MAGIC5-5〜Battle of night/Re-battle of Tsubasa team VS Mint team〜
「……それじゃあ、――いくぞッ!!」
翼はその言葉を発すると即、地面を蹴る。
それに呼応するかのように、トマホ―クも地面を蹴り、翼と真っ向勝負をかけようとする。
だが、翼はトマホ―クと勝負しようなんて思ってはいない。
翼が始めに狙おうとしている人物は――
「Development.――」
トマホ―クを剣とし、盾としている間に魔術を発動しようとしているミントだ。
翼はミントに接近しようとするが、トマホ―クが案の定邪魔をするので近づくことができない。
「――Purple electricity of the judgment which it tries probably to fall from the sky,――」
翼は袈裟にトマホ―クを斬りつけようとする。……が、よまれていたかのようにその攻撃をかわされる。
攻撃を避けたトマホ―クは少し動揺している翼の腹部に拳を入れようとする。――が、翼は瞬時のその攻撃に反応し、横に逸れる。
逸れた瞬間、翼は今度は斬り上げて攻撃しようとするが、その攻撃をトマホ―クはバックステップして避ける。
「遠当てぇッ!!」
トマホ―クは翼との距離が離れているにもかかわらず、拳を大きく振るう。
すると、そこから気で形成された衝撃波が翼目掛けて攻撃を仕掛ける。
すると翼はそれを見て一度剣を鞘に収め、そして一気に抜き払う――
「空烈斬ッ!!」
剣を鞘から抜き払うと同時に、翼はトマホ―クの衝撃波と同様、剣の斬撃を衝撃波として飛ばした。
翼とトマホ―クの技が激突した刹那、車と車が正面衝突したような音が、学校のグランド――戦場に響き渡る。そして同時に、砂煙が舞い上がる。
「ッ!!しまったッ!!」
翼は失敗したと思ってしまう。
なぜなら――
「――it becomes the sword, penetrating the enemy.――Lightning blade.――」
砂煙が舞い上がったことによって、魔術詠唱をしているミントの姿………いや、敵の姿自体見えなくなってしまったのだ。
見えない上に、確実に発動しようとしている魔術。
そして、ミントの強烈な第一撃目――
「――Lightning bladeッ!」
砂煙がようやく治まる。が、翼はミントたちへの攻撃をしようとはしない。
それというのも、翼のはるか天空に魔法陣が出現していたからだ。翼は攻撃よりも、今は防御に専念しようとしている。
「Invocationッ!――The wall of the invisibility which can protect from all things, protect meッ!!――」
上空にある魔法陣から少しずつ何かが出てきていた。が、それはすぐにわかった。
剣だ。それもとてつもなく大きく、しも紫電の雷をまとっている。こんなものを直撃すれば、まずただでは済まない。――いや、今の翼なら確実に死ぬ。
ましてやかなりの上空からその剣が降ろうとしているので落ちたときの衝撃波かなりのものだろう。
隕石が降ってくるのと大差変わらないのかもしれない。
そして、その巨剣が翼目掛けて降ろうとする。
「――Absolute barrierッ!!!」
翼はいつものシ―ルドではない、かなりの防御力を持っているまともなシ―ルドを張る。念のため、雷の牢獄に閉じ込められている緋睡にも、そのシ―ルドを張っている。
そして、巨剣とシ―ルドが直撃した瞬間、どこかのガスタンクが三〜五つほどいっせいに大爆発したような強烈な音が戦場、いや戦場以外にも大きく響き渡る。
グラウンドの砂は再び巻き上げられ、砂煙を発生させるが、先程のとは全くの別物と言ってもいいくらいの砂煙の量だ。
視界という視界がすべて遮られ、耳は先ほどの爆発音で完全におかしくなってしまっている。
息を吸うと砂煙でむせ返るので、窒息してしまいそうだ。
さらに、雷をまとった巨剣がはるか上空から降ってきたということもあり、学校の窓ガラスおよび、周辺に建てられている民家の窓ガラスがことごとく割れるような音まで砂煙の中、聞こえる。
数分するとようやく砂煙が止む。
すると、戦場はさんざんな結果になっていた。
巨剣が落ちた付近には巨大なクレ―タ―。それこそ、隕石が落ちたみたいになっていた。
学校、および周辺の民家の窓ガラスはほとんど……いや、すべて割れておりまわりの木々なんてものは根からすべて引っこ抜かれ、爆風で吹き飛ばされていた。
学校に設置されているサッカ―のゴ―ル等もその例にもれていない。
そしてクレ―タ―の中、ピクリと動く人影が二つ。
「ミント、まだあいつら生きているみたいよ。ゴキブリ並みの生命力ねぇ」
「……」
もともと口数の少ないミントは、トマホ―クの言う言葉に黙したまま。
そして、その人影二人はふらふらと立ち上がるとミントたちを見据える。
「…ハァ……ハァ…………ほ、本当に……死ぬかと、思った……」
「そう……です、ね……、兄、上…………。わたくし……たちの……強運に、感謝……です……」
二人とも肩で息をしながらそう言った。身体の傷も酷いの一言。
とにかく翼と緋睡はボロ雑巾のように成り果てていた。とくに翼の着ている服は、翼自身攻撃の対象だったので緋睡よりも酷く、本当に服を『着ている』というよりはむしろ布を『かぶっている』みたいになっていた。
傷から流れる出血も、シ―ルドを張って威力と衝撃を緩和させたので滝のように……まではいかないが、それでもポタポタと、壊れた蛇口から水が出ているようになっていた。
「……トマホ―ク。今日はこのくらいで退こう」
「え?なんでさ、ミント」
「さっきの衝撃、いくら結界を張ってたにしてもさすがに一般人に気づかれていると思うから」
「まぁ、たしかにね」
すると、トマホ―クは翼と緋睡にこう言った。
「今日はこのくらいで勘弁してあげるわ」
トマホ―クのこの台詞、普通の負けたほうが負け惜しみで言うと思うのだが、それだけ言うと、ミントとトマホ―クは戦場となった学校のグラウンドから離れるのだった。
…………。
ミントたちを退けたのはいい。だけど、問題はこの惨状だった。
明日学校はどうなるのだろうとか思いながら、翼と緋睡は傷を癒すために家に帰宅するのだった。 |