大量フォローは本当に悪だったのか
大量フォロー、大量評価でランキング除外された、「ドミネイト製作委員会@r_groop氏」(以下 Rグループ氏)が次のような興味深いエッセイを書いています。
あるリーマン投資家のカクヨム運営糾弾戦記
https://kakuyomu.jp/works/1177354054880463770
このエッセイは評価ポイントは高い水準なのですが、Rグループ氏が絶賛ランキング除外制裁中なので、みなさんの目に触れる機会は少ないかと思います。
しかし、これは広く読まれることが「カクヨム」というサイトの公共の利益となると思いますので、拙作がランキングに居座っている間に紹介させてください。
とりあえず、要点をまとめさせていただきます。
今回の大量フォローによるランキング除外について「カクヨム」運営は
【3/11までにフォローの全解除+従わないとアカウントBAN】
という措置を取り、これによって、1000を超えるフォローをしていたRグループ氏は、フォローの解除を余儀なくされたようです。
これに対しRグループ氏は
1. 不正の意図はなかったし善かれと思ってやっていた行為だった
2.【3/11までにフォローの全解除】という苦行を課すのはけしからん
3. 事前の警告も周知もなかったのはけしからん
4. システムの不備をユーザー責任に押し付けるとはけしからん
と主張しているというわけです。
個人的に今回の問題で思うことは、そもそも今回の大量フォローと大量評価は本当に罰せられるべき「SPAM」行為だったのか、という点です。
1. 少なくともシステム上は評価は簡単にできる
2. フォロー機能によって作家を応援することは問題ではない
3. 本来は評価やフォローをすることは、「作品の面白さ」を数値化する上で役立つ行為である
4. フォローと評価の数は、多読速読の人、滞在時間の長いユーザーほど増える。
5. フォローと評価の基準はユーザーに依っている
6. 大量評価という行為に悪意があったのか、善意で行っていたのかは他者からは判断できない
という様々な論点があり、そもそも大量評価や大量フォローをしたユーザーは、生まれて間もない「カクヨム」というサイトを積極的に変えていこうとした【優良なユーザー】であった可能性があります。
もちろん、書籍化+100万円のコンテストレースで優位に立つために、このフォロー、評価機能を悪用したユーザーもいたかもしれません。
しかし、これは【500件以上のフォローをしているユーザー】は悪質なユーザーである、という数字でひとくくりにまとめられるものではない気がします。
また、ランキング除外についても問題があります。
事前にブログなどで警告していたのは、文章を読まずに評価を入れるような行為だけです。
そのような行為は「ランキングのノイズ」になるので、ランキングに反映させないという理屈はわかります。
また、運営が不正だと判断したケースでは【コンテストの受賞を認めない】、というのも筋が通る話であります。
実際、評価やフォローを悪用していると疑われる人たちは、受賞させても悪評が広がりますので、受賞させなければいいのです。
一方で、運営が一方的に気に食わないユーザーに対して、【ランキングに載せない制裁措置を取る】というのは、ランキングが運営の思惑一つで操作されうるということにつながります。
これは、ランキングを信用して作品を探す読者ユーザーを軽視している態度になります。
読者ユーザーを軽視し続けたら、「カクヨム」というサイトに未来はありません。
また、作者側も『どの程度なら評価をばら撒いても大丈夫か』、『相互フォローは避けたほうがいいんじゃないか』、『作品にカドカワ批判はしてはいけないんじゃないか』と怯えながら、サービスを利用することを余儀されなくなります。
このことは作者間でのコミュニケーションや執筆活動を萎縮させます。
実際、この作品は「カクヨム」批判がメインコンテンツなので、いつランキングから除外されるか、ヒヤヒヤしながら書いています。
ランキング除外されないかなー? かなー?
最後に。
今回のケースは、Rグループ氏がコンテストに参加していないので、コンテストの結果には影響が出ない事例でした。
今回の件で、たくさん読んでたくさん評価をつけてくれる【優良なユーザー】を失った可能性があることを「カクヨム」運営は認識するべきだと思います。
正直Rグループ氏が白か黒かどっちだったのか、というのはどっちでもいいです。
ただ、大量フォローで制裁された人たちの中に、1人でも無実の人がいたら今回の制裁措置は正直失敗だったと思います。
個人的には、「ランキング操作」なんてやめて、「ハートフル」も「大量フォロー」も明日からランキングに載せてしまえばいいと思っています。
そして、「まともじゃない作品」がちゃんとランキングで淘汰され、「面白い作品」が日の目を見るように設計を改良していくべきだと思います。