現行の問題点【その3-大量フォロー、大量評価】
今回は一歩間違えたら他の作者批判に繋がりかねないナイーブな話なので、提案はせず問題提起だけさせていただきます。
現在、「カクヨム」で起きている問題の中に、【大量フォロー(大量評価)による自作品宣伝】というものがあります。
お互いに評価を融通し合って自作品の評価★を増やしたり、もしくは多くの作者の興味を引いてPVを増やしたりする戦略です。
ランキングがない現在、この戦略が非常に強力になってきています。
例えば、カクヨム非公式検索の作者検索結果の評価数上位は、作品の評価数もおおむね高い傾向があります。
http://tueee.net/kakuyomu/users.php?sort=star&style=1
この戦略自体は筆者もカクヨムオープン当初から気づいてはいたのですが、実験的な検証をしようと思うと他の作者に迷惑を掛けてしまう可能性が高いため、今まで話題には触れてきませんでした。
しかし、ランキング直前になって問題が大きくなってきているのでこのタイミングで触れておきます。
ちなみに実験的な検証は、ほげ山さん
https://kakuyomu.jp/users/incense/news/1177354054880404405
のハートフルレポートに期待しております。
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そもそも論として、「カクヨム」内の総評価数が増えること自体は望ましいという前提があります。
なぜなら、全体の評価★数が増えるに従って「作品そのものの面白さ」というのの判断を評価★数を見ることで容易にできるようになるからです。
なので大量に評価する行為そのものは、全くの悪い行為ではないと考えます。
むしろ多くの読者ユーザーにとっては有用な行為なのではないでしょうか。
しかしながら、一方でスパム的に評価を配る行為(例えば目に付いた作品にひたすら★3をあげる)もしくは安直な相互評価行為(相手が★3を入れてくれたら自分も★3入れ返す)は、「作品そのものの面白さ」と評価★数の乖離を引き起こします。
これは多くの読者ユーザーにとっては良くない行為です。
これら二つの有益な行為と有害な行為は、そもそも区別できないのが問題です。
なぜなら評価をつけるという行為はユーザー自身の感性によるからです。
残念ながら「私は面白いと思ったから評価を入れた」という主張を、誰も否定することはできません。
また、作品や作者のフォローを大量に行うことで、自分の作品を見てもらおうとする行為そのものも悪とは断定できないところもあります。
せっかく書いた作品を見てもらおうと宣伝すること自体は、努力の方向性自体は真っ当です。
「そんなにフォローしたらマイページ使いづらくないの?」という考え方もありますが、そういう人たちはマイページそのものをそもそも使うつもりがないのでしょう。
むしろ、限られた手段を最大限利用している、という見方もできるでしょう。
今回の問題点は、「カクヨム」のサイトの設計そのものの問題点から出てきている歪みみたいなものではないでしょうか。
「作品の面白さ」でPV数が増えるランキングや、ピックアップみたいな構造が現行存在しないという設計が問題なのです。
さらに読者選考期間の短い『カクヨムWeb小説コンテスト』が歪みを助長させているという見方もできます。
なので今回の【大量フォロー、大量評価】問題に関しては、このような手段をとらざるを得なかった作者を責めることは酷だと考えています。
実際、【大量フォロー】をすることで評価★数を得ていても、実際に作品そのものも十分面白い、ということだってありえるので。
面白い作品を書くだけでは評価に事足りない、現行の設計を恨むべきでしょう。
もしこの問題に対して、読者側からできることがあるとすれば、自分が良いと思った作品に対して【正しくレビュー】をつけることくらいでしょうか。
評価★が多くてもレビューの中身がなかったり、そもそもレビューが極端に少ない作品は、ランキング実施以降はきちんと淘汰されていくことに期待します。
それとは別に、「面白い作品」なのにサイトの設計が悪いせいで評価されない「沈んだ作品」をどう救済するかという論点があります。
それこそ前回主張した【P値を用いたランダムピックアップ】は有用だと思うのですが、どうでしょう。