一気に書けてしまっていたので2話連続投稿で完結です!
いよいよアルセウスとの戦いに決着が着きます!!!
最終話 俺の選ぶ道
「ドダイトス、リーフストーム!!」
「ゴウカザル、フレアドライブ!!」
「エンペルト、ハイドロポンプ!!」
コウキ達の指示で一斉に各個が攻撃を仕掛ける。アルセウスも黙っては見ていない。
「無駄だと……言っておろうが!」
撃ち出される破壊光線は3匹の同時攻撃をも破り、コウキ達をへと襲い掛かる。だが、そこへデルタが立ち塞がり、
「波動弾!!!」
彼の手から撃ち出される波動弾が破壊光線を打ち消す。フゥ、と軽く一呼吸を置くデルタ。
「ありがとう、デルタ。助かったよ」
「油断すんなって。相手はディアルガたちを上回る敵なんだから」
「そんなのはとっくの昔に承知済みだっつーの」
ジュンの反論に一瞬苦笑いを浮かべるデルタ。だが、一方で余裕が無かった。先の一撃を浴びれば、自分達はギリギリで耐えれても、コウキ達に関しては命を落としてしまっても同然の状況になりかけてしまう可能性が高い事を唯一それを喰らったデルタは感じていた。そうなる前に決着を着ける必要があった。
そして、一方で槍の柱の別の場所でその戦いを傍観するダークライとクレセリア。彼らの足元には気絶した神々が倒れ伏していた。
「何故、助太刀に行かないんですか?」
「そういうお前は何故だ?」
「今一度貴方の行動を見てみようかと」
クレセリアの返しに、つまらないような様子な目つきをしながらダークライはこう言った。しかし、それを言う時の彼の表情は真剣そのもの。
「これは人とポケモン、2つの種族の未来を決する戦いだ。下手に我々が手出しするような戦いではない。選ばれたあの者達だけの戦いでもある」
「ですが……やはり、最終的には助太刀に行くつもりですか?」
「…………行くわけが無いだろう」
クレセリアの言葉に少し間を空けつつも、そう答えるダークライ。しかし、この様子だと助ける様子なのは目に見えていた。
一方、デルタ達とアルセウスの戦いは一進一退の激しい攻防が続いていた。
「ハイパーボイス!」
「させねぇよ、バレットパンチ!!」
否、衝撃波のように飛んだデルタの拳がアルセウスに直撃、アルセウスのハイパーボイスが途中で止められた。そして、アルセウスは苛立っている。
何故、自分の邪魔ばかりをするのか――そこに激しい苛立ちを覚えていた。そして、その激しい怒りが力となる。血が肉になるように。
「もう、よい……」
『!!?』
突然の一言。そして、宙へ浮遊して、アルセウスはさらにこう口にした。
「今、ここで全てを滅ぼす!喰らうがいい……」
(来る!アルセウスの大技が……!)
そして、一気にエネルギーを蓄え、アルセウスは自身の持つ最強の技を放った。
「全て滅びよ!破壊の飛礫!!!」
放たれる最強の技。だが、正攻法で挑んでも勝ち目は無いし、仮に避けたとしても恐らくその爆発の衝撃波も並大抵のものではない。実質的に避け切るのは不可能でもあった。
だが、デルタがそんな事を考えている時、聞こえたのは何とあの技に立ち向かう意志。
「ガブリアスは流星群を!レントラーは放電!ドンカラスは悪の波動!マンムーは吹雪!エテボースはダブルアタック!ドダイトスはハードプラント!!」
「ムクホークとカビゴンは破壊光線!ロズレイドはエナジーボール!ギャロップはオーバーヒート!ヘラクロスはメガホーン!エンペルトはハイドロカノン!!」
「パチリス、雷!チェリム、マジカルリーフ!ネオラント、銀色の風!ミミロップ、ピヨピヨパンチ!フワライド、怪しい風!ゴウカザル、ブラストバーン!!」
「吹雪!!!」
「ソーラービーム!!」
シギやエネ、コウキ達は一切のごとく、諦めていなかった。寧ろ、コウキ達に至っては危険だという事を理解している上で、立ち向かっているだろう。デルタは一瞬、自分がバカバカしく思った。何で計算するような戦い方になったんだろうか――この敵に自分のような頭脳が閃く作戦なんて通じるはずが無い。
本能のままに――いや、1人の元人間、そして今はポケモンとして得れた力は何のために使うか……堪えはいつの間にか出ていた。いや、はじめから出ていたとでも言うべきだ。
(俺のこの力は、誰かを――大切なものを……)
静かに差し出す両手。そして、集まっていくエネルギー。それが自らの波動である事にも気付いていた。静かに精神を統一すると、目つきを変えた。その光は青白く、そして神々しい。その光が一同の視界を集中させた。それほどの美しさでもある。
「全てを守るための今のこの力だ!!今、全部終わらせる!!!」
(ミュウツー、ほんの少し、技を参考にさせてももらうからな!)
否、デルタの両手から集まったエネルギー全てが発射した。それは何とミュウツーのダークブラスターと類似していた。だが、デルタの力は青白い。波動弾のような色をしていた。
「これが俺の究極奥義!ソウルブラスト!!!!!」
放たれたデルタの究極奥義、ソウルブラスト。決意に満ちた力は全ての破壊に満ちた攻撃を落としていく。
「バカな……!?」
そして、その一撃はアルセウスへと迫る。全てに終止符が打たれる、その瞬間。アルセウスの思ったことは分からない。ただ、恨みに満ちた思いなのか、デルタ達の力に真の意味での負けを感じたのか。
そして、デルタが叫んだ。
「これで…………終わりだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
その言葉と共にアルセウスの体はソウルブラストの中へと飲み込まれていった。そして、落ちていくアルセウス。その光景を見た瞬間、全ての者は終わった事を確信した。勝利という言葉が似合うだろう。
だが、その余韻に浸る瞬間はほんの一瞬だけだった。
「ぐっ……」
次の瞬間、その言葉と共に膝を突くデルタ。ただの疲労ではない。心配そうに駆け寄る仲間達。始めは「お疲れ様!」とか「ありがとう!」と言うつもりだったが、デルタの状態を見て、その目つきが全員一変した。
デルタの体から光が漏れ出していたのである。
「こ、これって一体……!?」
「どういう事だってんだよ!」
シギとジュンが思い思いの言葉を放つ。確かに状況を飲み込めない現状、デルタの異変を感じ取るものはいないに等しい。そして、同時にデルタは体が重くなり、息をする事自体の動作が辛くなっていた。そして、どこかで悟った――自分は消える運命にあると。
「きっと何かする方法はあるはず!探しましょう!!」
そう言って駆けようとするヒカリ。だが、そこへデルタの声が響いた。
「行くな!!」
『!?』
一同がデルタの方を向く。デルタの表情は険しく、そして辛そうである。そんな中、静かにこう言った。
「……いいか。きっとだけど……俺は消える運命にあるんだと思う。ポケモンにも人にもならずに、完全に消滅するような運命にあるんだ……文字通り、死んじまうんだよなきっと」
「そんな……!?」
あまりに唐突過ぎる一言。勿論、デルタとて突然突きつけられたような運命に抗いたい。だが、アルセウスを止めれて、大切なものを守れた今、もう充分だった大切な者達の前で消えるのは耐え難いが、1人静かに消えるよりは大切な仲間の顔を見て、散りたかった。
『ゴメンね……』
その声と共に姿を現すミュウ。だが、今回は特例だった。
『ミュウ!?』
そう、コウキ達にも見えるようにしていたのだ。そして、ミュウは静かにこう語りだす。
『ゴメンね……。デルタが消える原因を作ってしまったのは僕自身。創生神を倒すために決して開いてはならなかった力を解放させてしまった……』
「それこそが……」
コウキの問いにミュウに静かに頷いた。まるで始めから答えは出ていた事を象徴するように。
『そう。それこそメガモードの存在。使用者は……いずれ消えてしまう。肉体がその力の酷使についていけなくなって……』
「初めからわかっていて、使わせたの!?貴方は!?」
エネは怒りに任せるような言動をしてしまう。勿論、それが彼女の本意だったりする事で無いのは間違いない。そして、ずっと――もっと一緒にいたい、そんな思いが強く募っていた。
『じゃあ、全て消えた方が良かったの!?それでデルタが喜ぶと思う!?』
強く反発する意見。勿論、ミュウとて消えると分かっていてあの力を使わせた。だが、そうする以外どうしようも無かったのだ。大切なものを失い、デルタがそれで平気か――そう考えるとエネの口も自然と閉じてしまう。反論しようが無かったから。
消滅の光が少しずつ強くなっていく。
「皆……すまないな。それに……ありがとう」
不意にそんな言葉を発したデルタ。一同が「デルタ!」と叫ぶ。だが、その後に言葉を吐き出すエネとシギ、そしてコウキ。
「もっともっとデルタと毎日いたかったのに……こんな別れ方なんて……デルタ、生きようよ!諦めないでよ!!一緒にもっと探検しようよ、ねぇ!?」
「そうよ!もっといたかった!!デルタと……死なないで!消えないで!!」
今の感情をそのまま貫く2人。コウキもまた、こう発言した。
「久々に会えて嬉しかった。でもさ……再会して早々、もう2度と会えなくなるなんて僕には耐えられない!みんなだって!!何とかして生き抜こうよ!!!」
それぞれの感情を吐いた途端に強くなる消滅光。デルタが視界を閉じようとした瞬間、その消滅光が突然消えた。
だが、デルタの体はそのまま、ルカリオの状態である。
『!!?』
突然の状況を飲み込めない、一同。だが、答えは直ぐに分かった。それをダークライが告げる。
「見ろ、あそこだ」
ダークライが指差した方向にはアルセウスが佇んでいた。その周囲に同様に佇むディアルガ、パルキア、ギラティナ。
「アルセウス……粋な計らいをしましたね」
笑みを堪えきれず、溢しながらクレセリアはそう言った。そして、アルセウスが少し間合いを置きつつも、デルタ達に近づく。咄嗟に身構えたデルタ達。
「もうよい、我は我を取り戻した……礼を言おう。勇者達よ」
「元に戻ったのかよ!?」
「その通り。そして、礼と言っては何だが、我の力でデルタの消滅は止めさせてもらった。もう1つ……あのメガパワーを使っても消滅しないようにもな」
アルセウスの言葉に驚きを隠しきれない一同。だが、デルタの消滅光は現に消えている。嘘では無さそうなのは理解できる。そして、アルセウスが静かにデルタに問う。
「あて、デルタよ……。お前は人からポケモンになった身だ。お前が望むのであれば、我はここでお前を人の姿に戻しても良い。そう決めている」
「そんな事が出来るのか!?」
「可能だ」
そう、アルセウスは言いながら、首を縦に振った。決断の時。現在を取るか、過去を取るか――デルタにとっては究極の選択だったが、今のデルタの答えは決まっていた。
「俺はこのままでまだ行く。やっぱり、記憶も失ってるし……それにもっとポケモンの世界で色々してみたい。だから俺は今のまま、今のあるべき場所へと帰って修業を続けたい。……ごめんな……コウキ、ジュン、ヒカリ」
「君の決めた事なんだ、誰も文句言わないよ」
「あっ、やるんなら思い切りやってこいよな!やってこなけりゃ罰金だ!!」
「頑張ってね、デルタ」
かつての仲間との別れを惜しむかのような言葉のやり取り。そして、デルタは手をシギとエネに差し出すとこう言った。
「これからも……よろしく頼む。シギ、エネ」
「宜しくね、デルタ!」
「リーダー、しっかりやりなさいよ!!」
暖かな空気。その中で天を駆け出すアルセウス。最後にこう告げた。
「汝たちの未来に幸あらん事を……。さらばだ!」
そう告げると、天を駆け、自らの世界へと帰っていった。そして、パルキアもまた――
「じゃあよ、そろそろ帰るか。俺達の世界によ」
その言葉に異論は無かった。デルタとコウキは最後に互いの顔を見合わせると、首を縦に振る。そして一気にディアルガの背に乗るデルタ。全員が乗り、パルキアが空間の扉を開く。そして、一気にその扉を潜りだすデルタ達。
「じゃあね、デルタ!!!」
「……あぁ、また、な」
決して顔を見合わせる事無く、デルタは巣立った世界を去った。その目には仲間との別れを悲しむように溜まった涙。それを腕で拭うと、決意を新たに、自分たちのいるべき世界へと帰っていく。
一方、残るコウキ達。
「行っちまったな……」
両手を頭に置きつつ、ジュンがそう、発言した。
「また会えるから、デルタとは。きっとね……」
「そうね、私達も負けずに頑張りましょう!!」
コウキは空を見上げて、こう小さく呟いた。驚くべき事に、それを空間の狭間にいたデルタも生まれ育った世界の方を見て、同じタイミングで呟く。
「また会おう……親友」と。
反省会をやろーかなっと。
今日中に集会所で完結記念雑談をしますので、お楽しみに!
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