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例によって某俳優さんをモデルに書いております
が どうぞお好きな方に脳内変換して頂けたら幸いです 最期までお付き合い下さい
怪談・痩せてゆく事
作:tensuke



千の星空の下で


1.怪談「牡丹灯籠」
随分痩せたんじゃないか そんな事を会う人ごとに言われる
役作りですから 体調は問題ないです
もとから好き嫌いは多かったですし
食べられるモノを食べてます
ちゃんと食べてます 心配ないです
いくら言っても人は納得してくれない
本当の事を言ったら
きっともっと信じてはくれないだろう
ドラマじゃあるまいし そう言って笑われるのがオチだろう

鏡の中の自分を見つめてみても
それ程ひどく痩せこけた男の顔には見えない
むしろ どこか清々しくすっきりと拘りのない顔に見える
これが俺じゃないのか?
人からは違って見えているのだろうか?
自分だけが鹿の姿に見えたドラマは終わった
なのに
自分の顔が人からどう見られているのかよく判らなくなってしまった
さすがに鹿には見えてはいないだろうが
そんなにも痛々しく痩せこけて病気にでもなりそうな
そんな顔に見えているのだろうか?

写真に撮られた自分
テレビで放送されたビデオに映る自分
どれを見ても鏡で見る通りの顔に見える
健康で元気で申し分なく気分の良い自分の顔だ
それなのに
誰もが口を揃えて言う
心配な位 病的な痩せ方だ 顔だって変わってしまったじゃないか と

怪談「牡丹灯籠」というお話をご存じだろうか?
美しい亡霊に魅入られた侍が 亡霊とは知らずに逢瀬に通い詰め
段々に周囲の者が心配する程にやせ細ってゆく
このままでは死んでしまうのではないかと心配した友人が陰陽師に相談をする
事情を知った陰陽師がまじないと厄除けの札をくれる
札に守られ侍は哀れに訴える美しい亡霊から逃れようとする
一晩 決して札で守られた結界から出てはならない
夜明けまで結界の中で我慢出来れば 亡霊を退治する事ができる
そう言い聞かせられた侍は ようやく美しい亡霊の恐ろしさを知り
言われた通りに結界の中で一夜を過ごそうとする
しかし 結局
亡霊の力で見せられたニセモノの朝日に誘われて
札の守る結界から出た侍は亡霊に取り殺されてしまう
美しい亡霊に連れられて黄泉の世界に旅立つ侍の魂
悲恋か恐ろしい怪談か 解釈のわかれるところだと思う

そう
もしかしたら自分に起こっている事は牡丹灯籠と同じなのかもしれない
いつか取り憑かれた何かにあちら側の世界に連れてゆかれて
しまうのかもしれない そんな事が今起きているのかもしれない
それでもいい
そんな風に思う
今 自分は何も不自由もなく不幸せでもない
美しい亡霊に魅入られた侍と同じに 幸せでならないのだから
はじめてあの人にあったのは そう
あれは 寒い夜だった












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