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  I with... 作者:戯言
入試終わったーあ!
Chapter:19 激闘
そんなこんなで愛しの我が家。
何事もなく(まぁ、色々あったんだけれども)、無問題で帰宅した。

「はぁ〜ぁ……」

ずっと雪音はこんな感じだった。
あの後、しばらくは納得しておとなしくしていたんだが、五分くらい経った途端暴れだしたのだった。
道の真ん中で、卑猥な言葉を叫びまくる雪音は、ある意味閻魔大王よりも恐ろしい形相をしていたのは、言うまでもない。

それから、頑張って雪音をあやし、家まで引っ張ってきたのだが…。

「はぁ〜ぁ……」

ずっとこの調子なのだった。
雪音が激しく放っている不幸に慄き、このはや躑躅も近寄れないでいる様だ。
ものすごく、他から見れば哀れに映るのだろうが、事情を知っている俺は、心配をすることも、増してや優しい言葉をかけることもしない。

その状況を見た二人が、

「もしかして、喧嘩しちゃったんですかぁ?」
「へぇえ!?お二人が喧嘩だなんて!!」

こんな風に勘違いをしてしまうのも無理はない。
そろそろ、何か声をかけてやる必要があるかな…?

「なぁ、雪音…いつまでもむくれてんなよ」

「………むくれてないもん」

どうせそんなことを言うと思っていた俺は、必殺の言葉を口にする。

「雪音と一緒に、………さっき買ってきた本、読みたいな?」

「おっけぃおっけぃぃぃ!!さぁ読もう今読もうすぐ読もう!」

ほらなぁ、一撃必殺技だ。

ということで、勢いのままにいってしまった事で、本当に一緒にエロ本を読まなくてはいけなくなってしまった俺。
こっからは地獄だ。

「うふふー、見てみてぇ…これがxxxxxだよぉ。龍也くんにもしてあげるからねー!」

「う、ううぅ、うううぅぅぅぅうぅぅぅぅ…………」

早くもギブアップの兆しが出てきた俺。
くそぅ!恥ずかしくもいやらしいことを、そんな臆面もなくぅ……!

「それでねぇー、これが…」
「すいませんごめんなさいもうしません!!」

俺ギブアップ。
早っ!!

「もぉだめだぁ…、助けてくれぇ、俺には無理だぁ…」

厳しいって!これは厳しいって!!
俺もう半泣き目状態。

「なんか、龍也くんのキャラクター、だんだん軟化していくよね、最初の頃は思春期のピュアボーイのように、尖ったこと言ってたのに……」

「それは昔のことだ!今の俺は思春期じゃないピュアボーイなんだ!そのように扱ってくれぇっ!」

「龍也くん…、生きる意味を教えてあげるよぉ…それは、…子孫の繁栄だぁっ!!」

「きゃーーーーっ!」

こいつに、男にもセクハラは通用するということを教えてやりたい…。

「ちょっとぉ!龍也先輩になにやってるんですかぁっ!」

「そうです、勝手なことをしないでください!」

ぉおっ、力強い加勢だっ!

「お前ら、助けてくれっ、俺の貞操がぴんちだ!」

しかし、俺はすっかり失念していた。
こいつらも、こと俺への執着心については、雪音に負けていないということをっ!!

「雪音せんぱーい!あたしも仲間にいれてくださーい!」

「わ、私も!わたしもお願いします!」

雪音に新しい仲間が加わり、敵勢はパワーを増した様だった。

………ここは…!

「逃げるしかねぇ…!」

敵の勢いが増加した今、まともにぶつかるのは自殺行為に等しい。
俺は、三人に背を向けると、一目散に玄関を目指して駆け出す。

「まっ、待ちなさいよっ!!」

「待つわけねぇだろ!」

一心不乱に玄関目指して駆ける。
しかし、

ビタンっっ!!

「ふぐぇっ!」

何かが足に引っかかり、勢い良く転んでしまった…。
足を見ると、掃除機のコードが絡み付いていた。

コードの先には…、

「雪音っ!お前なんてことしやがる!頭打ったらどーするつもりだ!」

「打たなかったから良いじゃん!龍也くんが逃げるのが悪いんだよ!」

「誰だって逃げるわ馬鹿野郎!」

「龍也先輩、往生際が悪すぎですぅ!」

「そうですそうです!神妙にお縄についてください!」


じりじりと迫ってくる女軍団。
逃げるためにコードを解こうとするが、

「ぅお!?何でこんなに素晴らしいまでに絡まってるんだ!?」

「ふっふーん、こんなこともあろうかと練習しといたんだ!」

「無駄な努力すなー!」

コードを引っ張って、俺を手繰り寄せる雪音。
ずるずるとフィッシングされる俺。

「よぅーし、龍也くん、キャーッチ!」
「あーんど、りりーす?」
「しないよっ!」

可愛い感じで見上げてみても、雪音の心に火をつけるだけだった。
俺、今度こそ絶体絶命!?
全員が、俺の服を脱がしにかかる。
そのときっ!

「ちわーす、宅急便でーす」

なんと宅急便が!
てか、何でインターホン押さなかったんだ?

「た、助けてくださーい!」

ここぞとばかりに叫ぶ俺。

「ど、どうしたんスか!今助けにいくっす!」

ナイス宅急便!
爽やか系おにーさんが玄関に入ってくる。

そして、足を止めて唖然とする。

半裸で倒れている俺。
足には掃除機のコードが巻きついている。
俺に巻きついている女三人。
ふと視線をそらせば、リビングの机に置いてある、開きっぱなしのエロ本。

「……あぁ、新手のプレイっすね」

宅急便のおにーさんは、遠い眼をした後、荷物を置いて去っていった。
………何か大切なものを失った気がする。
なんだろうか、この虚無感。

「はぁ…、もう何でも良いや」

「ぉお、龍也くんが投げやりモードに!?」

「もう好きにしてよ…、抵抗しないからさ…」

あれ、なんだろう、涙が止まらないや。


「ご、ごめんて龍也くん!泣かないで泣かないで!ほーら、よしよし」

「泣いてなんかないよ…、泣いて…なんか…」

そして、泣き声を上げながら雪音の胸に飛び込む。


よし、今回は難を逃れた感じだな。
我ながらずる賢い…。
だが、今回は煙に撒けたものの、次からどうなるか分からない。
真剣に対策を練るようにしないと、危険だな…。

乱筆乱文誠に失礼。
やっと入試が終わりました!
志望校に合格できたので、心にも時間にも余裕ができましたので、これからは更新日時を短縮できると思います!
待っていてくださった皆様、ありがとうございます!
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