BLACK【5】
蘭とコナンは夕飯の準備をしている。
「コナンくーん!これ運んでくれる?」
蘭がコナンに言う。
「はーい!」
それにコナンは元気に返事をした。
「ねぇ・・・コナン君?」
コナンが運んでいると、蘭が問いかけてきた。
「なぁに?蘭姉ちゃん・・・」
コナンが笑顔で答える。
「コナン君・・・何か隠してない?」
「え?な・・・何も隠してないけど・・・。なんで?」
「だって・・・今日、転校生の話したときのコナン君・・・。なんかいつもと違う雰囲気してたから・・・。」
「え・・・?いつもと同じだよ?僕・・・。」
コナンが慌てて否定する。
「そうかなぁ・・・。」
蘭が疑惑を持っている様子だ。
「う・・・ん。きっと勘違い・・・じゃない?」
コナンがおそるおそる言う。
「・・・・。そっか。そうだよね・・・ごめんね?コナン君・・・お姉ちゃん、また、勘違いしてたみたい。ホント・・・ごめんね。」
蘭が謝る。
「ううん・・・僕の方こそ、なんか勘違いさせちゃって・・・ごめんね。蘭姉ちゃん・・・」
コナンはこの意味とは別の意味も含めて謝っていた。
そう、本来の姿で気持ちを伝えられなくて、蘭をいつまでも待たせている事に対してだ。
もちろん、組織の事は蘭にしゃべっていない。当たり前に自分が「工藤新一」だと言う事もだ。
蘭に組織の事を話せば、組織の目標に蘭も入ってしまう。そうすれば蘭に余計な心配をさせるだけで無く、被害までもが加わってしまうのだ。
それはなんとでも避けたい。 蘭の涙は見たくないが、失うのは最も嫌なのだ。
「(早く奴らの仲間を見つけて・・・奴らをぶっ潰さなきゃな・・・)」
コナンは心の中で強く思った。
同じ夜、ビルの屋上に向かう階段で、靴の音とあるメロディが響く。
ピッ・・・ポパポ・・ピ・・パプパペ・・・
響いたメロディは「七つの子」。このメロディは黒の者達だけが知る、パンドラの箱・・・。
ブルルル・・・
携帯が振動する。
ピッ・・
「もしもし?」
「オレだ・・・咲夜湊・・・いや、ラスティ・・・」
低い声が電話口で聞こえた。
「あら・・・めずらしいわね。貴方が電話をよこすなんて・・・。」
咲夜湊・・いや、『ラスティ』と呼ばれた少女が冷静に言う。
「フン・・・前にも言っただろうが、用心深くてしつこい性分なんでな・・・。」
相手には見えないが、湊は「フッ」と笑みをこぼし、言った。
「そうだったわね・・・それで?用は・・・計画の事かしら?」
「あぁ・・・。上手くいっているのか?」
「えぇ・・・貴方が心配しなくても・・良いんじゃなくて?」
湊は最後の階段の一段を上り、屋上へのドアを開ける。
「フン・・・この計画はあの方直々の命令だから、オレは口出ししねぇよ・・・」
「それが良いわ・・・。貴方に縛られちゃ、こっちが・・・」
湊の言葉が詰まった。
ドアを開けて、目に入ったのは一人の男の姿だった。
「!!」
湊の動きが止まった。
「・・・どうした・・・ラスティ・・・」
「・・・いえ、何でもないわ。じゃあ・・・また後で連絡するわね・・・ジン・・・。」
そういって、湊は電話を切る。
そして、ゆっくりと目の前にいる男に歩み寄っていった。
「お前は・・・」
男が言葉を発する。
「久しぶりね・・・三年ぶりって所・・・かしら?FBi捜査官の・・・
赤井秀一さん?」
一人の少女と男が向き合っている中、時間だけが過ぎていった。
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