------これはある時代の、ある場所の話……。
人種差別が酷かったその街では、犯罪など日常茶飯事で……そんな事があっても他の人は見て見ぬ振りをしていた。
今は考えられるであろうか……?そこら辺を出歩いて普通に死体が転がっている……。それだけでも有り得ないのに……人々は死体を踏み歩いて行く……。
残酷……そんな言葉か似合う街であった………。
そんな街に一人の少年がいた。
親などいなく、身寄りがなく、お金も何も無い少年……。
ただあるのは、どうしようもない空腹……。
人種差別が激しい街に……誰が食べ物などくれるか……。人々は働かない人間には何もくれない。例え子供でも……
その少年はこんな街で生きる一つの方法を見つけた。
-------“盗み”
生きる為の一つの手段……まだ幼い少年にはこれしか無かったのだ。
風の様に汚れている大人達から擦り抜け逃げてきた。
「人は皆平等」
……どっかのペテン師が言っていた。
------違うだろ……?
皆が平等だって?僕は……僕は皆と違うじゃないか。
僕は贅沢な事を願っているの?僕は………普通に家族と……食べ物が欲しいだけなんだよ……?
----これは贅沢な事なのですか………?
いつもみたいに少年は、食べ物を盗みに行った。
今日はバレづにパンを盗む事が出来た………。
------よかった……
少年は大事さうにパンを抱えながら走っていた、……するとすれ違う行列の中、美しい少女に目を奪われて立ちつくんだ。
少女は何故か俯きながら涙を目に溜めていた。
多分遠い所から売られて来たのだろう。
少年はお金持ちの家を見届けた後、叫びながら走り去ってしまった。
僕には少女に何も出来ない………。僕にはお金も何も無いただの汚れた子供だから……。
ただ………一つだけ僕でも少女に出来る事がある……
次の日………僕は今日少女に会った場所に行った。
やはり少女は………いた。
「あ………あの…」
僕は勇気を出して少女に声をかけた。
「…今日の夕暮れ時間に……カルマの坂に来て下さい……」
僕はそう言って少女の返事も聞かずに走り去って行った。
-----------------……
少年は夕暮れを待った。
そして……剣を武器屋から盗んできた。
少年は重い剣を引きずりながらカルマの坂に登った。
少女が………いた。
少女は少年の持ってる剣で全てがわかったのか、少年の前に立ち、目を閉じた。
少年は少女に………剣を振り落とした。
少女は少年の前で血まみれになり倒れた。
少女は……壊された魂で……少年に微笑んだ。
少年は……最初で最後に見た少女の笑顔だった……。
そして………最後の一降りを少女に………………
その後……ある旅人が見つけたらしい……。
少年と少女が幸せそうに隣同士にして死んでいる所を…………。
------ねぇ……神様……、どうして僕達だけを………神様は愛して下さらなかったんですか………?------
僕達は………こんな形で、“幸せ”を見つけました。
〜終わり〜 |