インド洋ルート
龍之介は、ジブラルタで戦後処理をしていた
大方の仕事は終わり
伊達政宗を呼んだのである
「政宗、ジブラルタに大広間の屋敷を作るように命じる」
「ジブラルタ城では不十分ですか?」
「世界各地、特にヨーロッパ大陸の国の代表を集めるための施設じゃ」
「では、かなり広くなければなりませんね」
「独立平和維持連合同盟のヨーロッパ支部とし、会議を行う場とする」
「本部はどちらに?」
「もちろん茨城に作る」
「殿下は本当に、茨城を愛しておりますね」
「ははは、仙台も好きではあるぞ、この仕事終われば一度仙台に戻ってはどうか?」
「御心遣いありがとうございます。しかし、家族も殿下の計らいでこちらにおりますし、地中海が気に入っております 」
「そうかでは、仙台はそちが子にでも継がせるが良い」
「は!考えておきます」
「大方の仕事も終わった、また、ヨーロッパの事はよろしく頼むぞ!月末には日本に旅立つつもりである」
「お任せください」
龍之介は、出港の準備を命じたのである
「今回の帰国は、インド洋を通って帰国しようと思う 道先案内人をフィリッペ13世が出してくれる申し出があったのでな」
「インド洋を通って帰国となれば、殿下は世界の海を回られた事になりますな」
「そうなるな、インド洋の国々の情勢を見ながらの帰国ではあるが」
「どこか、気になる国でも?」
「今のところはないが布石を先に打っておけば戦も防げよう、独立平和維持連合同盟に勧誘しながら帰国する 艦隊は我が不動明王艦隊だけで十分である」
「殿下の艦隊ほどの最新鋭艦隊はどこにもありませんから」
「地中海にも、時期にスクリュー式蒸気機関鉄甲船の配備がされるよう手配してある いずれ、届けるゆえ使ってくれ」
「武蔵でも勝てぬ敵はおりませんが、ありがとうございます」
「ドーバー海峡会戦で外輪船の弱点をさらしてしまったからな」
「確かに…外輪をやられては動けなくなります」
「スクリュー式蒸気機関鉄甲船のが速いしな、韋駄天の伊達には速い足のほうが合うであろう」
「殿下は伊達の由来までご存知であらせられましたか」
「たまたまじゃよ、たまたま、では、あとは頼んだ」
「は!お気をつけて」
こうして、龍之介はインド洋ルートと帰国の途につくのである