闇に覆われて・・・(6/13)縦書き表示RDF


赤井さん登場。
『明美さんと湊は、仲が良い』っていう設定です。
闇に覆われて・・・
作:あめ玉



BLACK【6】


「あれから三年か・・・。それより・・・なぜお前がここにいるんだ?・・・
咲夜湊・・・」

長い沈黙の中、先に言葉を発したのは赤井の方だった。


「・・・組織の仕事よ・・・。」

湊が冷静に言う。


「・・・。まだ組織にいたのか・・・。」


「えぇ・・・明美さんの事を解決しなきゃ・・・気が済まないのよ。」

言葉を発すると、湊が少し俯いた。


「・・・・。」

赤井は黙る。


この二人が出会ったのは、赤井が組織に潜入捜査をしていた最後の年。

宮野明美・・・赤井が潜入捜査している頃に交際していた人物だ。

湊と明美は組織内の階級は違ったものの、かなり仲が良かった。

赤井に湊を会わしたのも、明美だ。

『自分の一番の親友。』と言って。

赤井と湊。あまり話はしなかったものの、印象は強かったのだ。



「貴方だって・・・組織を追い続けている一番の理由は・・・明美さんの仇を撃つため・・・なんでしょ?」

湊が問いかける。


「・・・。」

その問いに赤井は何も答えなかった。


二人の間を風が抜ける。


「・・・じゃあ私はこれで失礼するわ・・・。組織の仕事があるから・・・。貴方と・・・今度会うときは、敵同士じゃ無いことを祈るわ・・。」

そう言って、湊がドアの方に向かおうとした瞬間、赤井が言葉を発した。


「・・俺もそれを願おう・・・。・・・最後に一つ質問だ・・・
お前は・・・組織を抜ける気は無いのか?」

今度は赤井が質問した。


「・・・・。そろそろ・・・かしら?」

湊は一瞬笑顔を見せて、階段を下りていった。



「・・・・。」











次の朝、蘭が学校に着いた途端、園子が駆け寄ってきた。


「ねぇねぇ、蘭!あの噂の美少女、見に行かない?」

園子は興奮気味だ。まぁ、いつもの事なのだが。


「美少女って・・・・あの転校生の『咲夜湊』さんの事?」


「もう!他に誰がいるって言うのよ!?・・・あ・・・蘭も美少女の一人だったわね〜。」

園子が笑いながら言った。


「何言ってんのよ!園子!」

少々照れながら、蘭が否定する。


「とにかく言ってみよ!今なら絶対いるからさ!」


「う・・うん!」

蘭は園子にひっぱられ、A組へと向かった。




「いたいた!あの子よ!」

園子が指を指した先には、確かにいた。

腰まで長さがある赤みがかった茶髪。

大きな目は、吸い込まれそうな深い黒。

さすが、美少女と呼ばれるだけある。

だが、何か違和感がある・・・蘭はそう感じていた。


「ホントに美少女ねー・・・」

園子が呟く。

蘭も感心して見ていると、目線が合った。そう、今見ている咲夜湊とだ。


「え?」


「どしたの?蘭・・・」

コツコツ・・と靴の音を響かせて、湊がこちらに向かって来た。


「毛利・・・蘭さんよね・・・?」

湊が蘭に尋ねた。


「え・・・え!?・・あ・・・は、はい!」

いきなり聞かれた蘭は、言葉をつっかえながらも、なんとか返事をした。


「ちょっと・・・一緒に来て?貴方と・・話がしたいの。」

湊が蘭と話をしたい、と言ってきたのだ。


「あ・・・はい!」

突然のことに驚いた蘭だが、素直について行った。


廊下を歩いていく蘭達を、園子やA組の生徒はただ呆然と、その後ろ姿を見つめていた。












ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう