第十三話 祝言、そして…初夜
2019/11/16修正実施
織田信長の娘、歩美姫と龍之介の祝言が取り急ぎ行われる事となり身内だけで仮祝言を挙げる運びとなった。
安土から京の都に呼び出された信長の娘、歩美は突然、信長の命により龍之介に嫁ぐ事になり困惑するが、武家の家、織田信長の娘として育った為、政略結婚の道具になる事を覚悟していた。
これは、織田信長が毛利攻めの為に中国遠征するためであり、中国に遠征すれば暫くは京の都に帰ってこれなくくなる可能性があった。
その為、龍之介と縁を深くしようとした織田信長が急いだ。
帝の御落胤の左大臣龍之介正國と信長の娘との縁組と信長が関白・征夷大将軍になったのは全国に知らされた。
異例ではあったが、祝言には信長も参加した。
祝言は、急ぎであった為、豪勢ではなく質素であった。
歩美との三々九度が終わると、宴席の場で信長が龍之介に申した。
「龍之介殿、我が娘婿になったからには一公家では困る、近江八幡に10万石の領地を用意したので、そこの大名になってくだされ、天下統一の後はご希望の領地をお渡ししたい」
龍之介は断る理由がなかったためこれを受け入れた。
「ありがだく、祝言の引出物としてお請けいたす。天下統一後は常陸を一国頂ければ・・・・・・」
常陸国、それは令和では『茨城県』と呼ばれる地。
「常陸一国でよろしいのか?磐城や下総などは?」
「常陸だけで充分、平和になったら鹿島神宮にて剣の道を極めるだけでございます」
「成る程、剣聖、塚原卜伝ですな!」
「常陸の国を押さえれば、奥州の睨みになりましょう。常陸の国、鹿島神宮で数年過ごしましたが常陸国は素晴らしき国、坂東平野に霞ヶ浦、北浦などの開墾次第では石高も望めます」
「そこまでお考えとは、やはり朴念仁ではなかったのですな。 はははっ」
織田信長は機嫌良く、祝言が終わった。
祝言の晩、ようやく嫁の顔が見れる。
祝言では角隠しで顔など、まったく見えなかった。
龍之介は、どんな美少女なのか楽しみにしていた。
寝屋で頭を下げ三つ指を付き待っていた歩美姫。
「本日から三上家の嫁として、日々精進いたしますのでどうか至らぬ点が、ありましたら、なんなりとお申し付け下さい」
と挨拶を受けた。
龍之介は、そんな挨拶より顔を見たくて仕方なく、挨拶もそこそこに、
「顔を見せてはくれぬか?」
歩美姫は顔を上げる。
行燈の薄暗い灯りに照らされたその顔は、龍之介が前世で大ファンであった、平成の歌姫、女性単独歌手売上一位の全盛期と瓜二つ。
龍之介の現役復帰した下半身が黙って無かったのは想像出来るであろう。
龍之介は優しく抱きしめ、着物を脱がし全身を嘗め始める。
女子体臭フェチ、そして、嘗めるのが大好きな趣味を持っていた龍之介。
歩美は恥ずかしさと、ムズムズする感触で身を悶え龍之介から逃げようとしたが龍之介は強く抱きしめた。
「くつぐっとうございます。 はぁ~はぁ~はぁ~・・・・・・あっ、そのような所を嘗められては、あれ~~~~~」
この晩、二人は激しく燃えたのであった。
龍之介的には萌えたとの表現のほうが合っていたかもしれない。
あくる日から、歩美は龍之介の見たこともない火縄すら付いていないライフルの撃ち方を伝授されたのであった。
このライフル銃は初期設定の装備品だ。
「これからは三上家の嫁、いざというときは使えるようにしておきなさい」
「はい、ご主人様のお役に立つよう精進いたします。しかし、このような銃見たこともないのですが・・・・・・」
「歩美、三上家の秘物、詮索はしないように。必ずやその秘密を話す時も来よう」
「はい、わかりました。父信長より何事もご主人様の言いつけを守るようにと申し付かっております」
「で、あるか」
「ふふふっ、父の真似ですか?」
「似てはおるまい。はははっ」
歩美は元々、武家の家に生まれた嗜みとして弓道をやっており、また、父は火縄銃を実践配備した織田信長、火縄銃の扱いも学んでいた。
その為、ライフルの腕も上達は早かった。
歩美は龍之介ともすぐに打ち解けた。
歩美は信長の才能を引き継いでいたのか頭の回転も早かった。
信長の娘などとは鼻にもかけず、下働きも率先して行った。
まさに、才色兼備。
この為、龍之介の妹達とも打ち解けるのは早く、三上家は明るい家庭になった。
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