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第16話 新装備

龍之介はかねてより戦国時代の装備に『盾』の活躍がないのが気になっていた。

日本戦国史ドラマではあまり活躍のない『盾』、実際にも盾は陣の守などに使われ、

最前線ではあまり使われていない。

西洋の戦場とは違い日本の戦場は起伏が激しく『盾』は、あまり進化しなかった。

もちろん使われていないわけではない、最前線では細い竹を束ねた『竹束』は、

弾除けとして使われていた。


防御力をさらに上げたい龍之介は洛中にいる甲冑師・鍛冶師を呼び出し、

身の丈を隠せる大きさの盾を作らせることにした。

約170センチの大きな盾、身の丈を隠せ、覗き穴があり、火縄銃が引っかけられ穴から

発射できるような物と細かく指示を出す。

試作品が作られ龍之介が見聞すると重かった。

分厚い鉄板で平たい盾、火縄銃の弾を防ぐに必要な厚みがあった。

重すぎて移動には不向きな盾、さらなる改良を試みる。

南蛮甲冑のように、真ん中から湾曲させ鉄板を薄くしてみるように頼んだ。

何枚かの試作品が作られ、火縄銃の弾を防ぐ為のギリギリの厚さで作られた盾は

以前より軽くなり歩兵隊、足軽が運ぶには問題ない重さとなっていた。

防御試験でも火縄銃の弾は盾の湾曲により力が削がれ、貫通はしなかったのである。

十分な防御力を持っていた。

この『湾曲長盾』を5000枚の発注をかけ、3000枚を自軍に・2000枚を織田信長軍に届けた。

また、龍之介は火縄銃の購入を忘れていたため、火縄銃を3000丁注文する。

但し、その火縄銃も龍之介が改良の提案をし銃身が1.5倍、先端には銃剣が取り付けられた

異形のしなとなっていたのである。

龍之介の近江八幡の家臣団は、『湾曲長盾』と長身の『銃剣装着型火縄銃』を主な装備とし、

集団攻撃戦法の訓練と剣術は柳生宗矩による柳生新陰流の厳しい訓練が行われていた。

この時に尽力した鍛冶師たちは龍之介の領地に土地が与えられ、御抱え鍛冶師となった。

龍之介の領地の工業力を上げることとなる。


信長軍は龍之介が送ってきた長身の盾により防御力は格段にあがり、毛利降伏後も争っていた

豪族は手も足も出せなくなり、あっけなく屈服したのであった。

ここに、織田信長の中国地方制覇がなされたのである。


降伏した毛利は現在の山口県の一部の長門のみを領地とし、存続がゆるされた。


明智光秀は、日本海側の中国地方が領地としてあたえられて、毛利征伐前の倍以上の領地と

なった。

また『中国探題』と言う役職にもついたのであった。大出世である。


羽柴秀吉も瀬戸内海側を中心に領地を与えられ、長浜から姫路城へと拠点を移したのであった。


毛利の敗北により、織田信孝と争っていた四国の長曽我部も屈服を余儀なくされ降伏。

これにより土佐一国が領地として認められ、 四国支配は織田信孝にまかせられた。


越後・上杉は織田信長が関白・征夷大将軍になった段階で恭順の意を表していたため

おとがめなし、越後の所領は安堵された。

直江兼続が京の都にて、上杉景勝の書状と贈り物を信長、そして左大臣龍之介にも献上する。

書状は神文血判で、臣下になるとの内容であった。

事実上の降伏であった。


神文血判(しんもんけっぱん)

とは約束を破棄した場合、日本国中の神々が敵になると言うものである。

史実で登場するのは、豊臣秀吉が死ぬ直前に、大名たちに秀頼への忠誠を誓わせるために

書かせたり、忠臣蔵の赤穂浪士が討ち入り直前に、吉良上野介討ち入りの約束をした

『神文血判』を大石内蔵助が返す、そこで激怒したものだけが四十七士となった、

神文返しなど有名なエピソードがある。

 

朝廷を重んじ、神仏を敬う上杉家にとっては、『神文血判』は重い意味を持っていた。


天下統一まで残るは九州平定だけであった。

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