「ハハハハハッ(笑)」

 

 また、笑う龍之介

 

 「覆面を取られよ」

 

 春が何故か丁寧に接するため、供廻りの家臣は不思議がる

 

 「次朗、強くなったな!」

 

 「ありがとうございます。父上様」

 

 「え!次朗様ってあの殿下の三男の」

 

 「間違いなく我が子よ!なぁ~次朗、しばらく見ない間に強くなったな 正長と互角以上であるぞ」

 

 

 龍之介には男児は三人いた

 嫡男・八幡、正長

 次男・太郎、正光

 三男・次朗

 

 次朗はすでに、二十歳となっていたが表舞台には出ていない

 元服すらまだであった

 龍之介のいない間、剣の道を極めるべく鹿島神刀流を学び鹿島神宮で千日修業に挑んだ後、諸国修業に出ていたのである

 

 それは父親の姿を見て強い武将になりたいと思ったからである

 

 次朗だけは龍之介の男子としては、側室の子ではあるが分け隔てなく育てられていたので兄弟の中も悪くはなかった

 

 「次朗、諸国修業は終わりだな?」

 

 「はい、柳生宗矩殿にも免許皆伝を頂きました」

 

 「さようか、なら城に戻り元服せよ」

 

 「かしこまりました」

 

 「その方は、私と共に海外遠征のが良かろう」

 

 「父上様はなにもかもお見通しですね」

 

 「日本国内では収まらぬ器よ」

 

 龍之介は、次朗と共に茨城城に蒸気機関車で向かった

 

 「次朗帰ったか」

 

 「はい、兄上様」

 

 「これからは、修業した剣を使い父上様のお役にたてるよう励むが良い」

 

 諸国修業を終えた次朗は、兄・正長が烏帽子親となり

 

 「三上熊之介正忠」となったのである

 

 そして、従三位権中納言の位が与えられた

 

 「正忠、まだ海外には行かぬゆえ勿来城の城主を命じる」

 

 「は、かしこまりました」

 

 「勿来城は、平和独立維持連合同盟の本部、平潟城に近い重要な地しっかりと城主の役目はたせよ」

 

 正長からは

 「日本国総代大将軍補佐を命じる」

 

 と、役職が与えられた

 

 勿来城主・従三位権中納言日本国総代大将軍補佐藤原朝臣三上熊之介正忠となり父、龍之介の補佐役になった

 

 

 

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