第98話 想いと神の判断
「あれがアルセウス……」
「すげぇ……」
遂にその姿を現した創生の神、アルセウス。そのあまりの神々しさにコウキ達でさえ言葉を完全に失っている。その中でミュウツーが言葉を発した。
「これが創生神、アルセウス……異世界でその姿を見たとはいえど、相変わらずの威厳と神々しさだ……」
「我を求めし者がポケモンだとは……ポケモンがポケモンを扱おうとするか、皮肉なものだ」
「どうとでも言うが良い。私はただ力を借りたいだけだ。ただ、それだけ……」
「ただそれだけで我を求めるか。その願いとは何だ?」
アルセウスの問い。それにミュウツーはこう返した。
「お前の力が欲しい。別に私と融合しろ、と言っているのではない。私の僕……いや、仲間とかいうのになって欲しいだけだ。人間を全て滅ぼすために」
『――!!?』
ミュウツーの求めるアルセウスの出す一番の答え。勿論、それが何なのか彼は理解しているつもりだったが。
「断る。我は人もポケモンも生み出した。勝手にその秩序を乱すわけにはいかん」
「そう返すと思っていた……。だが、人はあまりに身勝手だ。ポケモンを自分の下僕同然に扱っている。それだけではなく、私という存在まで生み出した!所詮、人はポケモンをとことん利用し、不要となれば捨て去る存在!あそこにいる者共とてそれは同じ事!正義のヒーロー面をしてはいるが、結局奴らとてポケモンを、我が同胞達を束縛している!」
「違う!そんな事は……」
真っ向からミュウツーの意見に反論しようとするコウキ。だが、ミュウツーはそれを一喝して無理矢理押さえつけた。
「ポケモンを仲間だの、友達だの言ってはいるが始めからそう思う同胞などはいない!そのボールの中に無理矢理入れ込んで、戦いの中で結局相手を潰す事の楽しさがポケモンと人の主従関係を作っているに等しい!それに……もう1つある。私はポケモンを忌まわしき人の手から解放したい、そう言ったがもう1個大きい理由がある」
「何だ?」
「私という存在を2度と生み出さぬため。人はポケモンを利用するだけでなく、勝手に命をも生み出した。そして、それに至っては使えないだけで斬り捨てる。私はそれに大きく悩んだ……自分と同じ者をもう2度と生み出したくは無い!!」
ミュウツーの想い。それがどれだけ重いかは、その場にいる全員が理解できた。そして、コウキが静かに言い出す。
「確かに……僕らはポケモンを道具として、利用している一面があるのは確かかもしれない……。でも、皆自分が道具としてなんて感じていない!僕の仲間だって、自分からなりたいと言ってくれた仲間もいるんだ!!僕はこう人間とポケモンは共存できると思ってる!手を取り合って!!」
(手を……取り合う……!)
ミュウツーはその時、脳裏に今も深く刻み込まれている彼の言葉を思い出した。あの時の言葉を――。
「ポケモンが間違ったときは人が……人が間違ったときはポケモンが……それを直す……なぜ、アイツと同じ言葉を……」
あの時からずっと悩んでいた。初めて彼に出会い、暫しの時を共にした。その中で彼は人とポケモンの共存を今一度考える事になった。それは彼にとって大きな迷い。断ち切った感情が再び彼の中で込みあがってきているのだ。
そんな時だった。どこからか不思議な色のビームがアルセウスに襲い掛かる。
「何……!?」
それを軽快な動きで避けたアルセウス。だが、この瞬間。アルセウスも人間は自らに離反するほどの力を手に入れてしまった事を判断した。同時に人間は確かに生かしておくのは危険、という答えが導き出されたのである。勿論、先のビームを放った犯人はただ1人。プルートだった。
「避けたか……。一旦飛行船に退却するかのぉ……」
そう、プルートは言いつつ、そそくさに戻る。そして、飛行船が浮遊し、槍の柱を離れようとした瞬間。アルセウスの怒りの一撃――破壊光線が飛行船に襲い掛かり、飛行船が爆破した。それはまさに一瞬。そして、アルセウスはこうミュウツーに話した。
「確かに汝の言う通り、人間は最早危険な生き物。汝の言うとおり、惜しいが消すのが一番の解決法かもしれない……」
「……………」
その言葉にミュウツーは終始無言。勿論、その言葉を聞いた一同は愕然とした。アルセウスによる人類絶滅宣言。
「アルセウス様、考えを改めなおしてください!」
「人間を消し去ろうなんて、間違ってる!」
「アルセウス様、その考えは正しいとは思えません!」
反論するディアルガ、パルキア、ギラティナ。だが、アルセウスは破壊光線を放つことでその意志を明らかにした。それは揺るがない決意。
「コレが我の答えだ……」
「仕方ない、行くぞ」
「分かってらぁ」
「さすがに今のアルセウス様にはついていけないからな」
構える神々。アルセウスの決定に今、コウキ達の世界がかつてない危機に迫る。
そして、その時デルタ達は――。
よしっ、ヨユーあるからもう1回確定かも♪
デルタ「寝オチ勘弁な」
はいはい。
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。