BLACK【8】
「それで!どーだったのよ!美少女との対談は!」
帰り道、園子が歩きながら声をあげる。コナンも横で聞いている。
「別に・・・大した事じゃ、無かったけど・・・?それに、園子に話しても分かんないと思うよ?」
「そんな、もったいぶらないで!言っちゃいなさいよ!」
まるで犯人に犯行を白状させる、刑事の様な素振りだ。
「(園子・・・)で・・・でも、園子姉ちゃんに分からない事って・・・何?」
コナンが少々呆れながら尋ねる。
「うん・・・コナン君さ、広田雅美さんて・・・覚えてる?」
「え!?もちろん覚えてるけど・・・何で?」
広田雅美という名は偽名。本名は宮野明美、灰原の今は亡き姉だ。
忘れることの出来ない人物の一人でもある。
「咲夜さんに・・・『ヒロタマサミって・・・知ってる?』って聞かれたの・・・。」
蘭が言葉に詰まりながら言う。
「な・・・!?それで!?蘭姉ちゃんはなんて・・・」
コナンが焦る。
「『知ってますけど・・・』って答えたよ?でもその後、少し黙り込んじゃったんだよね・・・咲夜さん・・・」
蘭が心配そうに言う。
「(ヒロタマサミ・・・いや、宮野明美を知ってるって事は・・・。咲夜湊は本当に奴らの・・・!!)」
コナンの顔が強ばる。
「・・・あれ?あの後ろ姿・・・もしかして、噂の彼女じゃない?」
園子が少し前を歩いている少女を指さしながら言う。
「え・・・?あ!本当だ・・・咲夜さんだ・・・あれ・・・。声かけてみよっか。」
蘭が咲夜に声をかけた。
「咲夜さん!」
その声に反応したのか、少女が後ろを振り返った。
「毛利・・・さん?それに・・鈴木さんも・・・。」
「え?何でアタシのこと知って・・・。」
園子も咲夜に面と向かって会うのは、初めてだ。
「鈴木財閥のご令嬢・・・鈴木・・・園子さんよね?恋人は・・・襲撃の貴公子・・・京極真さんかしら?」
「え!?あ・・・えーっと・・・」
園子の頬が赤く染まる。
そんな園子を前に、湊は少ししゃがんで、目の前にいる小さな少年に問いかける。
「貴方が・・・江戸川コナン君ね?キッドキラーで有名な・・・」
ドクンッ
コナンの体が反応する。
「(!?コ・・・コイツ・・・!)」
湊から感じるプレッシャー・・・それは、前にベルモットやジンから感じた物と同じものだった。
コナンは灰原とは違い、あまりプレッシャーなどは感じないものの、強い方のものなら感じられる。
そう、今目の前にいる、湊の様なプレッシャーなら・・・。
「(コイツの・・・プレッシャー・・・あいつらと同じ!?)」
コナンが確信した。
湊は自分をこんな体にした、黒ずくめの奴らの仲間だとー・・・
コナンが考えているうちに、湊は立ち上がり、
「じゃあ・・・、私は用事があるからこれで・・・」
と言うと、横の道に入っていった。それを見逃さないのがコナンだ。
湊が言ってから少したつと・・・
「あー!!」
と声を張り上げた。
「どしたの?コナン君・・・。また忘れ物?」
「う・・・うん・・・学校にノート忘れて来ちゃった・・・だから、取ってくるね!蘭姉ちゃん達は先に帰ってて!」
そういってコナンは湊が歩いて行った方向に走り出す。
「あ・・・ちょっと、コナンくーん!!」
蘭がそう叫んだときには、もうコナンの姿は見えなくなっていた。 |