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白の涙。 作者:朝登 優
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白の卒業

 
 白の卒業。

 
卒業式。

 先生はクラスを持っていないから体育館の隅の方に座っていた。

 高校はクラス代表が一人だけ前にでて賞状を貰うため、僕らは楽だ。


 結局、先生と会話を交わすことすら出来なかった。けれどその分、遠くから先生を焼き付けた。

 すきです、と心の中で呟いて。





 先生を感じられる空気から出たくなくて、打ち上げにも参加しないでクラスの隅で座っていた。
 初めて会ったのは校門の前。

 新入生を迎える教師軍の中にいた。


「…よし」

 たくさん泣いた。
 泣いて、泣いて、もうどうしようもないのだとわかった。

 だからもう泣かない。
 先生と会えた幸福だけ抱いて笑っていこう。

 背筋を伸ばして、しゃんとして。前見て一歩。

「あ」

 その前に後ろを振りかえる。

「ばいばい」

 三年通ったこの場所に笑って別れを告げた。











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