新造艦隊出撃
「殿下、モールス信号通信機の準備は整いました 日本国側の高感度受信設備並びに中継点として茨城国北方の十王に設置いたしました」
十王は、現世では日本国で初めてのバラボラアンテナを設置しアメリカからのテレビを受信する設備が着いた土地であった、最初の放送は奇しくもジョン・F・ケネディ大統領暗殺のニュースであったのだ…
「南方領土には黒上影鷹にモールス信号通信機設置をさせられるよう、技術者とモールス信号通信機を送れ、北方領土にはウラジオストクに向かう大和にモールス信号通信機と技術者を同乗させ、最上義康にまかせよ!アメリカ大陸から地中海方面は我と不動明王に同乗して取りかかる、平賀源内と富益恵時尊に出港の準備をさせよ」
こうして、着々と準備が進む
「正光、都に戻るから仕度しなさい 歩美も都に同乗しなさい 春・エリリ・トゥルル・エターニャ再び地中海に向かう不動明王に乗船しなさい」
春・エリリ・トゥルル・エターニャ、は海外渡航時には必ず着くようになっていたのである
春は忍護衛として、エリリ・トゥルル・エターニャは国と国とを結ぶ役割があったからだ
「春、お前は私の「護衛副隊長」に任命する、日々の護衛として、適任である」
「殿下…私は殿下の命を狙った身…」
「しかし、今は守っているではないか、わかっていたぞ 日々、屋根裏床下を見回っていたことを!昔は昔、今は今、信頼しているぞ これを作らせたので授ける」
それは、龍之介が信頼の証しに送る「水戸刀」であり、春用に作られた忍備えの刀であった
「殿下…ありがとうございます(泣)」
「エリリは春に協力しなさい、エリリお前も信頼しているぞ エリリにもこれを授ける これは刀匠も苦労してたぞ」
エリリに与えられたサーベル型水戸刀には反りがなく真っ直ぐ作りでありながら日本刀式で鍛えられた刃を持つサーベル型日本刀であった
「ありがたきお言葉…それにこのような素晴らしい剣を…(泣)」
「トゥルルとエターニャは、三八式歩兵銃改良型狙撃用の腕を磨いて、遠方からの助力ができるようにしなさい」
「はい、わかりました」
龍之介が現世の記憶から作り上げた三八式歩兵銃は改良が進められ多様化していたのだ
「では、明後日の朝出発する、先ずは都に行くぞ
正長、また留守を頼むぞ」
「は!父上、次にあった時には一太刀浴びせられるよう精進に励みます無論、国政にも怠けません」
「ん!次にあった日が楽しみである」
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日立港から鹿島港に移されていた不動明王に皆乗船し、征夷大将軍正長が見送るなか出港したのであった
まず向かうは堺港…
新造艦隊は、
スクリュー推進型双胴船・旗艦・不動明王
スクリュー推進型単胴船5隻
兵士4000人であった
新造艦は積載量も増えたのである
兵士の中には有名な剣士も含まれていたのであった




