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<お試し版>満咲高校騒乱記
作:瑛彪・玄彪



[漆] 七言絶句 の 7。


 しばしの沈黙の後に、ぽっと蒼い炎が宙に灯る。夏生の手のひらの上だ。
 夏生の目は、照らし出された侵入者をしっかりととらえていた。


「おい、お前」


 廊下の端でカチコチになっているアキラが、ビクッと飛び上がる。
 夏生が無表情に、つかつかつかと歩み寄る。

 アキラの脳裏に、先ほど火あぶりになった女がよぎる。
 一難去ってまた一難。



 やばい、燃やされる・・・!



 へたり、とアキラは腰を抜かした。
 夏生の手がすっと近づく。

 観念してぎゅうっと目をつぶるアキラの耳に、夏生の静かな声が聞こえた。
 











「高校見学なら、昼間来な」











目を開けると、夏生が手を差し伸べていた。

アキラはおそるおそるその手を掴んだ。


氷のように冷たい手だった。


「見ての通り、夜のこの学校は危険だ」

 立ち上がったアキラから手を離す夏生。

「さっきは俺が予め結界張ってたから、何とかなった。
 もし、俺が結界を張るのが遅れていたり、お前が結界の外に出ていたら・・・」

「たら・・・?」
 
 睨む夏生の気迫に、ごくりと生唾を飲むアキラ。

「『彼女』の餌になってただろうに」

「・・・・っ!」

 震え上がるアキラを見て、夏生は思わずニマっと笑む。が、すぐにまた、厳しい表情に戻る。

「喃っ、お前もお前だ。
 わざわざ攻撃するタイミングを教えなくていい」

「はぁい」

 先ほどの子の声が返事して、とことこと足音が近づく。それが夏生の足元まで来て止まる。
 炎の照らす光が届かなくて、その姿は闇に埋もれたままだ。
 
「あなたたちはいったい・・・」

アキラは、がくがくと頭を縦に振った
 夏生の顔と足元を交互に見ているのだ。

「さっきこいつが云ったろう?」

 夏生は自嘲的な笑みを浮かべて云った。

「俺たちは迷える魂の案内役だ」

「案内・・・?」

「この閉じた空間から、元の、いるべき場所へ、『彼女』たちを送り出すのさ。
 さっきみたいにな」

「????」

 話についてこれないアキラに対して、夏生は鼻で笑う。 

「・・・まあ、ガキにはわからん話だろう」

「夏生の説明の仕方が悪いんだよ」

 喃が怒った口調で夏生をたしなめる。

「これで理解できなければそれまでだ。
 説明する気もないしな」

 そういう夏生を無視して、喃がアキラに説明し始める。

「あのね、わかりやすく云うとね・・・」

「あ、こら。立ち話をするな。まだ任務中だぞ」

「じゃあ、行きながら話そう、ね☆」

「あ、はい。。」


そんなやりとりをしながら、3つの影が歩き始めたその時・・・












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