第2章 絶望の城
———それではこれより、本サイトのメインプログラム【勇者たちの道 ranking】 を執り行います。このゲームのルールは至ってイージー。細かな決め事は一切ありません。ただ誰よりも上位に上がればいい。
3月8日。
「カクヨム」ランキング開始。
ランキング前の数多の権謀術数をくぐり抜け、生還したワナビたちに待ち受けていたのは絶望であった。
ランキング下位ワナビ
「途中、途中、途中。その日その日のランキングの順位を確認し半ば眠っているような日々。ジャンルランキング5位以内に入る途中だと思わなきゃ、やってられねえっ!」
カクヨム運営
「ちょっとまって、入れたフォローと評価★の内容を見せてくれないか、念のためだ」
ランキング除外ワナビ
「ふざけるなよ! 戦争だろうが…! 疑ってるうちはまだしもそれを口にしたら…戦争だろうがっ…!」
★爆撃嫉妬ワナビ
「おまえか? ★爆撃で★増やしたのおまえだろ…! このランキング除外は運営の思い違いじゃない。運営には確信があったんだ。でなけりゃいくらなんでもランキング除外はしない」
ランキングスコップワナビ
「イックーさんってさあ、なんかそこら辺の連中と匂い違いますよね…。危険というかアウトローっていうか、もっとはっきり言うと栗の花の匂いがするっていうか」
Twitter相互互助会ワナビ
「嬉しいよ…! Twitterで会えて…また二人がんばろう…! 今度は一から協力して…二人で闘おう…! 二人だけは味方…」
オレオ
(それは短編と言うより…3文字…)
ランキング上位嫉妬ワナビ
「大して変わらない……この男の思うほどオレたちと上の連中に差はない」
感想企画嫉妬ワナビ
「なんか汚ねえ……! ずるいぞこいつら……! 謝ろうが…すまなそうにしようが…とどのつまり★を稼ぐんじゃないか…!」
オレオ民
「押せっ…『★で称える』を押せっ…」
KADOKAWA
「出す…! 700万円は出すが…今回まだ一次選考の基準の指定まではしていない。そのことをどうか諸君らも思い出していただきたい。つまり…我々がその気になれば一次選考はランキング10位以下も20位以下もということも可能だろうということ」
カクヨム運営
「口を慎みたまえ。居丈高になるのは決定してから…。読者選考の途中経過過程については徹頭徹尾頭を垂れ服従を装った方が利口。でないと目を付けられ酷い目にあうかも」
ランキング仕様
「星…! 星はな…総PVより重いんだっ…!」
ランキング上位ワナビ
「何も築いてこなかったおまえらにどこまで想像が届くかわからぬが想像してみろ。いわゆるランキングの上を行く作者たちの生活を。おまえらのようにボォーッとしちゃいないぞ…! Twitterやニコニコ、なろうで宣伝をし…常にフォロワーはクラスタのトップクラス。ジャンルランキングで10位以内までコマを進め、総合ランキングに入る…。入って1日もすれば今度はジャンル5位以内を狙う…。頭を下げSNSで宣伝して回りやっと取るジャンル5位…。やっと入るトップページ…。これが一つのゴールだが……ホッとするのも束の間、すぐ気が付く。ランキングがまだまだ終わってないことを…。今度は総合ランキング競争…。まだまだ宣伝していかねばならぬ…! 更新を第一に考え、遅れずサボらずミスもせず…そんな生活を10日余り続けて、気が付けばもう評価★は伸びない。評価★数は★300台半ば…★400。そういう評価★数になって、やっと手に入る総合順位が総合5位, 10位という順位なんだ…。わかるか…? ★400は破格、破格なんだ…! おまえらのように継続した努力ができぬ輩は本来★400なんて夢のまた夢…それでも手に入れたい…どうしても手に入れたいとなったら、これはもう…オレオ以外ないっ…! 当然さ…おまえらは20話30話という話数で薄めず……たった1話で分不相応な評価★数を手に入れようというのだからな…」
横浜駅SF
「オレは前回…ぶっちぎりの1位…。影も踏ませなかった。同じことをやるだけだっ…!」
カクヨム公式ブログ
「スマホアプリオープンだっ……! もうすぐ始まる……ニコ厨を招き入れての狂宴の舞……」
カクヨム運営
「ずれた命乞いだ。株主総会? BANの基準にそんなもの関係あるか、筆頭株主じゃあるまし、バカどもがっ!」
カクヨム絶望ワナビ
「オレオくん…オレオくん…オレオくんに託すっ…! 虫のいい話なんだが…オレの代わりに…この評価★をランキング順位に換え…1位をとってやってくれ…」
テリオン盗作騒動
(消えていた…テリオンは消えていた…! やればできる子が振り返った時テリオンの姿は既になく…結局やればできる子は伝えられない…テリオンに送る…罵倒の言葉を…)
オレオ総合1位
(ランキングに電流走る───!)
横浜駅SF
「ひどい…! ひどすぎるっ……! こんな話があるかっ…! …やっとの思いで総合1位に辿り着いたのに…やり遂げたのに……オレオっ…! あの3文字がもぎ取ってしまった…! せっかく手にしたSFランキングのトップ…希望…書籍化を……!」
ワナビの群れ
「Congratulation!コングラッチュレーション Congratulation!コングラッチュレーション おめでとう……! おめでとう……! オレオ総合1位おめでとう……!」
総額700万をかけたコンテストはまだまだ道半ば。
ワナビたちの戦いは続く。