25.小ネタ集2 / 登場人物解説・4
【裁判】
「突然ですが、第592回丸斗探偵局裁判を始めるニャ!」
「待て待て待て。何で突然そんな流れになるのよ!」
「それは決まってるニャ!被告人の丸斗恵局長はとーっても悪い人ですニャ!証言人は前ニャ!」
「証言人は全員ブランチで傍聴席と裁判員席は全員デューク…色々酷いな…」
「コホン、えー、被告人の丸斗恵氏は、今日の朝遅刻をしニャした。マル!」
「うーん、ありがとうございますニャ!ニャんと感動的なスピーチニャんでしょう(>ω<)」
(自分で言って自分で感動してるし、この猫…)
「さて、とっても悪い事をした恵局長の判決は、勿論死刑で決定ですニャ!」
「ちょっと待ってよ!まだ裁判員からの意見も聞いてないでしょ!」
「おっとそうでしたニャ。じゃあ裁判員の皆さまからも意見を聞きますニャ」
「はい、えーっと…恵局長はよく寝坊をします。年が明けて最近さらに寒くなって来たせいもありますが」
「普段のように10分程度遅れるならまだしも、今日は2時間も遅刻してきています」
「これは、いくら僕でも許せない行動だと思いますね」
「その通りですね」「そうですよ」「そうですね」
「「「「「「「以上です」」」」」」」
(…デュークだらけとか誰得?私得だけど)
「はい、貴重な意見ありがとうですニャ!皆有罪判決にしたいという事…ん、どうしたニャ被告人、何か言いたい事でも?」
「…ちょっと聞いていい?
貴方達、今日何時に来たの?」
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「あ」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「あ」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
「猫に掃除させるなんて酷いですニャ…」
「しょうがないでしょ、雑巾がけくらいは余裕でしょ?遅刻した人は掃除当番って約束なんだから。ま、大掃除だと思ってやるしかないわね」
「それもそうですね…うわ、凄い埃…」
「そういえば何でデュークはあのセットもう一度用意したの?」
「…聞かないでください…」
「分かった」
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【じゃんけん再び】
「じゃんけん?」
「そう、人間の世界で流行ってる遊びなの…って何よデューク変な顔して…」
「局長…またするんじゃないでしょうね、あれ…」
「あれってニャんですか?」
「あまり思い出したくないな…」
「えー、結構おもしろかったのに」
「局長は面白かったかもしれないですけど…あの後100億人になるまでずっと続けて、その後飽きて元に戻ったじゃないですか…後始末が大変だったのに…」
「デュークさんもお疲れ様ですニャ…
でも、俺も一度じゃんけんやってみたいニャ…」
「うーん…これならデュークも五月蠅く文句言わないようだし…」
「文句の原因は局長ですよ…。でも、確かにブランチは強敵っぽそうだな…」
「デュークさん、俺とじゃんけんやってくれるんですかニャ!?」
「へぇ、異種格闘戦みたいな流れになって来たわね」「はい、これは人間代表として頑張る必要がありますね」
「このボタンを押せばいいんですかニャ?」「そう、グーがパーに負けて、そのグーはチョキに勝つ、と…」
「…で、なんでまた恵さんは二人になってるんですかニャ」
「何って、応援係よ応援」「そうそう、応援があれば盛り上がるでしょ?」
「ニャーるほど!」「あ、あの局長…応援いらないですから…」「えー、デュークさんつれないニャー」「…僕、凄い嫌な予感が…」
「「それじゃあ、いくわよ!」」
「は、はい!」「ニャ!」
ジャン・ケン・ポン!
「あ、あいこですニャ」「グーか…もう一度」
ジャン・ケン・ポン!
「またあいこだニャ」「チョキか…よし…」
ジャン・ケン・ポン!
「またグーであいこですニャ…」「互角か…」
「なるほど…これはあれね、」「応援が足りないと言う事か…」
「…え」
「「よし、これなら大丈夫ね。頑張れブランチ!」」「「負けるなデューク!」」
「う…まさかこの流れは…」
「「「「勿論時空改変は無しね」」」」
「うぅ…」
「よーし、頑張るニャ!」
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「「「「「「「「「「「「あ、またあいこだ…」」」」」」」」」」」」」×1000万
「…ブランチ、分かっただろう、嫌な予感の意味…」
「デュークさん…苦労したんですニャ…orz」
「「「「「「「「「「「「いいから次の勝負をしなさーい!」」」」」」」」」」」」」×1000万
「うぅ…局長厳しいからズルもできニャいし…」
「実力があるって…辛いね…」
「「「「「「「「「「「「ほらほら、頑張れ頑張れ!」」」」」」」」」」」」」×1000万
「「誰か止めてくれ~!」だニャ~!」
≪登場人物解説≫
・ブランチ / ♂
丸斗探偵局三番目のメンバーである黒猫。以前は町の動物の親分として君臨していたが、探偵局や郷ノ川医師らと対立の末に敗北。町を去ろうとしたところ、恵にスカウトされ仲間となった。その前後にデュークから人間の言葉を話すことができる赤い首輪を貰っている。
局長に似たお調子者の怠け者の性格。口が軽く、うっかり自分の悪戯やつまみ食いがばれて大目玉をくらわされることもしばしば。しかし、町の動物たちに一声で指示を出したり、仲間たちに助言を出したりと「親分」時代の威厳は衰えていない。
実は元からただの黒猫ではなく、遺伝子に不思議な力が刻まれた「ミュータント」。ブランチの場合、自らの鼻やヒゲ、耳、目などの感覚器官を利用して、様々な存在を見分けることが可能である。どんなに精密に変身しても、ブランチの目にかかればすぐにばれてしまうという。ただ、恵のように本物の自分を大量に増やす「増殖能力」だけは判別が不可能の様子。
・美紀さん / ♀
町中に佇む動物たちの集まる屋敷、通称「ネコ屋敷」に住む女性。少々大きめの体格で、いつもほんわか笑顔を見せている。
とある場所から逃亡してきた過去を持ち、その際にブランチたちに保護されたが彼らの世話を押し付けられ、実質動物たちにこき使われる事態になってしまった。しかしそれでも町の動物たちへの愛情を持ち続けており、彼らが反省した事で無事に和解が成立した。
本を読んだり計算をしたり、難しい事を考えるのが苦手な一方で料理が上手く、安い食材でも非常に美味しいご飯を作り出してしまうと言う。町の動物たちは勿論、恵たちからも好評の様子。