恋愛しょーとすとーりー’s(1/9)縦書き表示RDF


恋愛しょーとすとーりー’s
作:狐狸川ゆうら



すとーりーONE どこが好き?


『ねぇ…私のどこが好き?』



 そんな事を突然、助手席から聞かれて少々戸惑う。
「え、ど、どうしたの、急に…?」
 でも、コレってさ、恋人に突然聞かれて困るナンバーワンの質問じゃない?


 付き合ってちょうど一年。


 もしかして、これってテストか何か?違う答えを言ったりすると、ハイ減点、別れる理由の一つ、気持ちのすれ違いって奴になるの?

 ヤメテくれよ、男は意外とハートが脆い生き物なんだから。
 こんなコト聞かれると、気が気じゃ無くなる。
 今まで気分良く運転していたハンドルがズッシリト重くなった。
 彼女は横顔のまま、微かに微笑んで言い放つ。

「なんとなく、ね」
「ふ〜ん…ま、いいけど。そうだなぁ〜」

 平静を装いながら、実は内心かなりドキドキだ。
 手の平に汗がじっとりと滲み、気が付けば信号で止まる度に手の平を擦り合わせている。


 ドコが好きって、いきなり聞かれても、さ。


 何気ない会話で、無邪気に笑う顔が好き。
 ハスキーでは無いけど、少し低い優しい声が好き。
 後ろから抱きすくめると、すっぽり腕に収まる身体が好き。
 怒った顔も、泣いた顔も、拗ねた顔も、好き。
 俺だけじゃなく、女友達や俺の友達を大切にしている所も好き。
 悲しい映画を見て泣いちゃうのも、アクション映画で騒ぐ姿も、好き。


 全部、全部、彼女だから、好き。


 どうして、一つに絞れるの?
 こんなにも全部が好きなのに?

 俺は仕方なく、無難路線を選ぶコトにした。あんまり答えないと、ソレも減点対象かな?

「そうだなぁ…やっぱり可愛い笑顔かな?」
 そう言ってチラリと横目で盗み見た彼女は、瞼を閉じて静かな寝息を立てていた。
「………はぁ?」
 オイオイ、自分で話を振っといて、寝るのは無いんじゃない?

 でも、安心し切った無防備な子供の様な寝顔。
 参ったな、こんな顔で寝られたら、怒れないでしょ?
 俺はふ…と思わず笑みが零れた。
 俺はそっとエアコンの温度を寝やすいように調節する。
 もう少し、キミの寝顔を見て居たいから。


 いいよね?


男と女の間には暗くて深い溝があるとかないとか…。でも実はソレって、結構以外に幸せな距離なのかもしれませんネ。











ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




TOP | NEXT


小説家になろう