3月〜4月は桜が満開でいい季節だと思う。桜は別にキレイとは思わないって人もいるけど桜は一般的にみて美しいものだ。
特に3、4月に「桜通り」と呼ばれる通りがある。
そこは商店街で様々な店がある。夏でも冬でもそこの通りは「桜通り」とよばれている。
その桜通りの先に商店街がある。そこの商店街もとても美しい桜の木がある事から「桜商店街」と名付けられている。
そこの2つの区間の桜は本当に見事なものだ。この世のものとは思えないほど素晴らしい。
でも今は7月なので桜は咲いていないので別にキレイでもなくただ散ってしまった後の木があるだけの殺風景な所だ。
でその桜商店街を歩いていると「圭ちゃん、圭ちゃん」と呼ぶ声が聞こえた。その声の主はどうやら八百屋の近藤さんのようだ。
相変わらず商売向けのいい声をしている。あの声でしゃべりかけられるとつい買ってしまう。商売上手のいいおじさんだ。
「圭ちゃん!大根買っててよ」
そう八百屋の近藤さんに言われたが何とか頑張って断った。
「はい、僕高木圭介高校生。今回は丁重にお断りさせていただきます」
「おぉ断り方が大人だねぇ。じゃあまた買ってよ!お母さんにヨロシクね」
そう言われ「はーい」と返してその商店街を抜けた。
言い忘れていたが、俺は高木圭介。
この3月に中学校を卒業したばかりの新米高校生。
思い出といったらくだらない思い出しかない。
例えばドライブスルーに自転車で行って「笑顔下さい」と注文して店員を困らせた事くらいしかない。
今まで15年と7ヶ月生きてきて後悔した事と言えば、買ったばっかりのまだ開けていない新品のPSPの箱を踏み潰して未開封・未使用のままぶっ壊してしまった事と・・・中学の時2年と3ヶ月間好きだった人に告白できず卒業して合えなくなった事。そしてその人がこの世からしなくなった事ぐらいだ。
自己紹介が終わった所で今は家を出て学校へ向かっている所です。
毎日この桜通りを通り桜商店街を通って学校へ向かっている。この先に不思議な階段がある。
その階段は16段の階段で見た目はなんら不思議の無い何の変哲もない普通の階段であるが奇妙な伝説がある。
その伝説とは・・・・・・
とある昔、この階段は15段だったのらしいのだが、ここの何段目かに天使がおちてきてこの階段を16段に変えてしまったというものだ。
なぜ15段から16段に変えたのかは不明だ。大体まず天使がおちてきた事自体信じがたい。
俺は基本的に占いとか風水とかそんな伝説などは信じないタイプだが何故かこれの伝説に関しては信じてしまうのだ。
そしてこの階段はその伝説から『天使の階段』と呼ばれている。
今思うとこの街は不思議な街だ。
桜通りやら桜商店街やら天使の階段とか変な名前ばっかついたのがいっぱいある。
まだある。死神の坂とか徳川家康の時計とか地獄の電柱とかもある。ホントに何ともおかしな街である。
そしてまだ時間には余裕があるので今まで乗っていた自転車を止め天使の階段の一番上の段に腰を下ろした。
すると2段目あたりから本またはノートらしきものが落ちた時に聞こえる「パンっ」という音が聞こえてきた。
拾ってみる為にその場所まで近づいてみた。腰を下ろしそのノートを触り、拾い上げみた。
表にも裏にも何も書いていないノートの様だ。中を見てみると線が引いてありごく普通のノートの様だ。
周りの色は青色で結構キレイな鮮やかな色である。近くにはビルもなく上には何もなくどこから落ちてきたかは不明だ。
ここは天使の階段。まさか天使が・・・?そう思ったがそんなはずはない。
「そんなはずあるんだよなぁ」
後ろの方から声が聞こえてきた。
パッと振り向いてみると黄色の服を着ていて、背中には白い羽の様なものが付いていて、髪は透き通るようなキレイな真っ白な髪。そして目はまんまるで真珠のようで透き通ったキレイな瞳がある。
そして子供っぽい顔つきで天使のコスプレをした普通の男の子がいる。
「僕?名前は?迷子?」
「うん。僕迷子なの・・・お母さんが手を離さないでねって言ったのに・・・・・・って違う!」
おぉ。正直驚いた。のりツッコミだ。まぁこののりツッコミはEランクぐらいだな。
「おぉノリツッコミ!で僕は誰?」
そうその男の子に聞いてみた。
「おいらはね聞いて驚かないでよ!実は・・・・天使なんだ」
「ふーん」
俺は普通に信じなかった。まぁこのくらいの年頃の男の子だったらヒーローや天使などに憧れまねるからである。
「え!?驚かないの?」
その天使と名乗る男の子は驚いたように言った。自分で驚くなと言ったのに自分で驚くとは実にバカな話である
「だって天使君が驚くなっていったじゃん」
「まぁそうだけど・・・・」
一様天使君と言っておだてて早く帰らせるようにする。もう時間で早くしないと学校に遅れてしまう。
「まぁでも君は信じてないようだね?おいらが天使だって事。ちなみに名前はチュールってんだよ」
「あぁ信じる信じる」
こうは言ってみたものの最近の男の子は頭がいいのでこれくらいではダメだろう。
「あーやっぱ信じてない」
やはり予想通りこれではダメだ。
「いや信じてるよ」
「全然信じてない!でもいいよすぐ証明するから。そのノートあるよね?」
「そのノート?」
そう言ってさっき落ちてきたノートを差し出して言った。「これ?」
チュールと名乗る男の子はうなずき。
「そうそうそれそれ。それは【時のノート】っていうんだよ。実はね自由にね違う時間の世界に行く事ができるんだよ!」
「自由に?」
「そう。この本を読んで。そのノートについて色々書いてあるから」
そう言ってチュールは黒い本を差し出した。
題名は『この作品は桧垣☆雨龍が考えた空想の世界であって、完全なるフィクションであり、作品中にでてくる人物・地名・事件などは実在しません』
非常に長い題名である。
「何これ?この作品はどうのこうのって」
「ん?・・・・あ!間違えた!ごめんごめんこっちこっち」
間違えたらしいまた同じ黒い本を差し出した。
題名は『【時のノート】取扱説明書 球界の人間の日本語版』
球界?訳の分からない言葉が入っているが一様時間がないが読んでみる事にした。
そして中にはこう書いてあった。
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「使い方」
ノートに自分の戻りたい時間を年、月、日、時、分、秒の順で左から全部書く。
秒数とか指定しない場合は00秒と書く。
どこの場所に行くかは指定した時間にノートを使った人がいた場所にいきその時間の世界の人と入れ替わる。
書いた文字を左から右に上から右手の人差し指でなぞりその指をノートからはなすとその時間の自分が
自分がいない時間の世界にいったら
※所有権を持った人の右手の人差し指にのみ時間を越える為の契約が交わされる。
その為ノートの所有権を持つもの以外が同様の事をやっても効果は無い。
時のノートについては127つのルールが存在しておりそれは破る事は決して出来ない。
「ルール」
1、そのノートでは過去へしか戻れない。未来にはいけない。
2、いける過去は、自分が生まれてから今の時間までの間しか指定は出来ない。
3、過去の自分と入れ替わり、その時生きていた自分は、いなくなり、過去へ戻る前の今のあなたの時間の世界のあなたの存在は消えてなくなる。
4、過去へ戻れるのは、1人一生のうちに1回のみ。
5、過去へ戻れるのは、そのノートの所有権を持っている1人のみ。
6、1回過去へいってしまったら、そのノートの所有権は消えるが、記憶は消えない。
7、1回使う以外、所有権を捨てる方法はそのノートの持ち主の天使に「I throw it away」と言わなければならない。
8、1度過去へ戻ったらもう二度と元の時間の世界に戻れない。
9、自分から所有権を捨てた場合は時のノートに関係する事の記憶は全て無くなる。
10、天使は所有権のあるノートは例え自分のノートでも、所有権がある人自身が捨てない限り、所有権を剥奪したり、取り返す事は出来ない。
11、自ら所有権を捨る場合以外に、その所有者が死ぬ場合以外は所有権は決して移る事はない。
12、過去へいって、未来に起こる事を伝えても構わない。
13.・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
127、1度過去へ戻り、また同じ不幸な運命を辿ってももう二度とやり直す事はできない。
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丁度読み終わった頃にチュールが声をかけてきた。
「どう?圭ちゃん読めたぁ〜?」
「うん読んだよ」
「どうだった?すごいでしょそのノート」
スゴイ自慢げにチュールが言ってきた。ちょっとムカつくが確かにすごいものなのでまぁしょうがない。
「うんすごいね」
「じゃあ圭ちゃんは行ってやり直したい過去とかあるの?」
そう聞かれた・・・・・俺はまた嫌な事を思い出してしまった。
さっきも書いたけど俺は昔一度世界で一番好きな人を死なせてしまったのだ。
「うんある。実はね・・・・・」
その彼女の事を話した。彼女の名前は「大前真帆」歳は同い年だけど少し向こうの方が誕生日が早い。・・・もう死んでいるので歳は増えない・・・決して生きていては起こることが無い事が起きてしまう
もうすぐ大前真帆の歳を追い越してしまうと言う事だ。
・・・・・って何考えてるんだ。
そんな事は話してない。彼女を死なせてしまった事をはなした。
「じゃあそのノートでやり直せば?チャンスは一回だよ」
「1回か・・・・・・」
ちょっと自身が無かった1回だけ戻ってやり直せるチャンスをもらったがそれを無駄にするかもしれないと思ったのだ。
自分は果たして過去へ戻ってちゃんの出来なかった「告白」が出来るのだろうか?そんな不安で胸がいっぱいだった。
「もしかして自身が無いんだ!」
グサ!っとくるツッコミだ。
「そ・・・んな事・・ないくはな・・・ある。ちょっと怖い」
確かにこんな状況に置かれたら誰でも怖くなるものだ。
もし告白できなかったらまた大前真帆を死なせるかもしれない。さすがに世界で一番好きな人に二度しなれるのは困る・・・・。
だが圭ちゃんはポジティブに考える事にした。後ろ向きの考えは全部捨てた。
1回経験した過ちを二度と繰り返さないと自分自身に誓った。
でもさすがに今すぐつかう勇気はないので数日間考える事にした・・・・・・。
その考えてる間の数日間はとても楽しいものだった。
いつもチュールがそばにいて楽しかった。チュールが暮らしている天界の話とか色々聞いた。
ずっと一緒にいたいって気持ちもあったがあの子への気持ちの方が大きかった。
そしてついに決心をした「あの子のいた時間に戻り自分の気持ちをつたえる」という決心を。
翌日ついにノートを使った。
「チュール俺今日このノート使うよ」
「そっか・・・ついにこのノート使っちゃうんだ。うん頑張ってね今まで楽しかったよ」
何かちょっとチュールの声が悲しい感じに聞こえたような気がした。
これで最後のお別れかのように・・・・・・・・
そしてノートに指定時間を書いた。
【2007年3月6日14時00分00秒】
この日は俺が3年間通っていた桧垣中学校での卒業式の日。そして大前真帆を見た最後の日なのです。
ついにあの日、あの時に戻れる・・・・そう思うと圭ちゃんは固まった決心が再び「怖さ」へと変わっていった。
だが今までの圭ちゃんではなかったのだ。大前真帆に会う為に変わったのだ。
やがてその不安、緊張、怖さは希望、そして勇気へと変わっていったのだ。
『自分の気持ちを伝え後悔をしない人生をやり直す。そして大前真帆を死なせない』
これが、高木圭介の夢・・・・いや目標だ。
そしてついにその時が来た。
時を越える力と契約した右手の人差し指をさっき書いた文字の上におき左から⇒へゆっくりなぞっていった。
そして指をノートから離した・・・・・
次の瞬間何か不思議な感覚になった。何か言葉では表せない本当に不思議な世界につれてかれた様な・・・でもそれは一瞬でその後、目の前には満開の桜の花が広がっていた。
さらに周りを見渡すと中学の時のみんながいる。という事は・・・・・周りを見渡した。でもあの子はいないかった。
今さらだけどもっと前まで戻り色々楽しめば良かったと思った。そして別に卒業式に告白しなくても普通の時でも告白出来たという事にも気が付いた。
今更気が付いても遅いが・・・・。
よく周りを見ると
「さよなら」
「またね」
などの様な声が飛びかっていた。
時間を間違えたようだ。
恐らくあの子はもう帰ってしまった後だった。
頭の中が白くなった。時のノートでやり直せるのは1回限り・・・もう二度とやり直せない。
このままだったら、もう二度とあの子に会えなくてそして二度もあの子を死なせてしまう!
色々探し回った・・・・・ペットショップ、公園にあるホームレスの家の中、ゴミ箱の中、桜通り、桜商店街そして・・・・天使の階段。
一旦俺はその天使の階段に腰を下ろして考える事にした。
「どうして・・・」
後悔しながら色々考えていると下の方から何ともかわいらしい「圭介君?」とよぶ声が聞こえた。
その声の主を見たら何とあの子だった。
「ついにみつけた!」
思わず俺は声がでてしまった。
そして俺は彼女に言った。
「久しぶり。元気だった?」
元の時間の世界では決して言えない事だった。
1回彼女に言って見たかった。毎日会っているので言えなかったけどついに言えた。
なんと彼女とは4ヶ月ぶりなのだ。
「4ヶ月ぶりだね・・・・よかった」
「4ヶ月間ぶり?何言ってんの?圭介くん?昨日もあったし、さっきも話したじゃんどうしたの?」
俺はまず彼女に真実を伝える事にした。
「実はね、ちょっと言いたい事があるんだ」
「なーに?」
「俺はね信じてもらえないと思うけど今から4ヶ月後の未来から来たんだ」
ついに言ってしまった。彼女の反応は?
「よ・・・4ヶ月後?ホント?」
「うん」
「何の為に?」
「それは君にある事を伝える為に」
「ある事?」
「そう。2つ伝える事がある」
「1つは・・・・もうズバッっと言っちゃうよ。君は今から1ヶ月後の4月10日に死ぬ」
「は?何言ってんの?嘘でしょ」
さすがにこれは信じれないみたいだ。
それは当たり前だ。さっきまで会っていたのにイキナリ「久しぶり」とか言ってしかも「1ヶ月後に死ぬ」まで言われて全部信じる人は少ない。
「信じて」
そう圭介は彼女に言った。
「そして2つ目は・・・・」
桜の蕾が花へと咲き乱れる。
そしてその桜の花びらが吹き乱れる。
圭介の前を1枚の桜の花びらが横切る。
「僕は2年3カ月前、あなたにはじめて会いました」
そう彼はその時に転校してきたのだ。
「俺は君に恋をしている。そして君も俺に恋をしている。もう君を2度も死なせたくない。君を俺の力で守らさせて下さい」
ついに圭介は伝えた。
気持ちを伝えた後圭介は彼女の顔を直視できなかった・・・・・。
「その通り」
彼女が呟いた。
「ん!?何?」
圭介が聞き返すと彼女はこう答えた。
「その通り。私はあなたに恋をしてきた。私を守ってください。1ヶ月後の4月10日だけじゃなく、一生。一生守ってください」
数秒、圭介は彼女の言葉が理解できなかった。
数秒後・・・・・理解できた。
「うん。守らせて。一生」
そう彼女に言った。
「あ!そうだ!チュール!チュール!やったよ!俺できたよ・・・・」
と、言いかけながら後ろを振り向いてみたが、チュールの姿は無かった・・・よく探したが、やはりチュールの姿は無かった。
そういえば、この時間の世界にきてからチュールと話していない。そういえばノートもない・・・・・・・
・・・・・時のノート、ルールの第87「所有権が無くなったら、天界に帰らなくてはならない。二度とその人間に姿を見せる事は許されない。」
「ねー圭介くんチュールって?」
「それはね・・・・・・僕を過去へと運んで運命を変えてくれた、僕の天使だよ」
「天使・・・・」
・・・・・・・・・この運命の日から一ヶ月が過ぎ、4月10日になり、ずっと彼女に付き添っていた。
でも、何も起こらなかった・・・・・なぜか俺はわからなかった。
・・・・・それから月日が流れ1年後・・・・・・・・・・・
丁度あの告白から一年ふとあの「天使の階段」へ行ってみた。
ふと思った。
「チュールが、バカで、ドジじゃなくてノートを落とさなかったら一生悔やんでた・・・・チュールのおかげだ・・・・ありがとうチュール」
その時・・・・・階段の丁度16段目から声が聞こえた・・・・・。
「バカでドジとは何だ!あれは、圭ちゃんの為を思ってわざと落としたんだ!」
チュールの声だ!後ろを振り向こうとすると・・・
「だめ!圭ちゃん振りむいちゃダメ!今振り向いたらダメなんだ」
「どういう事?」
振り向くのをやめチュールに聞いてみた。
「これはルールで1回でも所有権があった者に所有権が無くなった後に姿を見られてはダメなんだ。喋ったりしてもいけないんだよ。だから・・・」
チュールと話しているとなんだか落ち着く・・・・話してはいけないのにわざわざ・・・ありがとうチュール
もう話せない。こっちから喋れない・・・チュールの言葉しか聞く事ができない。
この『ありがとう』と言う気持ちを伝える事はできない。
「圭ちゃんの告白のおかげで彼女は死ななかったんだよ。彼女を死なせなかったのは圭ちゃんのあのたった一言『君を俺の力で守らさせて下さい』なんだよ」
えっ!・・・・そう言いかけながら振り向いたがそこにはチュールの姿が無かった。
今は3月末。桜の花びらが吹き乱れる。
満開の桜につつまれていた・・・・。
数枚の桜の花びらが圭介の頭の上にのった・・・・・
「チュール・・・ありがとう・・・・・・・・・・」
天使の階段とは人の不幸を幸せに変えてくれる不思議な階段・・・・・
そして時のノートも不幸を幸せに変えてくれる不思議なノートだった・・・・・ |