BLACK【12】
「・・・一君・・・新一君・・・おい!!新一!?」
「う・・・ん・・・?・・・!!」
バッ!!
コナンがソファーから飛び起きる。
「は・・・博士!?なんで・・・!」
「何ではこっちのセリフじゃ!帰ってきたら家の前に倒れてるから・・・心配したんじゃぞ!」
この人は阿笠博士・・・コナンの良き理解者。もちろんコナン=新一だという事を知っている。
コナンが使っている変声機などは、この阿笠博士の発明品だ。
「た・・・倒れてた?博士の家の前で?」
コナンが意識を失ったのは人通りの無い道。到底誰かが運んでくれたなんて事は考えにくい。
むしろ博士の家の子供だと分かるはずが無い。
そう考えると・・・考えられるのは・・・
「奴が・・・・運んだ・・・?」
ありえないとは思いつつも、考えられるのはそれしかないー・・・。
そんな事を考えていると、博士が問いかけてくる。
「新一?誰じゃ?奴って・・・。まさか、また危ない事件に首を突っ込んでるんじゃなかろうな?」
「・・・んなわけねーだろ?大丈夫だよ・・・。」
完璧に見抜かれたものの、心配させまいと否定する。
「あら・・・貴方のその『大丈夫』が・・・こっちにとっては一番怖いんだけど?」
嫌味っぽく哀が言う。
「は・・・灰原!?」
「どーせ、こないだのジョディ先生からの電話の件でしょ?隠したって無駄よ・・・。彼等・・・組織の情報でしょ?」
こういう事には鋭い哀だ。
そんな哀も組織の情報だと確信しているからなのか、やや緊張気味だ。
「ほ・・・本当か!?新一!!」
「(ここまでバレてんのかよ・・・。・・・ったく・・・)」
観念したようにコナンが話し始める。
「あぁ・・・灰原のいう通り、奴らの情報だよ・・・。帝丹高校に奴らの仲間が転校して来るってな・・・」
「「!?」」
これには2人とも驚く。
この2人だって、帝丹高校が蘭や園子、新一が通っている高校だと知っている。
「そ・・・それで・・・?どうだったんじゃ?本当にいたのか?その仲間とやらが・・・」
「あぁ・・・いたぜ・・・。『咲夜 湊』がな・・・!」
「咲夜・・・湊・・・?(この名前・・・どこかで・・・)」
灰原がゆっくりと繰り返す。
「ん・・・?灰原・・・聞き覚えあんのか?そいつ・・・」
コナンが哀の顔を覗き込む。
「・・・聞いた覚えは無いわね・・・。」
「そっか。」
またソファーにもたれかかる。
「じゃあ・・・さっき新一が言ってた奴ってのは・・・!!」
博士が言葉を切る。
「そう・・・咲夜湊だよ・・・。さっき追跡したんだけどよ・・・。」
「あえなく失敗・・・不覚にも麻酔銃で眠らされたのね・・・。」
哀が続けた。
「なんで知ってんだ?」
「追跡して眠る人がどこにいる?それに・・・貴方の首筋に、麻酔針の痕が付いてたわよ。」
呆れたように哀吐き捨てた。
「あ・・・そ。」
苦笑しながら呟いた。
「灰原・・・」
「何?」
哀冷たく返す。
「もしかしたら・・・」
「?」
そこで言葉を止めた。
「あ・・・やっぱいいや。」
「なによ・・・気になるじゃない。変な所で止めるのやめてくれる?」
怒り気味哀が言ったものの、コナンはそれ以上何も言わなかった。
「まったく・・・なんなんだか。」
呆れたように哀はその場を離れた。
「何を言おうとしたんじゃ?新一・・・。」
「いや・・・なんでもねぇよ・・・。」
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