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リーンとラップはプレートとの会話から一夜明け、ようやく……
第48話 リーン編 祖父の予言
リーンとラップは崖からのんびり海を眺めていた。
時は太陽が真上にある時間――そう、正午である。リーンはボケるようにラップに言った。

「ラップ、飛び込んでいい?」
「だ、ダメですよ親方様!!」

ラップは翼をバサバサと羽ばたかせ、慌てながら言った。
ラップは真面目過ぎるからたまにこうやって弄ると反応がまたいい。リーンはこの一時が好きだった。

「さて、やっぱり……」

リーンは立ち上がって後ろを見る。ため息を軽く吐いた。

「誰も来ない……一番乗りだったね」
「はい」

気付けば、ラップはリーンの横に立っていた。

「ん?」

リーンが軽く空を見上げると、空を旋回する一つの丸い光。何か、温かい――そんな気持ちが沸いてくる。
光はリーンとラップの正面に降り立つ。やがて、光からクレセリアが現れた。

「君は?」

リーンが聞く。クレセリアはフフ、と軽く笑いながら言い返す。

「忘れたんですか、プクリンさん。うふふっ……」

目を閉じて、軽く笑うその顔は笑顔そのもの。心が癒されるようだった。
しかし、クレセリアは今プクリンさん……と言った。
プクリンはリーンの祖父。つまり、クレセリアはプクリン――祖父を知っている事になる。

「プクリンは僕のお祖父さんなんだ」
「えっ――!?」

クレセリアは目を丸くした。同一人物だと考えていたみたいで、ひどく驚くクレセリアがそこにいた。

「僕の名前はリーン。君は?」
「私はクレセリア」
「クレセリア!!?」

ラップは奇声を上げた。ラップは情報屋だが、クレセリアの名を聞き、驚きを隠せなかった。

「あなたはペラップさんのお孫さんですか?」

クレセリアが聞く。ラップは黙って首を縦に振った。

「で、ラップ。驚いてたわけは?」
「親方様、忘れたんですか!?100年前、闇と戦った勇者の1人ですよ!」
(闇……)

ラップの闇、という言葉にクレセリアは(まゆ)をしかめる。
ラップに苛立ちを抱えているわけではない。ただ、焦っていた。急いで、来訪したワケを話そうとクレセリアは決め、リーンとラップにある事を話しだした――。

「実は先ほど……と言っても、昨日ですが、あなたの弟子が敵に襲われてました」
「「――!?」」
「そして、私は驚いてます……」
「何にさ?」

リーンが聞いた。クレセリアは1つ息を吐くと、こう言った。

「あなたのお祖父さんのプクリンさんが言ってました」
「お祖父さんが!?」






























時は前作のお話が終わった夜、プクリンとクレセリアが海岸で話していた。

「終わりましたね……」
「うん」

所々傷があるが、それは100年前の戦いの黒幕、ミュウツーとの戦いの跡だ。

「僕さ、思うんだ」
「何をですか?」
「この平和は長いけど、あっという間なんだって」
「そうですね」

クレセリアは笑って過ごした。ポケモンは限りある命。生きているわずかな時間の事を言っているとクレセリアは悟ったが、プクリンはクレセリアの間違った考えにこう指摘した。

「クレセリア、僕が言いたいのはまたこの平和な日々にまた悪いヤツが悪さをしにくる事さ」
「え……」
「あくまでタダの(かん)だけど……僕の仲間がひどい目に遭う気がする」
「………」
「クレセリア、だから頼みがあるんだよ」

プクリンはその時、こう言ったのだとクレセリアは言った。

「僕の友達を守ってくれる?」

と。
クレセリアはもちろん構わなかった。ダークライはその事件に大きく関わっていたが、これに懲りただろうとクレセリアは判断した。仮にダークライが敵に回ればまた戦えばいい。
だからこそ、クレセリアはプクリンの頼みをすんなり受け入れた。

「そんな事をお祖父さんが……」

リーンはクレセリアが語った事実にただ口が開きっぱなしだった。ラップもそんなリーンを見るのは初めてだった。

「そして、プクリンさんの予想通り、何かが動き出した……」
「親方様のお祖父様がそんな事を……」
「私はしばらく三日月の谷に潜みます。用があればそこへ。後……」
「何だい、クレセリア?」

クレセリアは重い口を開いた。

「デルタさんを必ず死なせないで下さい」
「デルタを?」

ラップはイマイチ分からなかったが、リーンはどことなく分かった。クレセリアもやはり、デルタの存在を知っている――それはどこかでリーンもようやく理解した。

「分かってる」

強い声でリーンは敵でないと分かっていても、この圧倒的な威圧をかけずにはいられなかった。そんなリーンの気持ちを悟ってか、クレセリアは首を頷かせると、空の彼方へと消えていった……。



































その頃、グロスの前には任務に失敗したクロ、そしてメノコがひざまづいていた。

「申し訳ございません」
「任務……失敗致しました……」

2人の顔は恐怖以外の何物でも無かった。

「……仕方ない。乱入者に伝説のポケモンだからな、お前達が撃退されても仕方あるまい」

グロスは妥当な批評を述べた。まるで自分なら勝てるが、手下では勝てない、という感じだったが。

「だが、もう1つの目的は充分に果たした。足止めはうまくいった。おかげで、調査班が乗り込みに成功した。見つかるのは時間の問題だろう」
「…………」

一息ついたクロとメノコ。しかし、そこへグロスの怒号が響き渡る。

「しかし、情けない!貴様らはそれでも我の(しもべ)か!?」

グロスの目が光る。サイコキネシスだ。
クロとメノコに突如、言い様の無い激しい痛みが襲い掛かる。

「ガアァァァァァァァァ!!!!!」
「うぎぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」

ハァハァと息を荒げながら、クロとメノコはサイコキネシスが収まるとすぐさま痛みを堪えて(こらえて)、ひざまずく。

「それで良いのだ。敵に隙を見せてはならん。いかに劣勢でもな」
「「ハッ」」

2人は力強く返事したが、顔は激しい恐怖に怯えていた。

「ゆけ」

2人はそそくさにグロスの元を離れる。

「調子は?ローニャ」

モニター越しからゴローニャのローニャが話に入る。

「はい、中々見つかりません。うまく逃げてます」

グロスはため息をついて、こう言った。

「そうか……。軍勢は今のでいけるか?」
「充分です」
「なら良い」

通信はプツリ、と途切れる。

「……全て我々の計画通りですな、総帥」

突如現れる闇の渦。

「うむ。ヨノワールも次の任務に向かったし、調子はいい」
「次は……プレートから目を逸らせる(そらせる)と……」

グロスは考えていた。どんな手で目を逸らさせるのかを。

「簡単な話さ……。フフフフフフ……!」

総帥の静かな笑い声が辺り一面に響き渡る。

徐々に動き出す闇。
その中、倒れる勇者1人。しかし、それが新たなる出会いを呼ぶ引き金になろうとは誰も予想だにしなかった。

そう、その瞬間まで――。
次回からは分岐編を終わりにし、デルタ達に再び目線を向けます!

エネ
「やっと復帰したわ……」

シギ
「でも、意味深だよね、最後の描写」

次回を見れば分かるのさ。
では、お楽しみに!

エネ
「最近、それで引っ張るわね」

シギ
「大儀臭いんでしょ?」

そんなワケ無いよー(泣)

2人
「あ、泣いた……(汗)」


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